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前回からの続きです。

木質材料の製造用接着剤として、我が国で最も一般的に用いられてきたのが『ユリア樹脂接着剤』です。

ただし後述する『ホルムアルデヒド』を放出しやすい為、近年その使用量が激減しています。

この接着剤は価格が安く、無色で作業性が良いため、合板・パーティクルボード等の製造に広く用いられてきました。

ただし高温高湿の条件下では加水分解が生じやすく、耐水性はそれほど高くありません。

また硬化時に収縮しやすい為、微小なヒビが入りやすく用途は造作や化粧用に限られています。

この接着剤の最大の問題点は、刺激臭のあるホルムアルデヒドを硬化後も放出しやすい事です。

密閉された室内環境問題が騒がれる以前は、接着性能の向上の為にユリア樹脂が反応出来る以上のホルマリンを加えたりしていました。それが遊離して外部に放散しやすくなっていましたが、最近では接着性能の低下を抑えながらホルマリン量を少なくする技術が開発されるようになりました。

またホルマリンキャッチャーと呼ばれる吸収剤を用いて、放散量を抑える方法も採用されています。

ユリア樹脂接着剤と同じくアミノ樹脂系の接着剤で、ユリアよりも高い耐熱性や耐水性を持っているのが『メラミン樹脂接着剤』です。

ただ高価で取り扱いが難しい為、ユリアと混合した『ユリア・メラミン共縮合樹脂接着剤』として、耐水性の必要な合板などに使われています。

高い耐候性・耐水性・耐久性を必要とする構造用の木質材料に用いられるのが、『フェノール樹脂接着剤』です。

いくつかの種類がありますが、木質材料の製造には熱圧が必要なタイプが用いられています。

この接着剤は構造用合板や構造用LVL、さらにはパララムなどのEWに用いられています。

色が褐色で接着層が目立つ為不評をかっていましたが、ここまでEWが普及してくると色に関してはさすがに違和感が無くなってきたようです。

フェノールはユリアやユリア・メラミンに比べると、はるかに高い耐久性や耐久性を持っていますが、高価な事が欠点と言えます。また硬化に熱が必要な為パンクが生じやすく、これを防ぐために合板やOSBの製造の際にはエレメントの含水率を低くしておく必要があります。

ホルムアルデヒドに関しては、ユリアやユリア・メラミンとは異なり一旦硬化すると安定した状態になります。

その為、時間の経過と共に少しづつ有利するような事は少ないと言えます。

フェノール樹脂と同等の高い耐水性や耐久性を持ちながら、室温で硬化するのが『レゾルシノール樹脂接着剤』です。

構造用集成材のように大きな断面を持つ材料では、硬化の為に外部から熱を加える事が難しいのでこの接着剤が好んで用いられます。ただし硬化するまでに1昼夜程度の時間が必要となります。

ホルムアルデヒドについては、フェノールと同様となります。

これまでご紹介したものはいずれも分子が結合して高分子になる時に、ホルマリンが分子間に入って付加結合するので、ホルムアルデヒド系接着剤と呼ばれています。

ただ、先にも述べましたように前2者と後2者では化学的な安定性が異なるので、ホルムアルデヒドの放散状況が異なるのです。

ホルマリンを全く使わないという特徴を持つ為に、近年大量に使われるようになってきたのが『水性高分子・イソシアネート系接着剤』(通称:水性ビニルウレタン接着剤・水ビ)です。

また、この接着剤はレゾルシノールと同様に常温で硬化し、さらに硬化時間が30分程度と短いので生産効率を上げるのにうってつけです。

集成材業界では、1990年代半ばにこの接着剤の導入が許可され、構造用集成材の生産効率が飛躍的に向上しました。ただし、レゾルシノールに比べると若干耐候性に劣るところがある為、今のところは大断面構造用集成材や屋外用の構造用集成材には使えません。

これ以外にもマイナーな非ホルマリン系木材用接着剤がいくつもあります。

最近の健康・環境ブームを反映してか、カゼインやマンナンといった天然系の接着剤が再び注目されるようにもなっています。

弊社が採用している構造用集成材に使われている接着剤は、以下の通りです。

柱:フェノール樹脂接着剤

梁・桁・胴差・母屋:レゾルシノール樹脂接着剤

土台:無垢KD材の為、該当無し

筋交い:土台と同様

間柱:フェノール樹脂接着剤

合板類:水性高分子・イソシアネート接着剤

また弊社では全ての住宅において、お引渡し前にホルムアルデヒド及びその他のVOC放散量を検査・確認しています。

その結果をお客様に提示し、ご安心いただけるのも弊社の特徴のひとつだと思います。

学芸出版社 刊/林智行 著/ウッドエンジニアリング入門から一部抜粋・加筆修正させていただきました。

  

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