気密測定を見た3人

10月9日、『FPの家 H邸』で開催される『気密測定見学会』に備えて、気密に関するコラムをご紹介しています。

今回は、南雄三氏の『スラスラわかる断熱・気密のすべて』からの一部抜粋です。

気密測定を見に行く

早速3人を紹介しましょう。

古くからの木造住宅に2世帯同居している古家さんの奥さんと、10年前に鉄骨プレハブ住宅を建てた今住さんの奥さん、そして現在新居を高断熱・高気密の輸入住宅で建設中の新宅さんの奥さんです。

おやおや、古家さんと今住さんが何やら立ち話をしているようですね。

古家(以下、古)「ねえねえ、今新築中の家で気密測定をするから見に来ませんかって業者の人から言われたんだけど、お宅のところにも来たでしょう?」

今住(以下、今)「ええ、うちにも来てましたよ。ちょっと面白そうだから覗いてみようと思っていました。古家さん一緒に行きましょうよ。」

古「そうね、輸入住宅だっていうからどんな具合か見たいしね。でも気密測定って何?」

今「最近よく聞く高断熱・高気密住宅に関係することでしょう。工事中に気密がちゃんと取れているかどうか測るらしいですよ。」

古「高気密ってなんだか息苦しそうねぇ。」

という事で、古家さんと今住さんの2人は建築中の新宅さんの家の気密測定を見学する事になりました。

家はまだ内装仕上げまで出来ていない状態で、業者の人がスリッパを用意していました。

何やらものものしい機械があって、それがどうも気密測定するもののようです。

筒状のものが窓に取り付けられています。

業者の人が室内を点検していました。

窓とか開いているところは無いか?とチェックをしているようです。

測定器のそばに施主の奥様らしい人がいて、2人を見つけると挨拶に来ました。

「新宅でございます。お騒がせして申し訳ありません。業者の方がお近くの皆さまにも見て戴きたいというのでご案内させて戴きました。」

「この先のふるーい家に住んでいる古家です。」

「斜め前に住んでいます今住です。気密測定がどんなものか見たくて来てしまいました。」

3人の挨拶が終わる頃、業者から声がかかりました。

「では、気密測定を始めます。この家は高断熱・高気密住宅です。断熱性能は一般住宅の3倍ほど高くて、気密性能は北欧やカナダの住宅を超えています。今日は建物の気密をこの測定器で測ります。」

「方法はこの筒の中にあるファンを回して室内の空気を外に吐き出します。すると建物の中の圧力が減ってきて、隙間から外の空気を入れようとします。でもマイナスの圧力がどんどん高まっても気密性が高く空気が入って来ないので出ていく空気はほとんどありません。」

