24時間換気システムと室内空気中の揮発性有機化合物

 

 

 

 

 

今日は水曜日につき、アセットフォーはお休みです。

そう、月初めの連休です。

9月に入り、朝晩は幾分過ごしやすくなったと思います。

でも昼間は、相変わらず蒸し暑い・・・。

堪りません💦💦💦

 

さて本題です。

計画換気と室内空気中の有害物質の関係について、書いてみようと思います。

 

 

 

 

 

 

室内空気中の有害物質については割愛させていただきます。

色々とありますが、ここではホルムアルデヒド(以下、Fと表記)を中心に書かせてもらいます。

気中F濃度がシックハウスの原因物質のひとつである事は周知の事実だと思います。

そこで政府は、Fを放散する建材に放散量に応じてランク付を行いました。

『F★★★★』というマークを良く見掛けるでしょ

エフ・フォースターと呼ばれ、★の数が4つが最高ランクになっています。

ちなみに★が多いほど、Fの放散量が少ない事を示しています。

そして平成15年7月に改正建築基準法が施行されました。

ちなみに同法の改正内容は次の3点です。

①全ての建物の居室におけるホルムアルデヒドの使用が制限されました。

②有機リン系のシロアリ駆除剤であるクロルピリホスの使用が禁止されました。

③換気設備を設置することや天井裏などから居室へのホルムアルデヒドの流入防止措置をとることが義務づけられました。

同法の施工から20年

今ではF★★★★ランクの建材は当たり前。

F★★★ランクの建材なんて、見たことない位です。

換気設備の設置も行われ、24時間に亘って建物内の換気が行われるようになりました。

これで、ひと安心

室内にFの放散が少ない建材を使えば、Fが原因と思われる諸症状も発症しないと思いますよね

常時換気だって、室内空気の清浄化を果たしてくれます。

これで無事、シックハウス症候群は過去の遺物になった訳です。

出典: 公益財団法人 住宅リフォーム・住宅紛争支援センター「住宅相談統計年報2017 資料」

確かに平成15年の改正建築基準法の施行により、ホルムアルデヒドによる被害は大幅に減少しました。

しかし、決してシックハウス症候群の問題がなくなったわけではないんです。

上グラフのように、今でも被害は発生し続けています。

この原因のひとつは、換気設備が機能していないという事ではないでしょうか

義務化により、設置はされています。

でも、常時稼働されているとは限りません。

運転音が気になる。

電気代がもったいない。

等の理由により、そもそも運転していない家もあるでしょう。

これは、政府や建築従事者の怠慢による周知徹底不足が原因ですよね。

そもそもF★★★★建材を使ったFの使用制限は、換気設備が機能している前提となっています。

F★★★★建材を使っていればOKという訳ではありません。

この点を理解していない建築従事者も多いのではないでしょうか

つまり、換気設備は24時間に亘って確実に機能している必要がある訳です。

使用者側の都合で勝手に稼働を停止したり、設計・施工のミスで機能しない換気設備なんてモノはあってはならないんです。

この点を周知徹底する必要性を強く感じます。

コロナ以来、断熱・気密の重要性は理解されつつあります。

換気の重要性は、どうでしょうか

ダクト式 VS ノンダクトとか、3種 VS 1種という問題ではありません。

もっと単純に、「この換気設備、ちゃんと機能しているの」という問題です。

必要風量に対して、実際の換気風量が足りていない換気設備って意外と多いんです。

そして合計風量は必要量を超えているけど、各室の空気環境はマチマチ

なんてケースもあります。

これって換気設備を設置しただけで、計画換気になっていないんです。

また計画通りになっていないケースもあります。

このケースは大抵、施工に問題があると思われます。

建物の気密性が低いのも原因のひとつです。

どんな理由があるにせよ、換気不足はシックハウス症候群発症の可能性を大きくします。

また換気過多は、エネルギー消費の増大に繋がります。

結局、建物完成時に換気風量測定を行い、設計通りの換気が行われている事を確認するしかないんです。

という事で、弊社では『換気風量測定』を必ず行うようにしています。

今回は『FPの家 I邸』の換気風量測定を例に、その測定方法を簡単にご紹介します。

このお宅では、ダクト式第3種セントラル換気システムを採用しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本住環境㈱のルフロ400というシステムです。

