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『FPの家 S邸』
換気風量の測定を行っています。
換気装置の設置が義務化されてから、随分と時間が経過しました。
設置はしてるけど、その換気装置ってちゃんと機能しているんでしょうか?
計画換気の概要は上図の通りです。
人間が出す二酸化炭素や体臭、生活習慣から出る湿気や臭気、建材に含まれている有機化合物等々。
それらを住宅外に排出し、新鮮空気をフィルターのついた給気口から取り入れる。
おおまかに書くとこんな感じでしょうか。
ダーティーゾーンや押入から排気し、寝室やリビングに給気する。汚染空気の逆流やショートサーキットを無くす事も計画換気の大切な役割です。
完成した建物の換気システムがキチンと機能しているかどうかを調べる方法があります。
「換気風量測定」です。
アレルギーの発症を抑えるためにも、計画換気って重要ですよね。
測定に必要な器具は以下の通りです。
マノメーター
風量測定器
青い靴下を履かせた脚立
換気システム計画図(以下、換気図面)を用意して、私と設計者の2名で測定に臨みます。
まずは、天井に取り付けられたオリフィスと呼ばれる排気口の開度を換気計画図の通りに調整します。
開度調整をしているところです。
次に、壁に取り付けられたスクェアフローと呼ばれる給気口が開いているか確認します。
開いている状態
中には、防虫・花粉フィルターが入っています。
これで準備完了です。
洗面脱衣所に設置されたコントローラーの目盛を換気図面に示された設定よりも0.5少なくして合わせます。
写真は、2.5の目盛りになっています。
今回は2.0からスタートです。
オリフィスにマノメーターのノズルを挿して、メーターを読み、その数値を控えます。
こんな感じにやっています。
この作業をコントローラーの目盛りを0.5づつ上げて3.0までの都合3パターン行います。
オリフィスの数は計10か所、合計30回換気風量を計測する事になります。
換気図面の設定レベルは2.5でした。
必要換気量107.30立法メートル/hに対して、設計時の有効換気量は110.25立法メートル/h。
今回の測定結果は、
レベル2.0時132.0立法メートル/h
レベル2.5時148.8立法メートル/h
レベル3.0時164.0立法メートル/h
となりました。
個々の排気量も概ね設計量通りになっていますから、レベル2で問題ないようですね。
ちなみに消費電力は70円/月位になります。
換気装置のスイッチが入っていても、個々の排気口から出ている空気の量が判らなければ意味がありません。
全体風量が大きすぎれば、消費電力の無駄遣いになります。
個々の排気量のバランスも大切です。排気量が多過ぎると冬寒くなってしまいますし、少なければ換気不良です。
計画換気がきちんと機能するために必要な条件があります。
例えば、換気ダクトに無理な曲がりや継手の多用が無い事。
径の太いダクトを使用し、なるべく短い経路にする事。
気密性能を高める事。
ちなみに弊社が採用している「第3種換気システム」の場合の要求C値は2.0以下になっています。
次の図をごらんください。
これは、C値と給気口からの給気量の関係を示したデーターになります。
気密住宅の目安であるC値が5.0の住宅では、給気口から入る新鮮空気の割合は全体のわずか2割、8割の空気は家の隙間から入っている事を示しています。
C値が0.5の住宅の場合でも、全体の3割は隙間から入っている訳ですから、隙間を限りなく小さくする努力は必要です。
FPの家 S邸のC値は0.2でした。上図によれば85パーセント位が給気口から入る事になります。
せっかくフィルターを付けて花粉や虫の侵入を防いでいる訳ですから、給気口以外から入る空気は無くしたいですよね。
換気システムが計画通りに機能する保証はどこにもありません。
機能しているかどうかを確認する為の換気風量測定、実施するのが当たり前だと思いませんか?
もちろん弊社では行っています。
あなたの家の換気システム、ちゃんと機能していいますか?
https://www.assetfor.co.jp
posted by t.arai
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