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以下、環境市場新聞2025年秋季第82号からの転載となります。
環境省は2025年6月、家庭部門の二酸化炭素排出実態統計調査の結果(2023年度確報値)を公表した。
1世帯当たりの年間排出量は、正式な調査を開始した2027年度の3.20トン-CO2(以下「トン」)から22.8%少ない2.47トンになった。
消費エネルギーの多くを占める電気のCO2排出係数(※)が脱炭素化の進展で低迷していることなどが要因とされた。
調査対象期間は2023年4月~2024年3月の1年間。
1世帯当たりの排出量は前年度の2.59トンから0.12トン(4.6%)減少している。
エネルギー種別の構成比は、電気が67.6%(1.67トン)、都市ガスが14.6%(0.36トン)、LPガスが5.7%(0.14トン)、灯油が12.1%(0.30トン)で、電気が約7割を占める。
排出量減少の要因も分析した。
2017年度から2割強少なくなっている減少量に、大きく寄与したのは電気の排出係数低減ほか、省エネの進展や平均世帯人数の減少もあった。調査開始年度は1世帯2.39人だったのが、2.17人になっており、それに伴い排出量も減る計算だ。
そのほかコロナ禍を経た生活様式の変化や年ごとに変動する気温、エネルギー価格によって変わる消費量も要因として分析している。
地方別で世帯当たりの排出量が最も多かったのは灯油使用の割合が大きい北海道で4.14トン。
最も少ないのが九州の1.65トンだった。
世帯年収の比較では収入が多くなるほど排出量も増える傾向があり、250万円未満が1.74トンなのに対し2000万円以上では4.26トンと2.4倍になっている。
排出量の季節変化も集計していて、冬季に増加することがわかった。
1月が最大で12~3月に年間の約45%が排出さている。
エネルギー消費量などとともに省エネ行動の実施状況も調べた。
提示した20行動の中で実施する割合が多かった上位3項目は順に
「冷蔵庫を開けたままにしたり、むやみに開閉しないようにしている。」(88%)
「エアコンの室外機の吹き出し口に物を置かないようにしている。」(86%)
「短時間でも場所を離れるときは消灯を心掛けている。」(79%)
だった。
調査は全国10地方の1万3000世帯を対象に実施。有効回答率は71.5%だった。
電気のCO2排出係数・・・
電力会社か電気をつくる際どれだけのCO2を排出するかを示す値。
単位はkg-CO2/kwで、1kw時の電力に対する排出量を示す。
通常、使用した化石燃料などの数量ら排出量を算定し、販売電力量で割って求める。
電力各社は脱炭素化を進めており、排出係数は低減傾向にある。
家庭の排出量算出に利用した全国平均の電気の排出係数は2017年度が0.500で2023年度は0.427だった。
世帯当たり排出量が減少したという記事自体は、率直に喜びたいと思います。
その要因が排出係数の低減という事であれば、なおさらです。
でも世帯当たりの人数が減ったからと言うのであれば、その点をもう少し、突っ込んで調べて貰いたいですよね。
世帯当たり人数が減り、さらに世帯数が減ったのであれば、家庭部門のトータル排出量が減った訳ですから問題ありません。
でも世帯人数が減った分、世帯数が増えていれば、トータル数が変わらないかもしれないでしょ?
そもそも、世帯当たり人数の減少自体が脱炭素・省エネ的にマイナスなんです。
家族がそれぞれバラバラに暮らしていたら、一緒に暮らしているよりも無駄なエネルギーを消費するでしょ?
例えば家族団欒の時間を増やせば、他の部屋の照明やTVを消す事が出来ます。
お風呂の時間をまとめて続けて入るようにすれば、保温時間の短縮が可能。
給湯エネルギーも少なく出来ます。
一緒に食事をすれば、温め・再調理が無くなるでしょ!
核家族化を通り越して、おひとり様家庭が増えたのも省エネ的にはマイナスなんです。
省エネが功を奏しているという考察は嬉しい限りです。
でも勿体ない!から『我慢の小エネ』という事であれば問題です。
その分、健康被害が増大して医療費が増える事になりかねません。
この辺りの事も記事にしてくれると、さらにわかりやすいと思います。
脱酸素と地球環境の関係性や、現時点の地球が追い込まれている状況って、あまり記事にされないんですよね・・・。
ひとりひとりの取組不足(認識不足)が原因で未来の人類・地球に多大な迷惑を掛けないようにしなければなりません。
もっと、こうした記事が増える事を切に願います。
posted by AssetRed
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