練馬区土支田 T邸の解体工事

解体工事が始まりました。

建物の周りに足場を建て、シートで養生。

重機を入れるスペースが無いため、手壊しからスタートします。

1階の様子です。

そして2階の様子。

大抵の現場に行くと気になるのが、臭いです。

カビ臭いんです。

実は私、カビの臭いを嗅ぐと鼻水が止まらなくなります。

アレルギーなのかな

だから、古い建物は苦手です。

でも、ある程度以上古くなると臭いが気にならなくなります。

その差は断熱施工の有無なんです。

 

若い方は、ご存知ないと思います。

実は1979年の省エネ法制定を受け、1980年(昭和55年)に以下の二つの告示が制定されました。

➀住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準

②住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計及び施工の指針

通称『旧省エネルギー基準』、昭和55年基準なんて言い方もします。

別に義務化された訳ではありません。

でも住宅金融公庫の融資を受けるためには、必要な工事だったと思います。

(私がこの世界に入る前の事なので、正直あまり知りません・・・。)

そのせいか、これを機に壁に薄い断熱材を入れる建物が増えたと思われます。

ちなみに私がこの世界に入った時は、壁・天井・床共にグラスウール50mmが標準的だったと記憶しています。

この頃建てられた建物の壁の中が、カビているんです。

いわゆる『壁内結露』です。

黴臭いなぁーと思い、壁の中を見てみると、大抵グラスウールが黒くなっています。

そして、くしゃみが出始めます。

でも、今回の建物は大丈夫でした。

断熱材も見当たりません。

断熱材を入れていない建物って、寒いですよね

間違っても、住人に優しい家とは言えません。

でも建物自体にとっては、優しいんです。

だって壁内結露がないんだもん。

 

断熱材を正しく入れた壁は、冷たい外気の熱を室内に伝えません。

断熱材が熱の移動を妨げるからです。

外気温0℃/室内20℃なんて状態を実現する事が可能です。

でも、これを良く考えてみると、以下の事に気がつきます。

壁の外側が0℃で壁の内側が20℃ですから、どこかで温度が変わっている筈。

少しづつ変わっているのかもしれません。

室内の湿度が30%と仮定すれば、絶対湿度は4.3g/㎏DAになります。

かなり乾燥してますよね。

だからといって、結露しないとは限りません。

この時の露点温度は1.9℃。

外気温度が0℃ですから、壁のどこかで結露が生じることになります。

ここにグラスウール10kがあれば、結露水を吸込んでしまいます。

水を吸い込んだグラスウールの熱伝導率は、大きくなります。

上図では、湿った繊維系断熱材の熱伝導率を乾いた状態の熱伝導率と比較しています。

例えば厚さ25mmの断熱材の場合、乾いた状態を100%とすると、その40%にしかならない事がわかります。

また断熱材を厚くしても、濡れてしまえば、その断熱性はほぼ変わらない事もわかります。

だからこそ、断熱材は濡らしてはいけないんです。

もっとも室内側に防湿フィルムが完璧に貼られていれば、問題ありません。

壁内に暖かい水蒸気が入らなければ、結露しないでしょ

でも解体建物において、そんな施工を見たことありません

ただ耳付き断熱材が充填されている建物が、ほとんどです。

だからカビます。

でも無断熱の建物であれば、外気と室内温度はほぼ同じです。

ストーブ等を使って暖かくしようとすれば、壁の表面に結露が発生します。

だから壁内に暖かい水蒸気が侵入する事はありません。

これを表面結露と言います。

表面結露を見掛ければ、大抵の人は水分を拭き取ります。

だから、建物自体を傷める事は少ないんです。

この差が、解体時の臭いに出ます。

寒い家ほど、カビの臭いがしません。

そのせいか、躯体の傷みも少ないようです。

現行省エネ基準でつくった家はどうでしょうか

しっかりと防湿フィルムを貼っていなければ、もっと酷いことになっているかもしれません。

もっとも、最近の家は通気層工法を採用しています。

以前のように未乾燥材を使う事も減りました。

工事中の雨濡れ対策だって、取られているでしょ

だからと言って

壁内結露=昔の事

と安心してはいけません。

透湿防水シートの内側に透湿抵抗の大きな面材を張っている。

室内側の防湿シートを雑に施工している。

雨に打たれた材料を、よく乾燥せずに、そのまま使っている。

いずれかの施工が行われていれば、怪しいかもしれません・・・。

あなたの家、カビ臭くないですよね。

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