樹脂サッシの作り方

昨日、休日を利用して埼玉県熊谷市まで足を延ばしてみました。

そう、一時期『日本一暑い町、熊谷』と騒がれたあの熊谷です。

目的地はここ。

株式会社栗原、熊谷工場。

樹脂サッシを製造・販売している企業です。

工場内に入ると、外に置かれた樹脂サッシのフレームが目に入りました。

各メーカーの製品を屋外に放置して暴露試験を行っているようですね。

樹脂サッシ=日に当たると変色・退色するというイメージがありますよね。

そんなイメージを払拭したくて、長い時間をかけて実験しているようです。

同時に各メーカーのフレーム断面の比較も出来るのでわかりやすいですね。

フレームの肉厚は、そのまま耐久性や断熱性能に影響します。

またフレームの中をより細かく仕切ったり、ここにウレタンフォームを入れることで断熱性能を高めている製品もあります。

栗原の樹脂フレームの断面です。

多数の仕切りチャンバーを設け、高断熱化を図っているようです。

まずは座学でした。

講師の佐竹氏より、開口部に関する貴重なレクチャーをいただきました。

写真は、そのヒトコマ。

昨今よく耳にする『アルゴンガス』と『クリプトンガス』の比較です。

どちらのガスも比重が大きく熱伝導率が小さい為、空気層内の対流や熱伝導を抑える効果があります。

通常の複層ガラスに封入されている乾燥空気の熱伝導率は0.024W/㎡K。

アルゴンガスは0.016W/㎡K、クリプトンは0.0088W/㎡K。

断熱材と言われる素材が0.035~0.016W/㎡Kですから、その性能に驚くばかりです。

ご存知のようにアルゴンガスよりもクリプトンガスの方が性能は高いんですが、値段がかなり違うようですね。

前者の値段が1㎥当たり400円とすれば、後者の値段は1㎥当たり18000円にもなるとか。

しかも、空気層の厚さが8mmを超えた辺りから両者の性能差は余りなくなってきます。

どうやら空気層内の対流の影響のようです。

細菌の複層ガラスの空気層は16mm、以前の6mmとは大きく異なります。

6mmであれば、優位性が高かったものの、もはやクリプトンガスの利用価値は無いようなものですね。

アルゴンガスって、どの程度抜けるの?

誰もが興味のある質問だと思います。

年間で0.5%~1.0%程度抜けると考えられているそうです。

ちなみに空気層内のガス充填率は各メーカーによって違うそうです。

特に規格は無いようですね。

85~90%が一般的なんだそうです。

栗原さんでは90%にしているそうです。

充填率がそのままガラスの断熱性能に繋がります。

100%にすればいいのに。

と思い、聞いてみました。

製造的に無理なんだそうです。残念・・・。

こんな計測機器を利用して、ガラス内のガスの充填率を測る事ができます。

今回測った試験片は、91.4%となっていました。

この装置欲しい!と思いましたが、100万円以上するそうです。諦めました。

色んな試作品も見せて戴きましたが、写真の遮熱網戸は良いと思いました。

すでに昨年の建材展でリフォーム用の製品は見掛けていたんですが、新築用の窓にセッティング出来るそうです。

他メーカーには提案しましたが、一向に製品化する兆しもありません。

良いと思いませんか?

いよいよ工場見学です。

大きなガラスがたくさん置かれていました。

ガラスと樹脂フレームのバー材を仕入れ、それを加工・組立して製品化しているそうです。

Low-E硝子を窓サイズに合わせて切断し、周縁部のLow-E膜をきれいに削り取ったガラスが並べられています。

切断の様子を撮り忘れてしまいました。

平置きそれた大きなガラスの上を水レーザーが縦横無尽に動き回り、静かに、あっという間に小さく切り分けていました。

こちらは、アルミスペーサーを切断・曲げ加工する機械です。

様々なサイズのアルミスペーサー・樹脂スペーサーが積んでありました。

スペーサーの中にゼオライト(乾燥材)を充填する機械です。

空気層内の空気を乾燥させるために、全てのスペーサーには乾燥材が入っています。

 

栗原の作る標準的なガラスを挙げてみました。

特注で4層ガラスも作れるようですよ。

図中の黄色い部分がスペーサーと乾燥材になります。

スペーサーの両面にブチルテープを貼る機械です。

こんな感じに仕上がります。

スペーサーだけを見る機会なんてそうそう無いですよね。

ガラスの間に乾燥材の入ったスペーサーを挟み、貼り合せる機械です。

スペーサーよりもガラスの方が出っ張っています。

この部分にシール剤を充填する機械です。

こんな感じに仕上がります。

傍らには、アルゴンガスが置かれていました。

残念ながらガス封入の様子は見る事が出来ませんでした。

続いて、ジュシフレームの加工エリアです。

こんなバー材がたくさん置かれていました。

切断加工をする機械です。

こんな機械で組立て、接合部の溶着を行います。

溶着部の出っ張りを削り取る機械です。

綺麗に仕上がりました。

フレームにガラスを嵌め込み、金物を取付ければ完成です。

規模の大きな工場も、基本的には同じような機械を使って組立・加工をしているそうです。

違うのは機械間にベルトコンベアーを設け、移動を効率よく行うようになっている位だとか・・・。

大手の樹脂サッシメーカーは工場ラインを見せてくれないようですね。

セミナー中、興味深い映像をご紹介いただきました。

地球温暖化に関するNHKの映像です。

6分ほどかかりますが、よろしければ是非ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=NCqVbJwmyuo

地球温暖化をストップするためにも、窓の高性能化を推し進めなければなりません。

栗原の皆様、お仕事中にも関わらずありがとうございました。

 

https://www.assetfor.co.jp

posted by Asset Red

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