換気風量測定完了です。

今日の外気温度です。

14.0℃/相対湿度37.6%(絶対湿度4.5g/㎏DA)

 

『FPの家 H邸』

明日の完成現場見学会準備も終わりました。

ちなみに室温は

25.4℃/相対湿度30.7%(絶対湿度4.3g/㎏DA)となっていました。

ついでにサーモ画像も撮ってきましたので、ご覧ください。

 

お風呂の床温が21.2℃になりました。

 

トイレの床温は21.5℃です。

昨日、壁・床・天井に熱を蓄えようとエアコンの温度は25℃に設定しました。

写真はLDの様子を撮ったもの。

かなり暖かくなっているようですね。

エアコンの風により、壁の温度がかなり高くなっているのが判ります。

給気口からの冷気も、エアコンの風で暖められていますね。

3種換気の場合、給気口からの冷気がネックになっています。

弊社では給気口の数を増やし一個あたりの給気量を少なくする事で、この問題を解消しているつもりですが、エアコンの近くに設置するのもアリかな?と思います。

夏場になれば、暖かい空気がここから供給され気温を少しだけ上げる事になります。

エアコンのセンサーはこの温度を察知し、室温を下げようとするでしょう。

設定温度よりも幾分室温は下がるかも知れませんが、湿度を下げるのに役立つと思われます。

 

1階洋室もかなり暖かくなっています。

そろそろエアコンの設定温度を下げないといけませんね。

陽当たりの良い窓を撮ってみました。

凄い事になっています。

ブラック色の防火シャッターを閉めたままでいたためだと思われます。

スラットと窓ガラスの間の空気が陽射しで暖められ、さすがのLow-Eガラスも写真の通りです。

日射取得タイプのガラスを入れているので、冬場は暖かい陽射しをたっぷり室内に取り込んでくれることでしょう。

さて、本題です。

先程、換気風量測定をしてきました。

用意したのは、以下の測定機器および数値を書き込む為の専用書式です。

まずは『マノメーター』と呼ばれる風量測定器です。

ノズルの先端を天井に設けられた排気口の中心にある穴に射す事で排気風量をPaで測定できます。

続いて、こちらも風量測定器です。

壁の給気口に当てて、給気風量を測定する事ができます。

こちらは、Paおよび㎥/hどちらの表示も可能です。

そして風速計。

窓や玄関ドアのあちこちにノズル先端を当て、隙間風を測定します。

風速0.20m/sを超える不快な隙間風がないかどうかをチェックできます。

気密性能が良いため、どうしてもサッシや玄関ドアからの隙間風がなくならないんですよね。

でも今回は、0.20m/sを超える隙間風はありませんでした。ホッとしました。

作業開始です。

今回も、日本住環境㈱製ルフロ400という第3種換気システムを採用しています。

まず、天井にある排気口の開度を設計値に合わせます。

開度は1~5まで0.5刻みになっていて、値が大きいほど排気風量が大きくなります。

次に、全ての給気口を開けます。

上の写真が閉まった状態、下の写真が開いた状態です。

中には厚さ40mmのフィルターが入っています。

続いて、コントローラーのボリュームを設計値よりも0.5小さく設定します。

ボリュームは1~9まであり、0.5刻みになっています。

これを小さくすれば風量が少なくなり、消費電力も少なくなります。

また大きくすれば、その逆になります。

これで準備完了です。

あとは全ての排気口にマノメーターを当て、風量を読み取り、専用書式に記載するだけ。

全部で11か所の排気口の風量を測定します。

これをボリューム2.5及び3.0及び3.5の合計3回行いました。

延べ床面積100.76㎡の建物ですから、換気回数0.5回/hを満たすための必要換気量は120.91㎥/hとなります。

ボリューム2.5の時の合計換気量は124.00㎥/h(0.51回/h)

ボリューム3.0の時の合計換気量は141.10㎥/h(0.58回/h)

ボリューム3.5の時の合計換気量は161.90㎥/h(0.67回/h)

という結果になりました。

つまり、ボリューム2.5で必要換気量を満たす事になる訳です。

ちなみに1月あたりの消費電力はわずか69円程度になります。(凄く安いと思いませんか?)

