空気と水分の関係

生憎の雨です。

でも、今日は現場休業日。

どんなに雨が降ったって、現場の進行に支障はありません。

今回は、空気と水分の関係と題して、結露に関わる話をご紹介したいと思います。

まず、結露の現象的なメカニズムについて述べる前に基本となる空気と水分の関係を整理してみましょう。

我々を取り巻く空気は窒素と酸素の他、二酸化炭素などの『その他の気体』からなっています。

そして今回の主役である『水分』も、水蒸気の形で含まれているんです。

水蒸気は常温ではある一定の割合でしか気体の状態でいられない性質を持っています。

言い換えれば、空気に含む事の出来る水蒸気量は限られている訳ですが、その量は気圧・温度によって変化します。

空気が水蒸気を含んでいられる器の大きさは、圧力が一定な地上では温度によって決まると考えて差支えないでしょう。

相対湿度とは、この許容限度に対し、どの程度の水蒸気が実際に含まれているかを示す尺度です。

この限度いっぱいに水蒸気を含んだ状態が、相対湿度100パーセントの『飽和空気』になります。

また時によってこの限度を超えて『過飽和』な状態となる場合がありますが、通常はこれを超えると器から溢れ、液化(凝縮)が起こると考える事ができます。

これがいわゆる『結露』です。

よく結露発生のメカニズムを表すときに使われる用語に、『露点温度』があります。

これは空気が水蒸気をどれだけ含む事が出来るかを逆に温度の側からみた尺度で、温度が下がるに従って小さくなる空気中の含む事の出来る水蒸気量に対して、何度になると溢れる(飽和・結露)かを示しています。

横軸に温度、縦軸に空気中の水蒸気の絶対量(絶対湿度)をとった上図は、湿り空気線図と呼ばれる空気の温度と水蒸気の関係を簡単に示したものです。

空気中に含む事の出来る水蒸気量に相当する相対湿度100パーセントの曲線Aが、温度によって大きく変化する事が読み取れます。

例えば、暖房室では相対湿度70パーセントに過ぎなかった温度25度の空気(点B)が、そのまま押入などに流れ込んだとします。

押入の中の温度が低ければ、縦軸の絶対湿度は変わらないのに温度が下がりますから、図中左へ移動します。

温度が19度の空気(点C)は、相対湿度100パーセントになっていて、これが水蒸気を含み切れない温度(露点温度)であり、いわゆる飽和状態となります。

さらに温度が下がれば、結露しながら線上を移動して点Dに至ります。

こんな現象がコップだけでなく、家の窓や浴室の壁など、場合によっては押入や壁の中でも毎日起きている事もあります。

以上のように、結露が単なる空気中の水蒸気の凝縮現象であることからすれば、その原因は空気中の水蒸気が建物各部の温度に対して多すぎるか、水蒸気量に対して建物の温度が低すぎるかというバランスの問題に尽きることになります。

つまり、建物外からの過剰な水蒸気の侵入を防ぎ、建物内の水蒸気を排出し水蒸気量を増やさない事。建物の温度を露点以上に保つ事の2つがその対策となります。

温度と相対湿度による露点温度をまとめた表を以下に示します。

温・湿度計を手元に置き、注意しながら空気のコントロールをしてみましょう。

参考までに、湿り空気線図の構成とその見方を示します。

湿り空気の状態(温度と湿度、エンタルピ、比容積などの関係)を表したのが湿り空気線図です。

乾球温度・・・普通の棒状寒暖計の球状の感熱部が乾いた状態で測定される温度。

湿球温度・・・球状感熱部を水で湿らせた布で覆った温度計で測定される温度。湿球温度の一定の線はエンタルピの一定の線とほぼ一致します。

露点温度・・・湿り空気の水蒸気圧を飽和水蒸気圧とする温度。結露が始まる温度。

絶対湿度・・・湿り空気の中に含まれる水蒸気量。

相対湿度・・・空気が含む事の出来る水蒸気量を100パーセントとし、全く含まれない場合を0パーセントとして、含まれている水蒸気量をパーセントで表したもの。相対湿度一定の線は右上がりの曲線で示されています。

エンタルピ・・・ある状態における湿り空気の保有する全エネルギーを熱量単位で表したもの。

比熱容線・・・乾き空気1kgに対して水蒸気Xkgを含んだ空気の体積をUm3とすると、その空気の比容積はU/1+Xで求められます。

状態点をもとめてみましょう。

前述の湿り空気線図の構成図の中に乾球温度27度(横軸)と相対湿度50パーセントの交点Aをポイントします。

A点から右に水平に線を引き、絶対湿度を読むとX=0.0112kg/kg(DA)となります。

A点より左に水平線を引き、飽和線との交点を読むと露点温度t”=15.7度が求められます。

A点より破線に沿って左上に辿り、飽和線との交点を読むと湿球温度t=19.5度が求められます。

エンタルピは図のようにA点より実線に沿って左上に辿り飽和線を通り越して、エンタルピ線との交点を読むとi=13.3kcal/kgが求められます。

また点Aより一点鎖線に沿って右下に辿ると、比容積U=0.866m3/kgが求められます。

なんだか、学校の授業みたいになっちゃいましたね。

とりあえず、温度と湿度の関係と露点温度を覚えていただければ、結露の予防に活かせると思います。

結露の発生を見つけたら、

結露が発生した場所の表面温度を上げる。もしくは絶対湿度を下げる事が重要です。

ガスストーブや石油ストーブの使用は湿度上昇に繋がるので注意が必要です。

部屋間および上下の温度差を無くす事を心掛け、空気の澱みを作らないために24時間換気をしっかりと行ってください。

 

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