「このメーターはその時の室内の圧力と出ていく風量を示します。計算はコンピューターで行われ、ここからプリントされて結果が出てきます。」

「何かご質問のある方はいますか?」

質問と言われても・・・

さっきから何を言われているのかちつともわからない古家さんと今住さん。

「あの、すいません。」

古家さんが意を決して手を挙げました。

「測定している時は真空状態なんですか?息は出来ますか?」

古家さんは気密と言われただけで息苦しさを覚えるので、思い切って聞いてみたのだ。

「ご心配なく。測定中も普通に呼吸は出来ます。」

「ではスタートしますよ。」

業者が気密測定器のスイッチを押すと、筒の中のファンが回り出しました。

ファンはうんうんと唸り声を高めていきます。

マイナス圧力の方のメーターがどんどん高まり、風量の方は少ししか動きません。

「ハイハイ、素晴らしい測定結果が出そうですね。」

業者は自慢げに施主の新宅さんを見やります。

新宅さんの顔も期待と不安で少し紅潮しているように思えます。

古家さんが小声で呟きます。

「気密が高いと何がいいのかしら?」

「隙間風がないから暖かいんでしょうね。」

と今住さん。

「うちの隙間風は凄まじいのよね・・・。」

「測定結果が出ました。」

業者が晴れ晴れしい声を挙げました。

「えーっ、隙間相当面積で0.35㎠/㎡です。目標通りの超高気密です。」

「ありがとうございます。」

新宅さんは笑顔で満足そうですね。

「何言ってるのか、さっぱりわからないわね。」

古家さんが小声で言うと、業者に聞こえたのでしょう。

「隙間相当面積は一般の在来木造住宅が9.0㎠/㎡、気密性が良いとされている2×4住宅でも5.0㎠/㎡と言われています。」

「実に在来木造住宅の30倍近く、2×4住宅の15倍近くの超高気密と言えます。」

古家さんも今住さんも「ふーん。」と感心するしかありません。

「では、どれほどの気密なのかちょっと体感して戴きたいと思います。」

業者は再び気密測定器のスイッチを入れました。ファンはうんうんと唸り声を上げています。

「奥さん、ちょっと玄関ドアを開けてみてくれませんか?」

今住さんが玄関ドアまで行き、ドアレバーを下して外に開けようとしますが開きません。

「鍵閉まっていませんか?」

「いいえ、鍵は開いています。」

「今、家の中の圧力がマイナスになっていて、ドアにも中に引っ張られる力が掛かっているので、開けようとしても重くて開かないんです。」

「隙間の多い家だと圧力が掛からないのでドアはすぐに開いてしまいます。」

「この家の気密性の高さがご理解いただけたかと思います。」

「何となくわかったような気がします。でも、なんでこんなに気密、気密って言うんですか?」

と古家さんが口を挟みます。

「はい、気密性が高いと隙間風がなくて快適ですし、内部結露にも安全です。防音性も向上しますから夜中に救急車が来てもわからないくらいです。」

「救急車の音が聞こえないのもちょっと心配だけど・・・。気密が高いと息苦しくないですか?」

ドアを開けるのを諦めた今住さんが尋ねます。

「はい、この家は輸入した換気システムを搭載します。ですから常に家の中にはきれいな空気が流れています。それに、気密が高いと換気も出入り口が明確になってきちんと機能するんです。」

2人とも「ふーん」と唸るしかなかった。

新宅さんの家をでてから2人の頭の中は高断熱・高気密で一杯でした。

古「ねえ、あの家って北欧の輸入住宅なんでしょう?北欧の寒いところでは高断熱・高気密は当たり前でも、ここは日本だし、それも東京でしょう。やりすぎって感じよね。」

今「でも最近は高断熱・高気密という言葉をよく聞きますよ。うちも冬は寒いから高断熱・高気密だったらなぁーと思ったりします。」

「10年前だと『そんなの東京じゃいりませんよ・・・。』ってハウスメーカーの営業の人が言ってたんですよ。だから普通につくっちゃって・・・。」

古「確かに窓ガラスが3枚だったし、暖かくて快適なんだろうけど、あんまり快適っていうのもねぇー・・・。身体がヤワになりそうだわ。」

今「断熱材がたくさん入って暖かいのはいいけど、やっぱり気密っていうのが気になりますよね。」

「古家さんの言うように、気密が高いから換気も必要だし、セントラルヒーティングも完備しててまるで空調に支配された家って感じがするわ。」

古「窓も小さいし夏は暑そうよね。」

古家さんは高断熱・高気密に疑問が多いようですね。

今住さんは断熱の必要性はわかるけど、気密がどうしても気になるようです。

皆さんの中にも同じ思いの方がいらっしゃるかも知れませんね。

気密測定見学会にご参加ください。

色々な疑問にお答えします。

でも、このブログをご覧の皆さまはご理解いただいてますよね・・・。

そんな方は、気圧の下がった室内で深呼吸をしてみましょう。

息苦しいかどうか・・・。

ご来場をお待ちしています。

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  posted by Hoppy Red

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