住宅の省エネ化というお話6

 

前回に続き、断熱に関する基礎知識について書きたいと思います。

今回は、熱的境界というお話からスタートします。

断熱設計では初めに断熱する空間を決定します。

基本的に、居間や寝室などの居室の他に廊下やトイレ・浴室などの屋内空間が断熱の対象となります。

これらの空間を覆うすべての断熱層、すなわち壁や屋根・天井・床などの部位を「断熱対象部位」といい

また断熱対象部位は屋外と断熱空間を熱的に区分するという意味で「熱的境界」とも言います。

熱的境界を明確にする事、そして連続させる事がとても大切です。

曖昧にしておくと施工も中途半端になりがちです。

・下屋と2階外壁の取合い部

・屋根断熱における小屋裏(小屋壁)

・基礎断熱における床下

・ユニットバス廻り

・屋内の車庫

などは、特に曖昧になりがちなので注意が必要です。

断熱設計の基本性能は以下の3項目で、これらはいずれも欠かす事の出来ない3点セットとなります。

3つの基本性能(断熱性能・防露性能・気密性能)を確保するための方法と、その性能確保のための

役割を担う施工個所は下表の通りです。

外皮の断面構成は、断熱層の室内側に防湿層を設けて断熱層に室内側の水蒸気が入りにくくし

断熱層の外気側は透湿性を高くし通気層を設けることで、外気に水蒸気を逃しやすくします。

各層の役割は以下の通りです。

断熱層・・・充填断熱工法は柱間、外張断熱工法は躯体外側の断熱材が施工されている部分です。

       全体を連続してすっぽりと包みます。

防湿層・・・室内の水蒸気が壁体内に侵入するのを防ぐ層です。防湿材やテープ等を用いて隙間が生じ

       ないように連続して設けます。

気密層・・・室内と室外の漏気を防ぐ層で、隙間が生じないように連続させます。

       繊維系断熱材による充填断熱工法の場合は、防湿層と兼用する場合が多くなります。

       ボード状発泡プラスチック系断熱材による外張断熱工法の場合は、断熱層や防風層で

       兼用する事が可能です。

防風層・・・外気から断熱材内部への風の侵入を防ぐ層です。透湿防水シートは十分な重ね代を取り

       ボード状断熱材を防風層にする場合には、目地部分にテープを施します。また防風性と共に

       壁体内の湿気を逃がすために透湿性を有することも必要です。

通気層・・・万が一、壁体内に入ってしまった湿気を逃がす層になります。

断熱層・防湿層・気密層を連続させることが大切です。また各取合い部には適切な気流止めを設けます。

次回は、断熱層についてのお話しをご紹介させていただきます。

 

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