断熱改修って意外と難しいんです。 経験と知識がモノを言います・・・。

今日は第1火曜日につきアセットフォーはお休みです。

先日、筑波大学付属小学校で行われた説明会での話です。

前回の改修では、天井に厚さ155mmのグラスウールを敷き並べていました。

その為、今回も同じ断熱材を使って見積もりを求められました。

でも、ある業者から、こんな提案があったんです。

「断熱材を入れる手間は一緒なので、ウチでは厚さ170mmのグラスウールを提案します。」

「厚い分、性能が上がるでしょ

この提案を受けて、発注者側の担当者がこちらに質問をしました。

「厚さ170mmのグラスウールの見積もりをお願いできますか

170mmの方が厚い方、断熱性能が高いと思ったようです。

ちょっと待ってください。

グラスウールにも色々な種類があります。

厚さだけで決めるのは、どうかと思うんです。

ちなみに前回採用したグラスウールは、高性能グラスウール(20K)でした。

熱伝導率は0.034W/m・K、厚さは155mmあります。

一方、今回提案されたグラスウールは高性能グラスウール(14K)。

熱伝導率は0.038W/m・K、厚さは170mmあります。

どちらも高性能グラスウールであれば、厚い方が性能高そうですよね。

でもよく見ると、熱伝導率が違うんです。

ちなみに熱伝導率とは、物質が単位時間当たりにどれだけの熱量を伝えることができるかを示す値です。

具体的には、ある物質の片側に1メートルの厚みを持たせ、もう一方の面の温度を1ケルビン(K)上昇させるために必要な熱量を示します。

熱伝導率が高い物質ほど、効率よく熱を伝えることができ、逆に低い物質は熱の移動が遅くなります。

155mm品の熱伝導率は0.034W/m・Kですが、170mm品の熱伝導率は0.038W/m・Kです。

前者の方が、熱の移動が遅くなる事になります。

つまり断熱性能が高い訳です。

でも厚さが違うでしょ

実際の断熱性能は、断熱材の性能と厚さで変わります。

性能の低い断熱材でも、厚くすれば性能は上がります。

反対に性能の高い断熱材を使っても、薄ければ性能は上がりません。

先程の断熱材の場合、どちらがどの位性能が良いの

こんな時はR値を見ればわかるんです。

R値とは熱抵抗の事。

 [材料の厚さ] ÷ [材料の熱伝導率]

で算出します。

単位はm2K/Wです。

この値が大きければ、断熱材を移動する熱が少なくなります。

つまり断熱性能が良い訳です。

さっそく双方のR値を算出してみましょう。

①厚さ155mm/熱伝導率0.034W/m・Kの場合

 0.155m÷0.034W/m・K=4.55m2K/W

②厚さ170mm/熱伝導率0.038W/m・Kの場合

 0.170m÷0.038W/m・K=4.47m2K/W

4.55m2K/W>4.47m2K/Wですから、前者の方が高性能となります。

R値を比較すれば、すぐにわかるでしょ

ちなみにR値は、製品カタログに表記されています。

簡単に比較できるんです。

話を元に戻しましょう

ある業者は言いました。

「断熱材を入れる手間は一緒なので、ウチでは厚さ170mmのグラスウールを提案します。」

「厚い分、性能が上がるでしょ

でも残念ながら、性能は上がりません。

もちろん価格が安ければ検討の余地はあるかもしれません。

しかも断熱材を入れる手間も同じではないんです。

あくまでも今回の場合に限った事ですが、天井懐が狭いため、厚い断熱材を押し込むのが大変なんです。

わずか15mmとは言え、薄い方が入れやすいと思います。

断熱改修って、意外と難しいんです。

経験と知識がモノを言います・・・。

 

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