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今回は、板橋区で工事中の『FPの家 M邸』にて採用している新金物工法の金物について書こうと思います。
その前にプレカットについて、簡単に説明した方が良いのかな?
従来は大工さんによる手刻みが当たり前でした。
手刻みと言っても、ノミやカンナ、ノコギリを始めとする各種工具は当然使っています。
鉄やコンクリートに比べて軟らかいとは言え、木材を手で刻める筈ないですよね・・・。
しかも最近は電動工具を使うのが当たり前になっていました。
平面図や立面図から伏せ図(構造図)を起こし、その通りに継手や仕口等を墨付けし加工していた訳です。
下小屋と呼ばれる加工場において刻まれた構造材は現場に運ばれ、鳶さんや大工さんによって建てられました。
これが従来の木造(住宅)建築です。
でも40年ほど前から下小屋がプレカット工場に代わり、大工の手がプレカット加工機に代わりました。
また担当大工が描く事も多かった構造図は、プレカット工場で描かれるようにもなったんです。
予め加工した木材を現場に運び建てるという意味から、プレファブリケーションーカットを略して『プレカット』と呼ばれるようになりました。
でも以前だって木造住宅は下小屋で刻まれ、現場では組み立てるだけだったんですよね・・・。
どちらも変わりありません。
加工を大工さんが行うか、加工機が行うかの違いだったんです。
両者の違いは、加工精度にあると言えます。
手刻みと違い機械加工は、作業者の経験や腕による違いが少ないんです。
また余計な切込み等も少ないので、強度低下を抑える事も出来ます。
年々、手刻みの出来る大工さんが減少する中で、技術者不足を助ける役目も果たしてくれていたのかも知れません。
でも最近はプレカットのせいで、技術の継承が進まなかったのかもしれないと思うようにもなりました・・・。
私も20代の頃はCAD&CAMに関わり、全自動プレカットによる省力化&規格化を進めた側の人間です。
ちょっと複雑な心境なんですよね。
この話は割愛しますが・・・。
今や当たり前になっているプレカットですが、大きく分けると2つの工法に分かれるのをご存じでしょうか?
従来の手刻みを、そのまま機械化した在来工法。
そして継手・仕口に金物を利用して合理化を図った金物工法。
どちらにも良い点・悪い点があります。
採用する側がそれを理解して、うまく使いこなす事が肝心だと思います。
ちなみに弊社では、外周部の構造材に関しては金物工法を利用しています。
そして内部の構造材に関しては、原則在来工法を利用。
その理由については割愛したいと思います。
さあ、ここからが、いよいよ本題です。
従来弊社ではタツミのテックワンという金物を採用していました。
たくさんの工務店が採用している金物工法です。
柱や梁の仕口部にイラストのような金物を固定し、構造材を嵌め、ドリフトピンで固定する工法です。
メリットの多い工法ですが、付加断熱を行う事が少ない弊社にとっては致命的な弱点がありました。
イラスト左上に→があるでしょ?
梁の外側が外部、内側が建物内だと思ってください。
→が差すボルトは、柱の外側から柱内部を貫通し、梁受け金物を支える役目を持っています。
このボルトを外から撮った写真です。
構造材に座彫りを施し、そこに座付ボルトが納まっています。
弊社では、この外側に耐力面材を張ります。
当然、座付ボルトの外側に発泡ウレタンを吹きますが、吹付厚さはせいぜい3mm程度です。
耐力面材の外側に断熱材を付加出来れば、何の問題もありません。
でも隣地までの距離がない狭小地では、付加断熱を諦めて建物面積を大きくする選択も多いんです。
付加断熱をしなければ、耐力面材の上に張られた透湿防水シートの外側が通気層となります。
つまり厚さ3mm程度の発泡ウレタンが、座付ボルトという熱橋を守る断熱層になる訳です。
もちろん建物内に露出するボルトに関しては発泡ウレタンを吹き付けますが、構造材内部については何の処理も出来ません。
これが、とても不本意だったんです。
そこで、今回から新しい金物を採用しました。
カナイのSB金物です。
ちょっと見にくいですが、イラストのように金物を座付ボルトではなくスクリュービスで梁に留め付けます。
ビス頭は、梁の外側には出ません。
つまり熱橋とはならないんです。
金物取付部を撮ってみました。
ビスで留め付けてあるだけでしょ?
梁受け金物の背面(外部側)を見ても、この通り!
にっくき座付ボルトの皿頭が見えないんです。
ボルトが貫通していないので、気密処理の必要もありません。
但し、従来工法と同じようにドリフトピンの頭が出る事はあります。
もちろん、別途対処を行っていますが・・・。
えっ、どんな対処かって?
今回は、文字数の関係で割愛させて戴きます。
機会があれば書かせていただくつもりなので、お楽しみに・・・。
弊社にとって、とってもありがたいSB工法ですが、問題点もあります。
強度確認が集成材しか取れていません。
無垢材の利用が不可なんです。
よって、土台・梁・柱等のSB金物に関わる部材全てを集成材に変更しています。
土台:国産檜の芯持ち材(無垢材)→国産檜の集成材
梁・桁・胴差:赤松集成材(強度により米松集成材・LVL)→米松と国産杉のHB集成材
棟木・母屋:米松ドライビーム→米松と国産杉のHB集成材
柱:国産杉の集成材→国産檜の集成材
小屋束:米松ドライビーム→国産杉の集成材
上記の通りです。
価格は上がりましたが、結果的に構造強度が高まり、国産材使用比率も高まっています。
見た目も綺麗ですよ・・・。
色々と探し続け、ようやく巡り合ったSB工法ですが、一般的な金物工法ではありません。
加工できるプレカット工場も極めて少ないんだとか・・・。
金物が製造・販売されていても、加工できる工場がなければ採用できないでしょ!
加工機の部品供給が止まれば、この工法も出来なくなりそうです。
超マイナーだけど、狭小地に建つ高断熱住宅には極めてありがたいSB工法を、皆様も応援願います。

posted by AssetRed
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