熱交換

2030年の新築住宅のほぼZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化を見据えて、注目されているのが『熱交換換気』ではないでしょうか?
室内の暖かい空気と外の冷たい空気の熱を交換しながら換気を行います。
排気時に自然給気口から外気をそのまま取り入れる従来の換気に比べ、冷気を感じないで済むし省エネにもなると言われています。
夏も同様の効果が期待出来るとも言われていますが、外気と室温の温度差が少ない分、冬ほどの効果はありません。
ここまでは温度の話です。
熱交換換気には『全熱交換』と『顕熱交換』の2方式があるのをご存知でしょうか?
空気が持っている熱量には温度だけでは測れないものがあります。
同じ20℃の空気でも相対湿度が30%の空気と60%の空気では、含まれている水蒸気量が違います。
水蒸気は熱を持っていますから、水蒸気量が多いほど熱量が大きい事になります。
「同じ温度でも熱量が違う。」
なんて言われても、ピンと来ませんよね。
例えば、家のお風呂に入るとすぐに冷めてしまいます。
でも温泉の大きなお風呂に飛び込んでもお湯は冷めません。
その理由は、どちらも同じ温度でも大きなお風呂の方が熱量が大きいから。
1人や2人飛び込んだって、お湯の量が多いから冷めにくいんです。
これと同じです。
同じ温度でも湿度の高い空気の方が熱量が多いんです。
この熱を『潜熱』と言います。
また温度だけで捉えた熱を『顕熱』といい、その関係は次のようになります。
顕熱+潜熱=全熱
顕熱交換は温度だけを交換し、全熱交換は顕熱と潜熱を交換する訳です。
熱交換換気の場合、給気・排気をともに機械で行う『第1種』が一般的。
排気のみを機械で行う『第3種』に比べて、換気に伴う消費電力が大きくなります。
メーカー・機種にもよりますが、前者の場合の電気代は500円/月位。
後者の場合は120円/月位でしょうか。
全熱交換の場合は、臭いや水蒸気量の多いトイレ・浴室は別途第3種換気を設けなければならない製品も多いので注意が必要です。
500円の他に、3~4台の換気扇にそれぞれ150円/月位の電気代がかかってしまいます。
顕熱交換であれば、これらの換気扇は不要です。
消費電力の比較であれば、全熱>顕熱>第3種になる訳です。
でも、夏冬の冷暖房費用の削減分を含めればこの順番が変わります。
顕熱もしくは第3種>第3種もしくは顕熱>全熱になるんでしょうか?
選択する製品によって結果が異なると思います。
でも、湿度の事を考えると、順番が変わって来ます。
そう、全熱交換は湿度の交換が行えるんです。
とかく冬場は外気に比べて低湿となり、夏場は高湿となる室内空気です。
せっかく冬場に加湿しても、2時間に1回家中の空気は外気と入れ替わってしまいます。
夏場の除湿も同様です。
湿度をコントロールする為の消費電力はいっこうに減りません。
でも全熱交換にすれば室内の水蒸気が外と入れ替わるのを減らす事が可能です。
夏場、湿度が低いと涼しく感じる。
冬場、高いと温かく感じる。
湿度をコントロール出来れば、エアコンの温度設定を夏場は高く、冬場は低くすることができる訳です。
ただし、先述のトイレ・浴室等に別途第3種換気を設置しなければならない場合は違います。
これらの換気扇から排出される空気は、全く熱交換されません。水蒸気も同様です。
熱交換換気の場合、給気量=排気量。
別途に設けられた第3種換気の排気に見合った空気は、家の隙間から給気されるかも知れません。
その量は40~60㎥/h。(100㎡の家であれば、全体の16~24%に相当します。)
夏も冬も、外気温がそのまま入ってくる訳です。
 
全熱交換の消費電力は通年同じです。
(オフシーズは熱交換を行わず消費電力を抑える製品もあります。)
でも熱交換の効果が得られる時期は夏の4か月と冬の4か月しかありません。
その他の4か月は高い電気代を払いつつ、何の効果も得られません。
何を選んだら良いのか?
なんだか、わからなくなってきました。
残念ながら、シュミレーションをするしかないようです。
選定の際には、これらをじっくりと評価して決めることが重要だと思いますよ。

 

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