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『FPの家 I邸』
換気風量測定を実施しました。
用意するの物は以下の通り。
マノメーターと言われる風量計とピトー管
同じく風量計
そして、風速計
あとは脚立と換気図面と筆記用具位でしょうか。
まずは居室の壁に設置されている自然給気口の蓋を開けます。
上が閉じた状態、下が開いた状態です。
四方外気が吹出す仕組みになっていますが、通常は下側だけは閉じた状態で使っています。
その理由は上のサーモ画像を見れば一目瞭然です。
下側を開放すると、冷たい外気はそのまま下に降りてしまいます。
続いて、換気図面の指示に従い天井に設置された排気口の開度を調節します。
上が開度5.0(全開)の状態
下が開度2.5(半開)の状態です。
開度を大きくすることで、排気量を多くすることができます。
これで準備完了です。
マノメーターのノズル先端を排気口の中心にある穴に挿せば、排気量を測ることができます。
全ての排気量を測り、その合計を算出すれば測定終了となります。
ただしマノメーターはパスカル表示なので、これを㎥/hに変換しなければなりません。
専用の表計算ソフトに入力するだけで済むんですけど・・・。
弊社が採用している第3種換気システムの場合、全体風量を1~9(0.5刻み)でコントロールすることで0パスカル時であれば、130~520㎥/hの風量に調節することが可能です。
換気図面に明記されている数値の前後0.5刻み、合計3風量分の風量を念のため測ります。
今回の場合は『3.0』となっていますから、2.5・3.0・3.5の3つの風量を測定しました。
建物の気積(体積)が228.6㎥ですから、0.5回換気だとすれば114.3㎥/hを換気しなければなりません。
さあ!結果はどうなっているでしょうか。
ダイヤル『2.5』の場合の合計風量・・・125.8㎥/h(0.55回)
ダイヤル『3.0』の場合の合計風量・・・142.4㎥/h(0.62回)
ダイヤル『3.5』の場合の合計風量・・・159.9㎥/h(0.70回)
換気風量からすると『2.5』でいけそうですが、個々の排気量を見てみると『3.0』でちょうどいいのかもしれません。
ダクトのつぶれ等による圧損は特に問題ないようですね。良かった・・・。
本来であれば、換気風量測定はこれで完了です。
でも、まだ確認したい事があるんです。
弊社の自然給気口には花粉フィルターが装着されています。
厚さ40mm。凄い圧損になります。
フィルターを取るとこうなります。
まずはフィルターを取った状態で、全ての給気量を測定しました。
ここで活躍するのが、黒くて大きい風量計です。
拡がった方の口を給気口に当てれば、風量を測ることができます。
しかも㎥/hで計測できます。
ダイヤル『3.5』で測定しました。
フィルター無しの状態で『144.5㎥/h』
フィルター付きの状態で『64.9㎥/h』
その差は79.6㎥/hです。凄い・・・。
排気風量と給気風量の差は給気口以外から入ってくる風量となります。
エアコンのドレンホースやサッシの隙間、建物の隙間から入っている訳です。
排気風量は159.9㎥/hでしたから、フィルターを付けなければ他の隙間から入る空気は15.4㎥/h(10%足らず)です。
ご存知でしょうか?
給気口からの風量は建物の隙間(C値)からある程度予想出来るんです。
当該建物のC値は0.3㎠/㎡でした。この時の給気量は全体の80%程度になります。
建物の気密はやっぱり問題ないようですね。
でもフィルターを付けた場合は95.0㎥/h(60%弱)が他から入ることになります。
あまりフィルターの意味ないですね・・・。
ちなみにこの時のサッシからの隙間風を測ってみました。
ノズル先端に当たる風の速さを測る事のできる風速計です。
0.15m/sを超える風の場合、当たった人は不快に感じてしまいます。
今回の場合は、かなり良好な結果が出ました。
いつも隙間風が気になる引違窓も、ほぼ0.2~0.3m/s程度。素晴らしい結果でした。
どうやら犯人はエアコンのドレンホースのようですね。
測ってみたら、かなりの隙間風が計測されました。
通気弁を取付ける必要があるようです。
換気システムは設置して終わりではありません。
ダクト配管の良し悪しや吸排気口の設置位置によって風量は変わります。
完成後の風量をきちんと測ることで、初めて換気システムは有効に働いていることを確認出来るんです。
ですから、換気風量測定の実施をお勧めします。
あなたの家の換気システム、ちゃんと機能していますか?
posted by Asset Red
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