ここで本来の換気風量測定は完了なんですが、弊社では給気側の風量も測定しています。

全部で7か所ある給気口に風量測定器を当て、風量の合計を調べるだけなんですけどね・・・。

今回は、ボリューム3.0にして行いました。

排気風量は141.10㎥/hですから、給気風量も同じ値になるはずですよね。

でもそうならないんですよ、これが・・・。

隙間の大きさを知るための目安にC値があります。

気密性能測定をする事で総隙間面積を測る事ができます。

その面積を床面積で割った値です。

FPの家 H邸の場合は0.2㎠/㎡(総隙間面積21㎠)となりました。

つまり合計21㎠の隙間があるという事になります。

上の資料は、気密性能と給気口から入る新鮮空気量との関係を示したものとなります。

C値0.5㎠/㎡の家とC値5.0㎠/㎡の家で比較していますね。

これを見ると、かなり高気密と思われるC値0.5㎠/㎡の家でさえ給気口からの給気は66%にしか過ぎません。

あとの34%はそれ以外の隙間から入っている訳です。

「それ以外の隙間ってどこよ?」と思われた方もいるのではないでしょうか。

例えばサッシや玄関ドア、例えば断熱材の隙間・・・。

C値0.2㎠/㎡の場合、給気口からの給気は80%程度になるそうです。

それが本当かどうかを試してみましょう。

測定の結果です。

全ての給気口の給気風量を合計すると、66.40㎥になりました。

66.40/141.10=47.0%

半分以下の風量しか出ていません。

原因は給気フィルターにあります。

厚さ40mmの防虫・花粉対策用フィルターは空気を通す穴が小さいため、圧損が大きいんです。

全体風量が大きい場合はそれほど問題になりませんが、ボリューム3以下の場合はどうしても風量が落ちてしまいます。

従来はそれを踏まえて、ボリュームを決めていました。

でも、本来はもっと小さいボリュームでいい訳ですよね。

電気代もったいと思いませんか?

そこで、今回は新しいフィルターを試してみました。

写真左が新製品、右側が従来品です。

新製品を嵌めた給気口を撮ってみました。

厚さは20mm程度、従来のものよりも固くなっています。

フィルターの目は少し粗く感じますね。

「これで、花粉大丈夫なの?」

もちろん聞いてみました。

社外秘のデーターを見せて頂きましたが、花粉カット率は従来のものと大差ありません。

給気量は結構増えていますね。

さあ、実測です。

合計給気風量は79.70㎥になりました。(120%アップです。)

それでも、

79.70/141.10=56.4%にしかなっていません。

ちなみに、全てのフィルターを取って風量を測ってみると100%近い風量が確認出来ました。

恐るべし、花粉フィルター・・・。

やはり、ボリュームは3.5で運転するしかないようですね。

消費電力は124円となります。(それでも、かなり安いですよね。)

これで、本日の換気風量測定は完了です。

換気システムの導入が義務付けされ、新築住宅においては換気不良は無くなっている筈。

でも、義務化の前後を比較すると換気不足が原因と思われるシックハウスの発生数にそれほどの違いはないそうです。

原因ははっきりしています。

①消費電力や換気装置の稼働による寒さを嫌い、消してしまう。

②換気システムを設置し、きちんと稼働しているが、気密性能の欠如や高性能フィルターの装着およびダクトの施工不良等により本来の機能を満たしていない。

のどちらかでしょう。

①は論外でしょう。施主側の問題です。

でも、換気の重要性をしっかりと説明されていなかったのかもしれません。この場合は施工者もしくは設計者の問題となります。

②に関しては換気風量をお引渡し前に行い、設計通りの風量が出ている事を確認するしかありません。

また、風量が足りないのであれば是正するのは当然です。これは施工者側の問題となります。

換気風量測定をしていないのであれば、②はなくなりません。

個人的には、こうした施工者側の『到らない施工』も瑕疵だと思うのですが、現状は結露同様に施主側の泣き寝入り状態です。

ひどい話ですよね。

換気不足は色々な問題を起こします。

写真は、換気システム及びエアコンを稼働する前の窓を撮ったものです。

1か所だけ結露していました。

決して性能の低い窓ではありません。

換気不良による空気の淀みが原因だと思われます。

室内の有害物質や二酸化炭素・水蒸気をきちんと排出できなければ、住人はもちろん建物自体にも悪い影響を及ぼす危険は大きくなります。

どうしたらいいと思いますか?

きちんとした施工者を選ぶ事が出来なければ・・・。

施主自身が換気の重要性を認識し、換気風量の確認を求めるくらいの姿勢を見せる以外はないと思います。

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posted by Asset Red 

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