熱橋・断熱補強とは

木造住宅ではあまり話題にならない『断熱補強』が、どうして鉄骨造住宅や鉄筋コンクリート造住宅で必要となるのでしょう。

掘清孝氏の『よくわかる最新断熱・気密の基本と仕組み』から一部抜粋したものをご紹介します。

100mmの厚みの木材間に厚み100mmのグラスウール10Kという断熱材を充填した木造住宅は、上図のような状態になります。

(実際には壁の厚さは105mmの為、外壁側に5mmの隙間を開けて施工していますが・・・。)

この熱貫流率を計算してみると、木材自体がグラスウール10Kで言えば41mmの厚さの断熱性能を有しています。

そのため、木造住宅の場合は一般部と柱や梁などの『熱橋部』の加重平均で全体の断熱性能を求めれば事足りるのです。

でも鉄骨は、鍋に鉄が使われているように熱伝導率がとてつもなく高いので、断熱の役には立ちません。

鉄自体の断熱性能をグラスウール10Kで言えば、わずか0.00009mmの厚みにしかなりません。

いくら鉄骨の柱の間に断熱材を入れても、断熱層は連続されません。

鉄筋コンクリートも鉄骨ほど熱伝導率は高くないものの、それでもグラスウール10Kで言えばわずか3mmの厚みにしかありません。

ここに、鉄骨造や鉄筋コンクリート造で『断熱補強』が必要な理由があります。

このように鉄骨造や鉄筋コンクリート造で断熱補強をしていなければ、上図のように熱橋部分から熱がダダ漏れという状態になっていると言っても過言ではありません。

なお鉄骨造に対する断熱補強が言われ出したのは、平成11年の省エネ法改正の頃からでしょうか。

鉄骨造はまだまだ断熱における後進構造といえるでしょう。

 

個人的には鉄骨造・鉄筋コンクリート造とも、外断熱が基本だと考えます。

それは構造体自体が極めて熱伝導率が高い熱橋だからです。

鉄骨造におけるALC(気泡コンクリート)を断熱材と捉える方もいるようですが、その断熱性能は木材とほぼ同程度であり、断熱材とは言えません。

 

仮に100mmのグラスウール10Kと同等の断熱性能を得ようとするならば380mmの厚みが必要です。

 

また発泡プラスチック系断熱材を構造体の外側に張る場合であっても、その熱伝導率と厚みをよく検討する必要があるでしょう。

仮に100mmのグラスウール10Kと同等の断熱性能を得ようとするならば

ポリスチレンフォームであればおよそ80mmの厚みが必要です。

こんな厚みの断熱材を構造体に留めるには、それなりの工夫が必要になるでしよう。

もっとも、100mmの厚みのグラスウール10K程度の断熱性能では『高断熱住宅』とは言えませんよね。

H25省エネ基準が従来の努力目標から必須性能になる2020年に向けて、鉄骨住宅・鉄筋コンクリート住宅も色々と大変なようですね。

 

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