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良い記事を見つけました。

いつも定期的に送られてくる『iiGOEN』というIG CONSULTINGのビルダー・工務店向け情報誌の№206から、その部分を一部抜粋したいと思います。

備忘録として挙げていますが、皆様にも共有して戴ければと思います。

基礎断熱工法におけるシロアリ対策についての特集でした。

基礎断熱工法は大きく分けて2種類あります。

①基礎内断熱工法・・・基礎の屋内側立上り部分と底板へ断熱材を設置する工法です。　

　地中への熱移動や底板コンクリートへの蓄熱を抑える目的で、底板全体に断熱材を設置する場合もあります。

②基礎外断熱工法・・・基礎の屋外側立上り部分へ断熱材を設置する工法です。また断熱性能を向上させる目的で、外周部基礎立上りの内外に断熱材を施工するケースや、増し打ち部下にスカート断熱を行うケースも増えているようです。

いずれも建物の高気密・高断熱化を図る際に計画が容易であり、性能も発揮しやすい点評価されて普及が進んでいると思われます。

但しシロアリ被害のリスクは高く、基礎断熱工法を採用した建物はそうでない工法を採用した建物に比較して2倍の被害件数が報告されています。（国土交通省補助事業　シロアリ被害実態調査報告書より）

以下に、記事内で紹介されている基礎断熱工法の防蟻対策をいくつか挙げさせてもらいます。

①薬剤散布・・・住宅の躯体（基礎・土台・柱など）に防蟻剤を散布。薬剤層に触れたシロアリを駆除することで、住宅への侵入を防ぎます。但し建築工法を考慮せず散布すると、効果が得られない場合があります。また室内への薬剤の流入を考慮した施工が必要です。薬剤が揮発・分解すると薬効が無くなるため定期的な防除処理が必要です。

②ホウ酸散布・・・ホウ酸製剤を躯体などに塗布または散布。無機物のため揮発・分解されることはなく、木材腐朽に対して一定の効果が期待出来ます。但しホウ酸製剤は水に溶け易く、接地・曝露のない場所での使用に限定されています。施工時・施工後の雨には細心の注意が必要です。

③防蟻断熱材工法・・・防蟻効果の期待できる断熱材を利用します。ボード系断熱材に防蟻剤等を混ぜたもの、従来の防蟻成分を有効成分とするもの、ホウ酸製剤を使ったものがあります。メーカー保証のため、保証適用の条件・範囲が細かく指定されています。また保証の延長制度は有りません。防蟻剤を含む断熱材自体は食害されにくいが、材自体を通過して建物の木材に直接加害されるリスクは残ります。

④基礎パッキン工法・・・メーカー指定部材の防蟻プレートを基礎と土台の間に設置する事で、物理的にシロアリの侵入リスクを軽減します。メーカー保証のため、保証適用の条件・範囲が細かく指定されています。侵入リスクは低減できますが、予防効果が万全とは言えません。また玄関廻りなど基礎パッキン工法単独では効果が期待できない場合もあります。

⑤ベイト工法・・・建物周りにベイト剤を設置し、施工当初及び防除施工後に維持管理を行いながら、施工時に加害しているシロアリのコロニー及び施工後に形成されるシロアリのコロニーを駆除する工法です。餌木の確認が必要なため、定期的な点検や餌木・ベイト剤の補充・交換が必要。また駆除したいシロアリのコロニーが餌木に食いつかなければ駆除できません。

⑥防蟻シート工法・・・防蟻効果のあるシートをコンクリート底板下または土壌面に敷設し、防蟻および防湿効果を高める工法です。薬剤流失の危険性もありません。但しシートの穴や繋ぎ目の隙間、シートを敷設出来ない部分からのシロアリ侵入を防止する事は出来ません。

⑦加圧注入材・・・木材を薬注缶に入れ、高い圧力を掛けて薬剤を浸透させる方法です。木材内部まで深く浸透させる事が出来れば、長期間の効力維持が期待出来ます。とは言え、完全には浸透しないので切断面からのシロアリ侵入の危険性は残ります。また加圧注入材を通過して他の未処理木材が加害される危険性もゼロではありません。

こうしてまとまったモノを見ると、各工法の良し悪しがわかって参考になります。

床断熱を標準とし基礎断熱を行わない弊社ですが、玄関や浴室では基礎内断熱工法を採用しています。

ここに挙げられた工法の長・短所を参考にしつつ、引き続き複合・重層的な防蟻処理を徹底したいと思います。