プール?公衆浴場?

結構な量の雨が降っています。

台風の影響でしょうね。

『FPの家 H邸』

基礎に水が溜まり始めました。

折角設けた水抜栓ですが、排水量を超えた雨量では効果は期待できません。

もちろん、雨が止んだ時には機能するんですけど・・・。

このまま雨が降り続けば、プールか公衆浴場がオープン出来そうですね。

こうした光景を目の当たりにする度に、「コンクリートに含まれる水分ってどの位建物に影響するのかなぁー。」

なんて思ったりします。

どうせこの雨で報告する事も無いし、この辺りの事を書いてみましょう。

コンクリートは主にセメントと水で構成されています。

一般的な住宅の基礎コンクリートにおける水セメント比は60%程度で、その半分およそ30%の水がセメントが硬化する際の化学反応に使われます。残りの30%を「養生水分」といい、セメントが型枠内へスムーズに流れ込み、隅々まできれいに化学反応し、硬化するために必要な水分とされています。

諸説あるものの、日本建築学界の論文によると、「新築からおよそ2年間、基礎コンクリートから養生水分が水蒸気として蒸散し続ける」とされており、この養生水分が、昨今の基礎断熱工法を始め、ベタ基礎の床下における、湿害発生時の原因のひとつになっています。

しかし現在の建築現場を取り巻く環境下では、工事途中に雨に降られる事もあり、コンクリートからの水蒸気発生を完全に防ぐ手立てはないと言ってもよいでしょう。

この基礎コンクリートの養生水分とは、いったいどのくらいの量があり、日々どの程度蒸散していくのでしょうか。

ある住宅関連のインターネットサイトで、「30坪の広さの住宅床下に使われる基礎コンクリートの体積は、約9.6m3」との記述がありましたので、この数値をもとにシミュレーションしてみました。

30坪の基礎コンクリート養生水分量 = 9.3m3 の約30%

水セメント比は重さの比率であり、一般に水に対するコンクリートの比重は1:約2.3なので

9.3 × 30% = 2.79 × 2.3 = 6.417t

これだけの水が2年間かけて蒸発する事になります。

1日あたりの平均蒸発量は、6417kg ÷ 730日 = 8.79kg(約9リットル)

大変な蒸散量ですが、天候や季節によって蒸散量は異なります。

またコンクリート打設当初の方が蒸散量は多く、蒸散量はだんだん少なくなることが予想されます。

つまり新築して間もない時期では、上記の9リットルよりさらに多い水蒸気が発生していると考えられるのです。

基礎コンクリートから発生するこれだけの量の水蒸気は、いったいどの程度の量なのでしょうか。

30坪×床下高さ50cmの床下空間(気積:49.68m3)が、気温20℃の時に含める飽和水蒸気量は、わずか0.859kg程度ですから、もし換気が行われていなければ、1日9リットルの水蒸気は2時間半程度で、床下相対湿度が100%に達してしまいます。

2時間半を経過すると、床下空間の空気が含む水蒸気は飽和水蒸気量を超えるという事は、つまり結露を意味します。もちろん換気が適正に行われていれば問題ありませんが・・・。

しかも気温が低下する時期であれば、飽和水蒸気量自体が減少しますから、結露が始まる時間が早まってしまいます。

弊社が採用している「床断熱」であれば、基礎コンクリートからの水蒸気は基礎パッキンによる換気で排出する事が出来ます。

床下換気口であっても、その配置や設置数を工夫する事で十分可能だと思われます。

基礎断熱の場合はどうでしょうか。

基礎コンクリートからの水蒸気は、床下空間から繋がった室内に蒸散される事になります。

湿ったコンクリート特有の臭いも同様です。

床下空間の空気環境は室内の空気環境と同じですから、乾燥は促進され2年もかからないかもしれません。

でも湿った空気の発生源が部屋の中にあるなんて、なんとなく不安ですよね。

この辺りの事が要因にあるのか、最近は基礎断熱の家に「床下エアコン」を設置するケースが増えているようです。エアコンの風を床下に送り、乾燥を促進しつつ、その空気を室内に循環させて足元から家を暖める仕組みです。

こうした仕組みを採用し、引渡し前にエアコンを運転し、床下の乾燥を図っているようですが、どうせやるならば工事中からやってはどうでしょうか?

そうすれば、ご入居時の床下は十分乾燥し、特有の臭いもしないと思うのですが・・・。

と思っていたら、実践している凄い工務店がありました。

工事の間、基礎空間の空気をダクトで強制的に排出して換気・乾燥している方がいるんですね。

なんて良心的な工務店でしょうか。ご丁寧に床下の湿度を測定して、安全を確認しているところもあるようです。

基礎断熱を採用するのであれば、安易に床下エアコンの採用に走るのではなく、まずはこうした対応をキッチリとこなす必要があるのではないかと思いました。

弊社が基礎断熱を採用する事は、まず無いと思います。でもこうした姿勢だけは真似したいと思います。

もちろん、床下に水が入らない工夫を最大限にするのは当たり前の事なんですけど・・・。

台風なんかに負けるもんか!

テルテル坊主と共闘です。

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