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久し振りにカタイ話でも書いてみようかと・・・
今回は「基礎断熱」のお話です。
昨年の暮れ
西方里見 著(株式会社エクスナレッジ 刊)
「最高の断熱・エコ住宅をつくる方法」
という本を購入しました。
色々と面白い話が載っている本ですが、この中の基礎断熱についての話は
私の中のモヤモヤをかなりスッキリとしてくれる内容でした。
(少し偏屈でへそ曲がりな私ですから、人から褒められているものを見るとつい粗探しを
してしまいます。基礎断熱もまさに・・・
)
以下、趣旨に反しない程度に短くまとめてみました。
(外皮といわれる、屋根・外壁・床の中で床に対する断熱工法のお話です。)

上図が床断熱のイメージです。床下空間は断熱境界の外になります。
床下換気口や基礎パッキンにより、湿気を少なくすることでシロアリや木材腐朽菌の食害を防止します。

こちらが基礎断熱のイメージ、床下空間も断熱境界の中になります。
いよいよ、本題スタートです。
筆者が高断熱・高気密住宅を設計し始めた25年ほど前は床断熱のみでした。
その後、施工の簡略化やさらなる気密性能を追求した結果、基礎断熱に移行するようになりました。
基礎断熱は文字通り基礎の外周(場合によっては内側)に断熱材を貼って断熱する工法です。
床断熱の施工を簡略化できるだけでなく、床下空間を乾燥状態に保てるため、防腐・防蟻剤による
処理が不要となります。
(床下空間は高湿になりがちですが、梅雨時でも相対湿度70パーセント前後にできます。
湿度75パーセント以下の環境では腐朽菌の発生の恐れが少ないため、
木材の耐久性向上にもつながります。)
また床下を若干暖房して
(床暖房ではなく、床下暖房です。筆者は高断熱住宅に床暖房は合わないと断言していました。)
床面の表面温度を室内温度より1度前後高い状態にすることで、
低温輻射による良好な温熱環境を得られるというメリットがあります。
基礎断熱の床面の表面温度は室温より3度ほど低く、この状態では200ミリのグラスウール床断熱
の方が体感温度は優れています。しかし前述したように床下暖房と組み合わせることで良好な
温熱環境を得ることができます。

床下暖房のイメージです。(床下暖房の商品も少しづつ増えているようです。情報収集必要ですね。
)
また熱容量が大きいコンクリートの蓄熱層が、安定した温熱環境をもたらし日射によるオーバーヒートを
防止できます。
施工面では床の断熱工事や気密工事が不要となるほか、床断熱に比べて施工が容易で信頼性が高く
省力化ができる点がメリットとして挙げられます。
また、蓄熱層の蓄熱量が大きいため暖冷房の立ち上がりが遅いのがデメリットとして挙げられます。
熱が蓄熱層に溜まりきってしまえば安定するのですが、それまでは熱を吸い取ってしまうことになります。
断熱材がシロアリの食害を受ける可能性もあるので、なんらかの防蟻処理が必要でしょう。

プラスチック系断熱材はシロアリの食害を受ける恐れが高いので、防蟻剤混入断熱材や防蟻シートを
使うといいでしょう。(基礎断熱の場合、床下空間も室内となるため薬剤散布は危険です。)
またシロアリの食害が心配な部位については、部分的に内側に断熱剤を貼ることも対策のひとつです。
ただし、基礎内側断熱はせっかくの蓄熱層を少なくしてしまいますから極力少なくする必要があります。

上図は基礎外側に断熱材を施工する工法です。

こちらは、基礎内側に断熱材を施工する工法、
下図のように耐圧盤の一部にも断熱材を施工するのが一般的です。

基礎断熱の優位性を謳っている本を見掛けることがあります。でもそれだけでは不十分。
床面の温度が室温より冷たくなり、とても不快だからです。
(床断熱と比較すると2~3度程度低いことになります。)
基礎断熱のメリットを活かすためには、床下暖房と組み合わせて、床面温度を調節し
基礎の蓄熱量を活かす必要があります。~ 以下略
床断熱工法と比べて、色々とメリットのある基礎断熱工法。
でも、床の表面温度が低いのは問題だと思います。
今まで色々な方が書いた、基礎断熱工法のメリットを読んできましたが
表面温度の事について書いてあるものは無かったように思います。
みんな賞賛ばかり・・・。
でも、エアコン等の冷暖房機器では快適さが得られないから床下暖房しましょう。とか
床下にも換気システムの配管をして、室内側の暖かい空気を積極的に引っ張りましょうとか・・・
何らかの対策を講じなければ、快適な温熱環境が得られないということをもっと認知出来るように
すべきだと強く感じました。

弊社が勧める「FPの家」は床断熱です。
前述の200ミリのグラスウール断熱材に匹敵する
硬質ウレタンフォームの断熱力により、足裏を通して快適さを感じることができます。
室内では靴を履かない生活を送る日本人だからこそ、直接足に触れる床は健康で快適なもので
ありたいと思います。
FPの家の良い所は、まだまだたくさんあります。
今年も精一杯、ご紹介していきたいと思います。
FPの家、いかがでしょうか?
https://www.assetfor.co.jp
posted by t.arai
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