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昨日の拙ブログの続きです。
そう、熱収支の話。
まずは寒い冬の場合で考えてみましょう。
外気温度5℃、室内温度25℃であれば内外温度差は20℃になります。
熱は暖かい方から冷たい方に移動するので、外皮を通じて熱は外に逃げようとします。
これを緩和するのが断熱材の役目です。
UA値を小さくすればするほど、逃げる熱を少なくできます。
例えば外皮面積が250㎡のUA値0.50W/㎡・Kの建物であれば、内外温度差が20℃の時に2,500Wの熱が逃げてしまいます。
でもUA値を0.26W/㎡・Kまで下げる事が出来れば、逃げる熱は1,300Wまで減らせるんです。
凄いでしょ?
ただし換気システムが24時間稼働しているので、換気による熱移動(熱損失)も起こります。
気積240㎡の建物であれば42W/Kが逃げているので、温度差が20℃あれば840W逃げている事になります。
でも2時間ごとに家中の空気を外気と入れ替える『0.5回/h換気』は法律により義務付けられているので、勿体ない!とスイッチをOFFにできません。
第1種熱交換換気にすれば、捨てる空気の熱の70~85%程度は回収できるので、換気による熱移動を少なくする事は可能です。
空気の移動に伴う熱移動と言えば、漏気も大きな原因となります。
建物の隙間の多さを示す値にC値がありますが、C値が大きければ当然、漏気による熱移動も大きくなります。
換気回数に対して漏気による換気を漏気回数で示す事ができますが、その値はC値の1/10くらいになるそうです。
仮にC値が2.0㎠/㎡の建物であれば漏気回数は0.2回/hですから、換気回数+漏気回数で0.7回/hと考えることが出来ます。
0.7回/h換気であれば、逃げる熱は840Wから1,176Wに増えてしまいます。
こんなに外気と建物内の空気を頻繁に交換していたら、家の中が寒くなっちゃうでしょ?
ちなみに第1種熱交換換気を採用しても、漏気回数の0.2回/h分は熱交換をしないので、そのまま逃げることになります。
残念!
また玄関からの出入りや、窓開けが多くなれば、逃げる熱はさらに大きくなります。
レンジフードを稼働するのも、かなりの熱損失になるんですよね・・・。
これらの『逃げる熱』が熱収支の支出に当たります。
支出ばかりの赤字状態であれば、室内温度は外気と同じ5℃になっちゃいます!
当然、収入が必要となります。
暖房を掛ければ良いんです。
先程の計算で外皮から逃げる熱と換気+漏気により逃げる熱の合計は、2500W+1,200Wだという事がわかりました。
約3.7Wです。
だったら4.0KWのエアコンを回し続ければ良いんじゃない!
これで収支が釣り合います。
メデタシ、メデタシ・・・。
でも実際には、こんな大きなエアコンを稼働する必要ないんですよね・・・。
家の中には、他の収入源があるからです。
家の中にある発熱源と、その熱量を挙げてみました。
住人(大人)ひとり・・・100Wh
住人(子供)ひとり・・・80Wh
家電は消費電力がそのまま熱量になります。
ためしに上図の熱量を全て足してみたら、10,616Wになりました。
この熱を内部発熱と言いますが、これだけの熱があればエアコンなんて要らないでしょ?
あくまても全て稼働していればの話ですが・・・。
しかも収入は他にもあります。
例えば窓から入る日射です。
上図は2件の家の南側立面となります。
左右の家の窓面積の差は10㎡。
窓が大きければ、室内に射す日射量も違うはずでしょ?
当然、暖かさも違うんです。
例えば東京の1月における南側垂直面の12時の平均全天日射量は、およそ600W/㎡です。
窓の面積が10㎡であれば、10㎡×600W/㎡=6,000W。
20㎡であれば、20㎡×600W/㎡=12,000Wになります。
Low-E複層ガラスを利用していれば日射熱取得率は50%程度になるので、窓から入る熱量はそれぞれ半分。
その差は3,000Wというところでしょうか?
南面に10㎡の窓がある部屋であれば、先程の内部発熱さえも必要ありません。
日が照っていれば、無暖房でイケる訳です。
内部発熱がある分、室温が高くなり過ぎて、冷房や窓開けが必要になるかも・・・。
収入が支出を上回る状態をオーバーヒートと言いますが、この余った熱を他の部屋で有効に使えれば、省エネで快適な空間を大きく出来ます。
これが外皮性能を高めるメリットなんです。
では、夏の収支はどうでしょうか?
続く・・・。

posted by AssetRed
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