外壁の断熱(3)

昨日に引き続き、書きたいと思います。

『外壁の断熱』 ~充填断熱工法編です。

胴差し廻りは下図のように、上下階の防湿フィルムが乾燥木材を介して連続するように施工します。

平面L字(出隅)の取合い部では、石膏ボードの受け材の見込み寸法が柱の見込み寸法よりも小さい場合は、外側に断熱欠損が起こらないように断熱材を入念に施工してください。

または、ボード受け材の見込み寸法を柱と同じ寸法にするのも良い方法です。

平面T字の取合い部では、外壁の断熱施工を先行し間仕切り壁の施工を後からする方法と、防湿フィルムを間仕切り壁側にL字に折る方法があります。

筋違廻りは、とても煩雑になりやすいところです。

以下の2つの方法がありますので、丁寧に施工しましょう。

まずは防湿フィルムを剥がしてから施工する方法です。

片筋違の場合、筋違を外側にすると断熱材がきちんと納まっているか確認できません。筋違は室内側に入れます。

襷掛けの筋違は断熱材の施工不良が生じやすいので、外壁ではなく内壁に設置するか面材による耐力壁にする事が望ましいでしょう。

次に付属防湿フィルムをカットし、更に別張り防湿フィルムを貼る方法です。

1.筋交いの後ろに断熱材を入れます。

2.筋違の縁に沿って、防湿フィルムの上から断熱材に切り込みを入れ、断熱材と筋違が同面になるように断熱材を盛り上げます。

3.更に室内側に別張り防湿フィルムを張ります。

防湿フィルムの付いていない断熱材を使用する場合も同様です。

真壁の場合は、4周のボード受け材に防湿フィルムの耳の部分を留め付けます。

断熱材の幅・長さが大壁と異なりますので、注意が必要です。

横胴縁を施工する場合は、一度防湿フィルムを剥がし、横胴縁の後ろ側に断熱材を充填します。

断熱材と横胴縁が同面になるように断熱材に切れ目を入れて盛り上げます。

その後、防湿フィルムを被せ直し全面に張ります。

石膏ボードを柱に直貼りせず、横胴縁を施工する(柱面より横胴縁分ふかして張る)場合は、防湿フィルムの縦方向の継ぎ目の部分にもつなぎ材を留め付けます。

 

 

「えっ!こんな面倒臭い施工してるの?」

と思ったかも知れません。

代表的な繊維系断熱材であるグラスウールは、ガラスを細い繊維状に加工した断熱材です。

形状としてフェルト状・ボード状・バラ状(吹き込み用)があり、床・壁・天井と住宅のほとんどの部位に使用可能です。

厚さや密度が大きく・高くなるほど断熱性能が高まります。

軽くて使いやすく、吸音性もあります。

無機質なので不燃性であり、発泡ガスも未使用です。

価格が安いのも大きな魅力でしょう。

ただし、良い点ばかりではありません。

施工の良しあしが断熱性能に大きく影響を与える事になります。

 

吸湿性が高く、放湿性が低い特徴を持つため、一旦侵入した水蒸気は重大な問題を引き起こします。

丁寧な防湿フィルムの施工は絶対条件です。

もし施工を省略するのであれば、外壁の構成を検証し結露の発生が無い事を確認する必要があります。

断熱材の外側に、耐震を目的とした面材耐力壁を設置する場合には、その材料の選定に配慮も必要となります。

パーチクルボードや構造用合板・OSBなどの透湿抵抗の大きな面材は、外気への放湿を妨げる恐れが高まります。十分な検討が必要でしょう。

 

私見ではありますが、グラスウールによる断熱施工を採用するのであれば、

写真のような、防湿フィルムの無いタイプのグラスウールを使用して、

更に別張りの防湿フィルムを張る事をお勧めします。

柱-間柱や間柱-間柱等、既にカットされている製品もあるようですが、そうした製品を使うと、それ以外の寸法に入れる際、つい押し込んでしまったり、寸足らずで済ませてしまう事もあり得ます。

いっその事、カットされていないものを使ってみてはいかがでしょうか?

張り上がりが平らで、ぴっちりとしている施工だけが、本来の断熱施工です。グラスウール施工に一切の妥協は許されません。

あなたの家の断熱材は大丈夫ですか?

施工中であれば、しっかりとその目で確認する事をお勧めします。

外壁の断熱という話は、今回で終了です。

ありがとうございました。

  

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