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5月21日付のアセットフォー日記となります。
今日の天気は曇り時々雨。
なんだか梅雨入りしたような天気が続きます。
外の作業が進まなくて、困るんですよね・・・。
間もなくお引渡しとなるお宅があります。
練馬区富士見台1丁目に建つ『FPの家 N邸』です。
弊社の場合、全てのお宅でお引渡し前に行う事がいくつかあります。
そのひとつが、前回の拙ブログでご紹介した『室内空気環境測定』です。
そして2つ目が『換気風量測定』となります。
こっちは、簡単そうでしょ?
計画換気システムの排気風量を測定し、設計通りの風量が出ているかを確認します。
合計風量が設計風量を満たせば良いという訳ではありません。
個々の排気風量が、設計風量を満たすように調整するのが大変なんです。
こんな測定器を使います。
マノスターゲージと言います。
メーターの両側に赤と青の突起があり、ここにビニールパイプを挿せるようになっています。
ビニールパイプの先についたピトー管を測定したい部位に当てれば、周りの空気との差圧をPaで表示してくれるシンプルな計測器です。
青が負圧、赤が正圧時用です。
今回は排気口の風量を計測するので、負圧用の青い突起にビニールパイプを挿します。
用意するのは、この計測器と脚立です。
そして換気経路や排気口の位置が書かれた図面と、それぞれの排気風量&全体風量の書かれた計算書を用意します。
まずは計測に先立ち、準備を行います。
今回のお宅はダクト式の第3種換気システムを採用しています。
そのため、写真のような自然給気口が6個設置されています。
写真は、蓋が閉じられた状態です。
この蓋の中には、フィルターが充填されています。
こんなフィルターです。
外からの虫の侵入を防ぐのが目的ですが、別の効果もあるんです。
厚さ40mmのポリエチレン製フィルターは、防音効果や花粉軽減効果が期待できます。
でも、その分空気の透過率は若干落ちるんです。
給気量が少なくなれば、当然排気量も少なくなります。
だからこそ、換気風量を測定&確認するのは必須なんです。
自然給気口の蓋を開けた状態の写真です。
写真のように、上を開け下を閉めるようにするのが一般的です。
6箇所全ての自然給気口を、このような状態にします。
天井に設置された排気口です。
このような排気口が、8箇所設置されています。
写真は開度調整前の状態です。
排気口にある開度(1~5までの9段階)を、設計図に記載された値に合わせて調整しなければなりません。
調整後の写真です。
8箇所全てを調整したら、準備完了です。
換気風量を調整するコントローラーです。
黒いダイヤルを回すと、1~9までの17段階で合計風量160~490㎥(0Pa時)の調整が可能です。
弊社のでは、2名で測定に当たります。
ひとりがコントローラーの傍に立つ係、そして私が各排気口にマノスターゲージを当てる係です。
排気口中央にピトー管の先端を挿します。
ピトー管とマノスターゲージは、ビニールパイプで繋がっています。
コントローラーのダイヤルを設計値に合わせて、計測開始です。
8箇所全ての風量を確認し、合計風量を確認します。
合計風量に満たなければ、ダイヤルを回して風量を大きくします。
合計風量が合ったら、それぞれの排気風量を確認します。
排気風量が設計値よりも大きければ、開度を小さくします。
設計値よりも小さければ、開度を大きくします。
ひとつひとつ確認しながら微調整を行い、それぞれの風量が概ね揃えば、完了となります。
配管長さが長くなったり、曲がりが増えると、設計通りの値にはなりません。
どうしても設計風量を満たすことが出来なければ、全体風量を増やす場合もあります。
でも全体風量を増やすと、月々の電気代が若干増えます。
今回がこれに当たります。
梁成が大きく、配管延長が延びてしまったのが原因です。
曲がりも多かったし・・・。
設計時のコントローラーレベルは『1.5』でしたが、調整の結果は『2.5』となりました。
1.5の時の電気代はおよそ71円/月、でも2.5の時の電気代はおよそ153円になります。
1年間分であれば、852円と1836円の違いです。
この違い、大きいのか少ないのか?
いつも言っている事ですが、換気システムは設置すればOKというモノではありません。
キチンと機能しなければ設置する意味はありません。
キチンと機能しているかどうかは、風量測定をしなければわかりません。
だから、必ず風量測定をしましょう!
posted by Asset Red
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