現場近くに建つ建売住宅の工事風景を見ていて感じた事

今日は第3火曜日のため、アセットフォーはお休みです。

先週に引き続き、今週もゆっくりと身体を休めさせて戴きます。

さて今回は、現場近くの建売現場を見て感じた事を書いてみようと思います。

どこの現場の近くかは敢えて書きません。

現場が特定されれば、誹謗中傷と取られ炎上するかも知れないでしょ

よって、当然の事ながら現場写真も挙げませんのでアシカラズ・・・。

この現場、現在外装材の施工を待っている状態です。

具体的に言えば、透湿防水シートが張られ通気胴縁が取付けられています。

ちなみに透湿防水シートが張られたのは2週間くらい前だったと思います。

まず最初に思ったのは、それぞれの工事がメチャクチャ早い事

えっ、もう、そんなに進んだの

弊社の現場の方が早く上棟したのに、追い抜かれてしまいそうです。

でも進んだと思ったら、しばらく工事が止まっているんです。

時々職人の出入りがあり、その時に急激に工事が進みます。

木造軸組工法の2階建てなんですが、外壁には耐力面材として針葉樹合板が張られていました。

そして、床から1.0mくらい上までオレンジ色の防蟻処理剤が塗られていたんです。

恐らく、ネオニコチノイドだと思います。

塗られた状態で何回か雨に打たれていましたが、再度防蟻処理をしている様子はありませんでしたから・・・。

合成殺虫剤って、こういう点では便利ですよね。

ホウ酸だったら、濡らした時点で再施工になってしまいます。

そして、いつの間にか透湿防水シートが張られていました。

白い国産のシートです。

よく見掛ける、何の変哲もないシート・・・。

あのシートって、防蟻剤に含まれている『界面活性剤』が付着すると防水性能が低下するんですよね。

参考として、タイベックシルバーのパンフレットから一部を抜粋・転載したものを挙げます。

ここには、透湿防水シートに水が染み込むメカニズムが挙げられています。

透湿防水シートは通常、水の表面張力により雨水が入らない構造となっています。

でも防蟻防腐剤に含まれる界面活性成分により水を通しやすくなります。

そもそも透湿防水シートは、躯体から発生した水蒸気を排出しながら雨水の侵入を防ぐ事の出来るシートです。

その仕組みは至ってシンプルで、上図のように無数明いている小さい穴が、水蒸気よりも大きく雨粒よりも小さいというもの。

でも雨粒の表面張力が無くなり水分子になってしまえば、シートの穴を用意に透過しちゃうんです。

こうした事態を避けるために、「構造躯体への防蟻防腐処理の際には、透湿防水シートに薬剤が付着しないように」という注意喚起が行われていました。

つまり薬剤が充分に乾燥しなければ、透湿防水シートの施工はNGという訳。

たとえ防蟻処理から1週間経過していても、雨に当たってしまえば乾くまでシートを張る事は出来ない事になります。

また長期優良住宅の普及により、通気胴縁に『加圧注入材(防蟻防腐剤を加圧注入した材)』を採用する現場も増えました。

ちなみに、この現場も加圧注入材を使っています。

これが、また問題なんです。

加圧注入された胴縁が雨に濡れると、含まれる界面活性成分が溶脱し、シートに付着するからです。

つまり通気胴縁を雨に当ててしまえば、シートの防水性は著しく低下するという事なんです。

カタログには、こんなデーターも挙げられていました。

ここでは防蟻防腐処理された胴縁を水に浸し、その上に従来の透湿防水シートを置き、一定時間放置した時の防水性の変化をタイベックシートと比較しています。

前者の防水性(平均値)は、初期値の18%まで低下しています。

一方タイベックシルバーの場合は、初期値の85%に留まっているんです。

この違いを見ると、かなりショックですよね。

従来のシートって、ほとんど防蟻防腐剤対策を施していないんですね。

ちなみにほとんどの外装材は、透湿防水シートの防水性に頼っています。

だからシートの防水性が低下する事は、そのまま外壁の防水性の低下を意味するといっても過言ではありません。

サイディングであれば、目地シールが劣化した日以降、そこからの雨水侵入を防げなくなるからです。

モルタルもまた、大差ありません。

乾燥収縮やクラックの発生による隙間があれば、即雨漏りに繋がる訳です。

結局、透湿防水シートの長期耐久性(防水性)が外壁の性能を左右するんですよね・・・。

そういう意味で、シートの選定は重要だと思います。

白いシートを採用するのであれば、施工中の雨には最大限注意しなければならないでしょ

さもなければ、防蟻防腐処理の要らない窯業系の耐力面材を採用し、防蟻防腐処理された胴縁を使わないようにするしかありません。

でも白いシートには、まだまだ不安な要素があるんです。

同じくタイベックシルバーのパンフレットからの抜粋となります。

ここでは10年後の防水性を比較しています。

従来のシートとタイベックシルバーの初期防水性はほぼ同じです。

白いタイベックは、これより少し劣るようですね。

でも10年経過すると、従来のシートの防水性は大きく低下します。

JISの耐久性能規格はギリギリクリアしているようですが・・・。

一方、タイベックシルバー・白いタイベックは共にさほど性能低下を示していません。

また、この状態が30年程度まで続くようです。

日本では、10年が瑕疵の期限になっています。

11年目に雨漏りがあっても、一般的に責任は問われません。

だからこそ、20年・30年と性能の低下しないシートを使うべきだと思うんですよね。

でも従来のシートは、上図を見る限り、10年経過と共に心配の種になりそうです。

サイディングはきれいだけど、シートがダメになったから張替え

なんて事にも成りかねないんです。

こんなバカな事ってないですよね。

でも、現実には発生しているんです。

私も何軒か、目にしました。

 

と言う訳で、弊社では従来のシートを採用していません。

防蟻防腐処理剤に強く、30年経っても防水性能に問題のないシートを採用しています。

だから、ご安心ください。

 

あの建売住宅、大丈夫なのかな

購入者が雨漏りで困らなければいいんだけど・・・。

大きなお世話だよ

なんて、言われたりして・・・。

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posted by Hoppy Red

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