真・夏旨

昨日、休日を利用して水道橋まで行ってきました。

自立循環型住宅関東ゼミ2017

今年3回目のセミナーに参加して、東大前准教授の授業を受けたんです。

『冬暖かいのは当たり前!~真に夏を旨とする快適住宅を考えよう~』

と題された3時間の授業です。

快適な体表面温度で適度に放熱できるか?

人間は発汗や体表面からの放熱で、体温の上昇を防ぐことの出来る動物です。

マラソンのように長時間・長距離を走り続けられる動物は馬くらいでしょうか。

動物には発汗する事が出来ないものが多いんだそうです。

だから体温が上がったら走るのを止めてしまいます。

マンモスなどを追い続けた人間に神様が授けてくれた、ありがたい体のしくみなんです。

このシーズン、現場で重宝されている送風機付作業着。

電源を入れ、送風機を回すことでシャツの中に空気が送られる仕組みです。

人間の身体の周りには、常に30℃くらいの空気のベールがあるそうです。

このベールを吹き飛ばすことができれば、体表面からの放熱量が増え、涼しく感じられるそうです。

でもこの仕組みが活きるのは、廻りの空気が30℃を下回っている時だけなんです。

ただ風を送ればいいわけではありません。

夏の風物詩、打ち水も同様です。

元々高湿の日本では打ち水の冷却効果は限定的です。

湿度の高い時に水を撒いても、単なる埃対策になりかねません。

こんな感じで楽しくわかりやすい授業でしたが、話が『空気線図』や『風向図』『PMVとPPD』に及ぶと「???」の連続。

時間をかけて、ひとつひとつ丁寧に教えて戴きました。

乾球温度・飽和水蒸気量・相対湿度・絶対湿度・湿球温度、基本的なことから教えて戴きました。

湿球温度、ご存知ですか?

汗をかいた時に感じられる最低温度と言えば良いのでしょうか。

乾球温度(普通の温度)が25.3℃、相対湿度が65.1%の時の湿球温度は20.4℃だとしましょう。

この時、体から充分な量の発汗があり蒸散すれば20.4℃に感じられるということです。

逆に湿度が高い時には湿球温度も高くなるため、汗をかいてもそれほど涼しくなりません。

まさに授業です。

演習問題も行われました。

夏を旨とした家づくりと言えば、通風(採風)・日射遮蔽・断熱&気密が基本です。

でも内部発熱を下げる工夫も重要なんですよね。

家電の消費電力はそのまま発熱に繋がります。

冷蔵庫・照明機器・テレビ・ビデオ・・・。

家中で電気ストーブを点けているようなものです。

待機電力をカットする。

より消費電力の少ない家電に買い替える。

着衣量の調整も大切です。

暑い時には動かない事も大切。

涼しい恰好をして寝て過ごす・・・。

これが一番です。

太陽が昇ったら窓は開けない。

窓の外にはスノコを下げたり、緑のカーテンも良いでしょう。

それが無理ならば窓の内側に白いカーテンを掛けましょう。

色々と演習を行っていてわかったことがあります。

快適な室温と湿度の関係について

湿度を下げて室温をそのままにする場合と湿度をそのままにして室温を下げる場合のエネルギー量は、どちらがどの位多いと思いますか?

例えば室温28℃湿度67%/絶対湿度16gの部屋を湿度をそのままにして室温を26℃にした場合のエネルギーは、室温をそのままに絶対湿度を12gに下げた場合のそれよりも8.1KJ後者の方が多いんです。

つまり電気代が掛かるということです。

ダイキン工業のCMなどは「湿度を下げて温度を下げない」ことを良いように謳っていますが、エネルギー消費的にはそうでもないんですよね。

室温設定を下げて、寒いと感じる人は着衣量を増やした方が良いかもしれません。

難しい話ばかりでしたが、楽しいひとときでした。

これを機にもっと空気環境のことを勉強してみようと思います。

 

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