躯体換気のメカニズム

先日、ジェイベック株式会社の方が弊社に来てくれました。

久し振りの来社です。7~8年振りでしょうか。

先日の新住協/東京支部研修会の後の新年会での再会を期に、改めて製品紹介したいとの申し出を頂きました。

色々と有益な話を聞くことができましたよ。

特に計画換気については、問題点の解決への糸口を頂いた気がしています。

今回はそんな有意義な話の中から、『躯体換気』の重要性について書きたいと思います。

換気と言えば、

機械換気

窓換気

漏気による自然換気

などがありますが、通気層や軒裏・棟換気口などを利用する躯体換気も換気のひとつなんですよね。

機械換気はアクティブ換気、その他はパッシブ換気に分類されます。


東京の一般的な住宅における小屋裏は、8月には70℃を超える事も珍しくありません。

この高熱が屋根直下の室温を上昇させるの大きな要因になっているのは、ご承知の事と思います。

躯体換気を上手に行えば、この温度を40℃程度まで低減することが可能です。

そもそも躯体換気とは、小屋裏や通気層など狭いスペースの空気を連続して入れ替える事をいいます。

躯体の外部に空気の出口と入口を明確にし、従来の棟や軒だけではなく通気層と一体化する事で建物全体の空気の流れをデザインします。

さまざまな実証データーを活かす工夫も忘れてはなりません。

躯体換気は人と建物双方の健康を守ります。

熱気の排出はもちろん、さまざまな要因で侵入する躯体内の水分・水蒸気を速やかに外部に排出し、乾燥させて木材の腐朽やカビの繁殖を防止します。

万が一雨水が通気層に侵入しても、早期に水分・水蒸気を排出します。

壁内結露の防止によって、建物の耐久性は向上します。

また、居住環境の快適性・健康性の向上が図れるだけではなく『夏型結露』の防止にも有効です。

躯体換気は機械換気のように動力に頼るものではありません。

風圧や温度差といった自然の力を活かした『電気代ゼロ』の換気方法です。

そのメカニズムは以下の通り。

風を利用した換気

微風程度でも建物の風上側に正圧(押付ける力)がかかります。

また反対に風下側には負圧(引っ張る力)がかかります。

ここに強い風圧力が発生し、外気は風上側の土台水切・軒天換気口などから建物内に侵入し、風下側の棟換気・軒天換気口・土台水切から出ていきます。

温度差を利用した換気

小屋裏・通気層内外の温度差圧力も換気には有効です。

小屋裏の空気は暖められて膨張し、圧力が高まります。

棟換気から排出されると、これを補うために土台水切などから外気は吸い上げられ、通気層に下から上への流れが生じます。

これを煙突効果と呼ぶそうです。

風圧利用にしても温度差利用にしても、特に棟換気の換気効果が大きいので、いかにこれを充実させるかがポイントになります。

躯体換気を上手に行う事で、さまざまなメリットを得ることが可能です。

①快適な居住環境を実現出来ます。

躯体外部や小屋裏の温度・湿度を下げる事により、居住空間の快適性・健康性を向上させる事が可能です。

また断熱材の負荷を軽減する事で冷房効果を高める事が出来ます。

②建物の耐久性を高めます。

躯体外部や小屋裏の湿気を排除する事で、小屋裏の結露を防止し、躯体の乾燥を促進します。

③落雪・つららの危険度軽減が図れます。

冬場でも小屋裏と外気の温度に差がないため、屋根に積もった雪が融けません。

落雪やつららの危険度が低減できます。

 

上グラフは躯体換気の有無による小屋裏温度の違いを示したものです。

躯体換気は窓換気と違い、雨や雪を気にすることなく行う事が出来ます。

その効果はグラフによれば30℃にも及びます。

屋根温度の上下に関わらず、室温+5℃程度まで下げる事が可能なようですね。

躯体換って、『縁の下の力持ち』ですよね。

目立たないけど、良い仕事をしています。

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