ガラスの断熱性能

 

ガラスの性能について書いています。

2回目の今回は、特殊金属膜の低放射効果というお話です。

複層ガラスとは、2枚のガラスの中間に乾燥空気を封じ込め、断熱性能を高めたものです。

近年は複層ガラスの中でも高性能なLow-E複層ガラス(片側のガラスの中空層側に特殊金属膜をコーティングしたもの)が普及しています。

「Low-E(ロー・イー)って何?」
なんて人もいますよね。
Low Emissivity(ロー・エミシビティー)の略で、『低放射』という意味なんです。
「Low-E金属膜には、何が使われているの?」
低放射性能を発揮する金属(旭硝子の場合は『銀』を使用しているそうですよ。)と、それを保護する酸化金属を重ねた多層膜になっているようです。
熱の移動は、放射対流伝導の3つの形態で起こります。
複層ガラス内でも、これらの3形態が複合して起こっているのですが、Low-E金属膜は、このうちの放射による伝熱を少なくする性質を持っています。
この性質によって中空層の放射熱伝達を小さくし、室内から屋外方向に向かう熱量を室内側に大きく再放熱し、開口部の通過伝達を削減することで断熱性を向上しているのがLow-E複層ガラスです。
上図はガラス種類ごとの熱移動のイメージを示したもの。(算出条件:JIS R3107)
ここでは室内外の放熱・中空層内の熱移動は放射以外の対流・熱伝達も含めているようですね。
上記ガラス構成の熱貫流率は以下の通り。
透明複層ガラス(透明3mm+A12+透明3mm)・・・2.9W/㎡・K
Low-E複層ガラス(Low-E3mm+A12+透明3mm)・・・1.9W/㎡・K
Low-E3層ガラス(Low-E3mm+A12+透明3mm+A12+Low-E3mm)・・・1.1W/㎡・K
中空層の熱抵抗の大きさが断熱性能の向上に貢献していることがわかります。
 

複層ガラスの中空層における熱移動は、放射伝熱による熱移動が6割強を占めています。

残りの4割弱は対流移動です。

Low-E金属膜を中空層に向けて使うと、この放射伝熱による熱移動量を少なくすることができるため断熱性が向上します。

「だったら、空気層の両側にLow-E金属膜を設けたら、さらに断熱性能が大幅アップするんじゃない??」

Low-E金属膜を中空層の片側に設けるだけで、放射伝熱の8割程度を抑えることが可能です。

もう片側のLow-E金属膜で残る2割を低減させても、対流による熱移動が残るため

透明ペヤ → 片側Low-Eペヤのような、劇的な断熱性向上は望めません。

Low-E金属膜は、中空層の片側だけで十分なようです。

また室温25℃程度の室内からは、波長の長い室内熱(遠赤外線、波長:10μm)が放射されています。

Low-E金属膜は、この遠赤外線を反射することで室内の熱が室外に逃げるのを抑える働きをしています。

放射伝熱を抑えて、遠赤外線を反射する。

目には見えないLow-E 金属膜の効果によって、寒い冬でも暖かく快適な室内が得られるのです。

今回も

HEAT20設計ガイドブック+PLUS

に書かれた内容を中心に

旭ガラスのコラム

の一部を複写・転載させていただきました。

次回は断熱ガスとLow-E複層ガラス併用の効果というお話です。

引き続き、お付き合いください。

よろしくお願いします。

 

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