防湿と気密

温暖地における『防湿』と『気密』の考え方を整理してみましょう。

テキストは、近畿大学建築学部の岩前篤教授の2017年5月19日に行われたセミナー資料です。

まずは気密・防湿の目的です。

気密と防湿の違い、ご存知ですか?

上表のように、それぞれの対象と目的が違います。

気密の対象は空気であり、防湿の対象は水蒸気となります。

その目的は、前者は隙間からの熱損失を少なくし局所的な温度差を無くすこと。

後者は内部結露を防ぐこととなります。

水蒸気は空気中に常在する気体の中で最も小さく、二酸化炭素・酸素・水などの遮断よりも格段難しくなります。

温暖地での気密の必要性は大きく分けて3つあります。

①熱損失の抑制

省エネ性を高めるために、高断熱化を進めると気密性も向上させなければなりません。

②局所的温度差の改善

温暖地といえども、隙間風は冷感の原因となります。

隙間風を無くすことで、不必要な暖房や暖房設定温度の高温化を防ぐことが出来ます。

③換気経路の確立

第3種換気の場合、隙間が多いと計画換気の実現が難しくなります。

それでは、どの程度の気密性が必要なんでしょうか。

温暖地においては、健康維持そして更なる省エネのために1.9~1.0W/㎡・K程度のQ値が望ましいと思われます。

また、この時のC値は最低でも2.0㎠/㎡。できれば1.0㎠/㎡以下を確保したいものです。

ただし、気密性も経年劣化があるため初期値をより小さくすることが重要です。

空気中の水蒸気は目に見えません。

でも、地球上の大気には必ず含まれています。

その量が多ければ「湿っている」

少なければ「乾いている」となります。

含むことのできる最大量を飽和水蒸気量と言いますが、その量は温度によって変わります。

温度が低ければ少なくなり、高ければ多くなります。

飽和水蒸気量に対して、余分な水蒸気が液化することを結露といいます。

また結露する時の温度を露点といます。

結露の原因は2つ。

①温度が低いこと

②湿度が高いこと

つまり、結露を防ぐには室温を高めるか湿度を下げれば良い訳です。

例えば、窓に結露が発生したとします。

結露を防ぐなら、窓のフレームやガラスの温度を高くすること。

ペアガラス・トリプルガラスや樹脂フレームが有効です。

室温まで上げる必要はありません。露点以上にすればいいんです。

エアコンの風を窓に当てるなんて裏ワザもあります。

反対に、部屋の湿度を下げても構いません。

でも、この方法は現実的ではありません。

 

ここで、一般的な住宅(繊維系断熱材の充填工法)の外壁の断面構成を見てみましょう。

外から中に向かって機能上4層に分かれています。

通気層・・・初期含水・雨水を排出する。

防風層・・・冷気が断熱層に侵入することを防ぐ。

また防水層として、雨水の侵入を防ぐと共に断熱層の中の水蒸気を放出する。

断熱層・・・熱損失を防ぐ。

防湿層・・・水蒸気の侵入を防ぐ。

また気密層として、隙間からの熱損失を防ぐ。

繊維系の断熱材は、断熱材自体に含む動かない空気が断熱の役割を負っています。

冷たい空気や水蒸気が侵入すると、本来の効果を発揮ることができません。

 

結露の種類と対策は、以下の通りです。

断熱層を挟んで、室内外の湿度差および温度差が問題となります。

冬季であれば、外気の方が低温・低湿となり、夏季であれば外気の方が高温・高湿となります。

水蒸気は高いところから低いところに移動するため、冬季は外向き、夏季は内向きになります。

これをそれぞれ冬型結露・夏型結露といいますが、先程の断面構成では夏型結露を防ぐのは難しい。

何故なら、防湿層が断熱層からの放湿を妨げてしまうからです。

これを防ぐためには、可変透湿シートの採用もしくは吸放湿性の高いセルロースファイバーやウッドファイバーの採用しかありません。

もちろん、断熱材自体に水蒸気や水を含まない発泡プラスチック系断熱材(現場発泡は除きます。)は問題ありません。

ここで、結露によるダメージについて書きたいと思います。

結露が発生しても、すぐに乾いてしまえば問題ありません。

すぐに乾かず、断熱材を無力化し、結露を助長する。

こうなると、上表のような結果になりかねません。

工事中の雨が躯体内に残っていた場合や、雨漏りによる雨水も同様のダメージを与えます。

建物にとって水蒸気や水は最大の敵。

その対策にぬかりのない事が大切です。

 

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