現代社会を支えています。

いよいよ、GWが始まりました。

昨日から既にお休みモードに入っている方もいるんでしょうね。

羨ましい限りです。弊社の休みは・・・。

今日は時間もたっぷりとあるので、普段は遠慮気味の固い話をご紹介したいと思います。

『接着』のお話です。

現代人の生活は接着技術によって支えられていると言っても過言ではありません。

「接着剤って、化学物質だよね?」なんて一種の思考停止状態に陥る人もいるのでは・・・。

木質建材を上手に使いこなすためにも、接着の基礎をきちんと理解しておく事が重要です。

植物である『木(樹木)』を製材したものが『木材』となります。

最近では、集成材に対して無垢材なんて呼び方をする事が多くなりました。

無垢材の良さはたくさんあるでしょう。

でも今回は割愛させていただきます。

長くて大きな無垢材を確保するのは簡単な事ではありません。

また、そうした無垢材を十分乾燥させるには相当な技術とそれなりの時間を要する事になります。

それを取り扱う側には、木の持つ『くせ』やあて・節などの欠点に対する対処法が求められ、当然価格に転嫁される事になります。そうした木材がより高価なものになる原因がここにあります。

そこで登場したのが、集成材等の木質材料となります。

これらは、エレメントと呼ばれる木材の小片を接着により再構成した製品です。

接着はその生命線であり、もし接着が不完全であれば製品としての機能を果たす事は出来ません。

木質材料としての機能を果たす為に、製品の種類・用途に応じた様々な接着剤が用いられ、また積層・接着方法にも様々なものがあります。

接着とは2つまたはそれ以上の材料を第三者である中間層を介在させて、互いに接合する事を言います。この場合の第三者を接着剤と言います。

そのメカニズムはかなり複雑で、なかなか1つの理論では説明できません。

一般に接着の強度発現機構としては、電子の配置の偏りによって生じる分子間引力・水素結合、さらには接着剤と被着材との化学結合などが複合的に作用しているものと考えられていますが、木材の場合は、空隙や細胞壁の孔に接着剤が入り込み、それが楔のような働きをする『投錨効果』も強度発現の原因として考えられています。

接着剤の種類は色々ありますが、化学組成・見掛けの形態・強度などによって分類されています。

上図に示した接着剤の分類の中で、熱可塑性とあるのは鎖状の高分子が並んでいるだけで、熱によって再び軟化する性質を持った接着剤を言います。

一方、熱硬化性とは高分子が3次元的に架橋結合していて、一旦硬化するともはや軟化しないものになります。

木材用の接着剤にも熱可塑性のものと熱硬化性のものがありますが、構造用に関しては全て熱硬化性になります。

木材用の接着剤と聞いて、大抵の人が最初に頭に描くのが『ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤』(通称:木工用ボンド)でしょう。

この乳白状の接着剤は、水性で取り扱いが極めて容易なので、家具木工用を始めとして一般家庭用としても非常に広く用いられています。

ただし、熱可塑性であり耐水性や耐熱性は高くありません。

スライスされた化粧単板を接着するような特殊なケースを除いて、一般的な木質材料の接着にはほとんど用いられていません。

近年ホームセンター等で見かける『ホットメルト接着剤』も、典型的な熱可塑性の接着剤です。

エチレン酢ビ共重合樹脂を主体とするこの接着剤は、その名の通り熱を加えて溶かし、それを被着材に塗布するものです。

温度が下がった時点で接着は完了しますが、再度温度が上昇すると軟化してしまいます。

当然の事ながら、構造用としては不適当となります。

コンビニで良く見かける『2液性エポキシ樹脂接着剤』(通称:エポキシ)や、瞬間接着剤として有名な『α-シアノアクリレート系接着剤』(通称:アロンアルファ)は構造用としても使えますが、非常に高価であり極めて特殊な用途を除いては木質材料の接着には用いられません。

さらにはアメ色をした『合成ゴム系接着剤』などは建築現場での用途、例えばフローリングの接着などに用いられますが、木質材料そのものの接着には用いられません。

今回はここまでにしたいと思います。

学芸出版社 刊/林智行 著/ウッドエンジニアリング入門

から一部抜粋・加筆修正させていただきました。

  

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