これをキチンと設計・施工すれば、1台の換気扇で家中の空気をきれいに保ってくれます。

トイレやお風呂も含めて、1台の換気扇で良いんです。

しかも、イニシャル・ランニング双方のコストもメチャクチャ安く上がります。

メンテナンスコストも安いんですよね・・・。

ただし『設計・施工がキチンと出来ている』場合に限るんです。

出来ているかどうかを確認するには、風量測定をするしかありません。

ここからが測定のおおまかな流れとなります。

 

まず最初に行うのは、壁に設置された自然給気口を開ける事。

閉じている状態

 

 

 

 

 

 

 

開けた状態

 

 

 

 

 

 

 

中に入っている花粉フィルターは、そのまま入れておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに弊社では標準フィルターを採用していますが、他のフィルターも用意されています。

 

 

 

 

 

 

目的に応じて、選べるのがうれしいですよね。

次に行うのは、天井に設置された排気口の開度を調整する事。

開度5の状態です。

 

 

 

 

 

 

 

開度を3.5に絞った状態。

 

 

 

 

 

 

 

目盛りが付いています。

 

 

 

 

 

 

 

換気設計図に書かれた開度通りに、排気口のリングを回して合わせます。

ちなみに開度は、本体からのダクト長や曲がり数などを加味して必要風量から決定されます。

全ての排気口の開度を調整したら、準備完了です。

 

 

 

 

 

 

 

 

コントローラーのボリュームを『4』に合わせた時の写真です。

青いランプが付けば、換気システムが稼働しています。

ちなみにボリュームは1~9まであり、数字が大きくなる程、換気風量が多くなります。

また風量が多くなるほど、電気代が高くなります。

でも、『0』はありません。

換気システムを止めるのはNGだからです。

修理等で、スイッチをOFFにしたい場合は、天井点検口を開けて本体のスイッチをOFFにします。

このくらい面倒にしておけば、簡単にスイッチOFFしないでしょ

計測にはマノメーターを使います。

 

 

 

 

 

 

 

 

マノメーターには青と赤の挿し口がありますが、前者が吸い込み用/後者が吹き出し用になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

排気風量計測時には、青い挿し口にチューブを挿します。

チューブの写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後はチューブ先端のノズルを排気口中央の穴に挿し、マノメーターの針を読むだけ

 

 

 

 

 

 

 

 

挿してしばらくは、静置します。

針の動きが無くなったら、値を読み上げます。

これを全ての排気口で行えばいいんです。

例えば排気口が5個あったとします。

それぞれの排気風量が20㎥/hだとすれば、合計風量は100㎥/hになります。

これが設計風量よりも少なければ、コントローラーのボリュームを上げて再測定します。

多ければ、ボリュームを下げて再測定します。

合計風量は100㎥/hでちょうどいいんだけど、お風呂の風量を30㎥/hに上げて洋室2室を15㎥/hに下げたいんだよね。

こんな場合は、それぞれの排気口の開度を調整して風量を再測定します。

個々の風量を調整するのが面倒なんですよね。

でも、やらなければならないんです。

全ての風量が、設計風量通りになったら、測定完了です。

I様に説明するための『測定報告書』を作成する為に、事務所に戻ります。

https://www.assetfor.co.jp 

posted by Hoppy Red

住所:東京都練馬区北町2-13-11  

電話:03-3550-1311 

東武東上線 東武練馬駅下車5分

ただいま、現場監督見習いを募集しています。

https://www.assetfor.co.jp/recruit/

上記をご確認ください。

練馬・板橋で注文住宅を建てるならアセットフォーへ資料請求
練馬・板橋で注文住宅を建てるならアセットフォーの見学会へ
  • 練馬・板橋で注文住宅を建てるアセットフォーのFacebook
練馬・板橋で注文住宅を建てるアセットフォーのホームページTOPへ