試算してみました。

朝から、ちょっとした試算をしてみました。

明日、完成現場見学会を行う『FPの家 T邸』をサンプルにしました。

建物概要は以下の通り

木造軸組工法/2階建て(ロフト付)専用住宅

延床面積:53.82㎡(ロフト面積7.59㎡除く)

UA値:0.47W/㎡K(外皮面積:185.24㎡)

一次エネルギー消費量:593MJ/㎡・年(削減率:29%★★★★★)

C値:0.2㎠/㎡

 

まずは必要暖房能力を以下の計算で算定します。

熱損失=Q値×床面積×(室温-外気温)

「あれ、UA値はあるけどQ値なんてどこにもないじゃん!」

Q値とは熱損失係数の事。

住宅の断熱性能を数値的に表したものです。

値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。

外壁や天井・床などの各部位の熱の逃げる量(熱損失量)を計算し、各部位の熱損失量を合計したものを延床面積で割って求めます

またUA値は外皮平均熱貫流率。

以前使われていた熱損失係数(Q値)に変わる指標です。

値が小さいほど断熱性能が高いのは同じです。

各部位から逃げる熱損失を合計し、外皮面積で割って求めます

外皮面積は185.24㎡でUA値が0.47W/㎡Kですから、熱損失は

185.24㎡×0.47W/㎡K=87.06Wとなります。

これだけではありません。

UA値に換気による熱損失は含まれませんが、Q値にはコレを含める必要があります。

換気による熱損失は換気回数×0.35×気積で求めます。

0.5回×0.35×149.73㎡=26.20W

よって合計熱損失87.06W+26.20W=113.26W

これを床面積で割ればQ値になります。

Q値=113.26W/53.82㎡=2.10W/㎡K

ここでは、隙間から逃げる熱もカウントしたいと思います。

実質Q値を使いたいと思います。

Q値にC値/10を加算した値になります。

2.10W/㎡K+0.2㎠/㎡/10=2.12W/㎡K

C値が小さい為、あまり影響は出ていません。

でもC値が2.0であれば、

2.10W/㎡K+2.0㎠/㎡/10=2.30W/㎡Kになってしまいます。

けっこうな差だと思いますよ。

さあ、必要暖房能力計算に戻りたいと思います。

室温を19℃、外気温を5℃に仮定しました。

2.12W/㎡K×53.82㎡×(19℃-5℃)=1597.37W=1.59kw

計算の結果、この家に必要な暖房能力は1.59kwとなりました。

つまり2.2kw(6帖用)のエアコン×1台で、家中の温度を19℃にする事が可能という事です。

例えば定格冷房出力2.2kw(COP5.17)/定格暖房出力2.5kw(COP5.55)のエアコンを採用した場合の年間電気代を試算してみましょう。

暖房費はQ値×床面積×暖房負荷/COP×電気単価で算出します。

暖房時間は24時間/日×30日×4か月で2880時間

電気代は25円/kwhと仮定します。

2.12W/㎡K×53.82㎡×(19℃-5℃)×2880時間/5.55×25円=20722円

という結果が出ました。

ちなみに『建研の一次エネルギー消費量計算』による暖房エネルギーは12.432MJ/年。

これを電気代に換算すると、31844円になります。

この数字は、エアコン×3台を24時間×30日×4か月稼働した際の金額です。

その差、11122円。

電気代を採るか、快適性を採るか・・・。

弊社では快適性を採り、エアコンの設置台数を多めにしています。

FPの家 T邸の場合、1階に1台。2階に2台設置しています。

2階の2台は夏・冬で使い分けて貰います。

ロフトエアコンは夏用、寝室エアコンは冬用です。

家族それぞれ、快適の基準は違います。

各部屋ごとに温度管理が出来て、快適です。


夏の場合は、もう少し複雑になります。

暖房の時にはあえて無視していましたが

日射取得

内部発熱

が大きく影響するんです。

日射取得は窓から入る太陽熱の事。

掃出し窓1か所で600Wの電気ストーブの熱量に相当するそうです。

陽射しの入る窓の数と面積により熱量が決まります。

概ね5.4kw/日くらいの熱量と仮定します。

内部発熱は人や家電が出す熱量です。

大人1人当たり100W

家電は消費電力がそのまま熱量になります。

例えば標準的な冷蔵庫であれば500Wになります。

長時間使う物もあれば、短時間しか使わないものもあります。

内部発熱は43.2kw/日(1.8kwh)くらいの熱量とします。

では計算してみましょう。

室温を28℃、外気温を35℃に仮定しました。

2.12W/㎡K×53.82㎡×(35℃-28℃)+1800=2598.68W=2.59kw

計算の結果、この家に必要な暖房能力は2.59kwとなりました。

つまり2.8kw(10帖用)のエアコン×1台で、家中の温度を28℃にする事が可能という事です。

例えば定格冷房出力2.8kw(COP5.09)/定格暖房出力3.6kw(COP5.45)のエアコンを採用した場合の年間電気代を試算してみましょう。

冷房費も暖房費と同じ方法で計算します。

冷房時間は24時間/日×30日×4か月で2880時間

電気代は25円/kwhと仮定します。

2.12W/㎡K×53.82㎡×(35℃-28℃)×2880時間/5.09×25円=11297円

という結果が出ました。

内部発熱や日射取得がいかに効くかご理解いただけたでしょうか?

この2つの熱量、実は冬季の暖房費に良い影響を与えます。

夏季は室温を上げる要素になりますが、冬季は上げる要素になるんです。

外気温は常に変わります。

暖かい冬もあるし、涼しい夏だってあるでしょう。

計算を簡略化するために、一定温度にて試算しました。

実際にはもっと電気代がかからない筈。

外皮性能を高める事がいかに省エネに貢献するかをお知らせしたくて、こんな試算をしてみました。

かなり雑な計算です。

詳しい方が見たら呆れることでしょう。

でも、大体のイメージは掴めると思います。

 

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