医学と建築学が明らかにした住宅の断熱性能と健康との関連 11

 

前回に引き続き、堅苦しい話をお届けします。

今回は、断熱は省エネよりも健康保全に必要というお話です。

住宅の断熱性能を示す指標にQ値(熱損失係数)と呼ばれるものがあります。この数値が小さいほど断熱性が高くなります。

上図は、住宅のQ値と暖房に必要なエネルギー量並びにトイレ室温の関係を表しています。

次世代省エネ基準で推奨されているQ値2.7(Ⅳ地域)は、熱貫流率U値表示の1次エネルギー換算ではトップランナー基準の5地域で45.4GJ、6地域で41.7GJ程度になります。

住宅の断熱性能は無暖房空間の温度を上昇させ、様々な家庭病の発症原因を少なくします。無暖房空間であっても、常に10度以上の温度が必要です。

例えば、Q値が2.7(等級4)の住宅のトイレの室温は10度を上回っておりギリギリ合格レベルですが、

Q値が4.2(等級3)の住宅のトイレの室温は8度を下回ってしまい不合格となります。

でも、ふたつの住宅の暖房エネルギー差は40GJ。Q値を小さくしても暖房に必要なエネルギーはそれほど減っていない事が解ります。

省エネを期待するのであれば、断熱はそれほど効果的ではありません。

でも、トイレの室温はQ値をさらに小さくすることで上昇します。

Q値2.0で12度、Q値1.6で14度位でしょうか。どんどん健康を維持出来る温度に近づいていきます。

Q値1.0を下回ると無暖房住宅を実現出来るレベルになりますが、断熱強化にかかる費用とそれによって得られる効果(EB)のバランスは大きく前者に傾き、やはり省エネ効果は期待できません。

でも健康を考え、トイレ等の無暖房室や浴室などで起こるヒートショックを予防する為に、断熱の強化は大きな意味があります。

高断熱・高気密の高性能住宅が必要な理由は、省エネ性能の向上ではなく、家族の健康を保つ健康性能の向上という新しい認識が必要ではないでしょうか。

次回は、断熱リフォームの効果的方法というお話です。

引き続きお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。 

 

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  posted by t.arai 

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