医学と建築学が明らかにした住宅の断熱性能と健康との関連 7

前回に引き続き、堅苦しい話をお届けします。

今回は、断熱性能と疾病の羅漢率と改善率というお話です。

現在、我が国でも国土交通省「健康維持増進住宅研究会」を中心にNEB(ノンエナジーベネフィット)の研究はかなり進展しています。中でも近畿大学・岩前篤教授の研究成果は次々と公表され、その精力的な活動に注目が集まっています。

上図は、断熱性能が低い住宅から高い住宅へ転居した場合の様々な疾病の有病率を表しています。

どの疾病も有病率が改善されていますが、特に著しいのは3大成人病のうち新生物(癌)以外の脳血管疾患と心疾患で、その効果は顕著に表れています。

脳血管疾患の改善率は84パーセント、心疾患のそれは81パーセントと非常に高くなっており温熱環境との関係が改めて認識されています。

さらに従来は室内温度とは関係が無いと思われていた様々な疾病も、温熱環境を向上する事で改善できることがわかってきました。

糖尿病もそのひとつです。改善率は71パーセントと高く、暖かい環境では改善することが認められています。また関節炎なども68パーセントという高い改善率が見られ、肺炎や気管支喘息も高い改善率になっています。

アトピー性皮膚炎なども59パーセントという高い改善率になっていますが、これは暖かい室内環境が持続されることで、有害な化学物質が排除されているからと考えられます。

有害化学物質のほとんどは揮発性物質ですから、室内が暖まっている環境では排気がスムーズに行われます。そのため、温熱環境と共に換気装置もまた信頼のおける物を設ける必要があることは言うまでもありません。

このような調査結果からも、住宅の温熱環境の向上が多くの疾病から家族を守ってくれる効果がある事がわかります。住宅の暖かさは、私達の身体に熱を蓄積させて免疫効果を高めます。この事をこれらの調査結果が裏付けてくれています。

地球環境を考えた場合、省エネルギーや二酸化炭素の削減は非常に大切です。でも住宅の温熱環境は家族の健康を守るための重要課題でもあります。

高断熱・高気密と信頼のおける計画換気は、そのどちらにも効果的です。

次回は、断熱性能と疾病の改善率向上というお話です。

引き続きお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。

 

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