ヒートショック

健康に暮らすための住まい住まい方 エビデンス集

技報堂出版 刊

健康維持増進住宅研究委員会/健康維持増進住宅研究コンソーシアム 編著

編集協力 一般社団法人 日本サスティナブル建築協会

という書籍を購入しました。

定価2800円+税

少し高いけど、中々良い本だと思います。

機会があれば、皆さんも是非ご一読ください。

前回に続き、本文中にあるヒートショックに関する記事を一部抜粋させていただきます。

暖房が普及したといっても、現在の日本の住宅では一部を除き『全室暖房』のところは少なく、部屋ごとに暖房を行う『局所暖房』が多くなっています。

このため、長時間使用する居間寝室は暖房されていても、トイレ・廊下・脱衣室・浴室がほぼ外気温に近い温度に留まっていることが少なくない。

こうした寒冷や著しい室温差による大きな血圧変動(ヒートショック)により、寒さを自覚しにくく血圧の上昇が著しい高齢者では、脳卒中や心疾患といった重篤な疾患に陥りやすいことが知られています。

さらに夜間にトイレに行く回数が高齢者の場合多いので、寒冷や室温差の曝露を受けることも多くなります。

特に高齢者が居住する住宅では、段差や手摺などのバリアフリーだけではなく、浴室等の暖房を行い、室温のバリアフリー化が推進されなければなりません。

ヒートショックによる健康影響を低減させるためには、滞在時間が短い廊下・トイレ・脱衣室・浴室にあっても、室温を水準以上に保つことが大切です。

 

健常な青年男子および高齢男子各8名を被験者とし

23℃の前室に30分間以上滞在後に脱衣し

10・15・20・25℃の室温に設定した人工気候室(脱衣室)に5分間留まり

その後、40℃の湯に肩まで8分間浸かり

その間の直腸温度・皮膚温度・血圧および主観申告を測定した結果は以下の通りです。

入浴に伴う直腸温度の変動に若年・高齢の群間差や室温差は認められませんでした。

平均皮膚温度は高齢群が若年群より高く、この傾向は室温が低いほど顕著になります。

しかし高齢者は脱衣室で若年者ほど『寒さ』を、入浴中は『熱さ』を訴えません。

上図に脱衣室における収縮期血圧から前室値を引いた値を、群別・室温別に示しました。

分散分析の結果、群間・室温間に有意な主効果が認められ、交互作用も有意でした。

室温10・15・20℃では収縮期血圧の上昇度は高齢群が有意に大きく、25℃では両群間に差異は認められていません。

一般に安静時の±10mmHg以内の変動は、生理的変動の範囲内で生体負担は大きくありません。

室温20℃では、若年者の上昇幅は平均10mmHg。高齢者では25mmHgもあり、生体負担が大きいことがわかります。

つまり高齢者の場合、浴室・脱衣室の室温は20℃でも不十分だということが示されています。


ヒートショックによる健康影響を防除するためには、冬季の非居室(廊下・トイレ・脱衣室・浴室)においても室温を一定水準に保つことが必要です。

先述の結果から判断すると、廊下・トイレの室温は15℃以上。

裸になる脱衣室・浴室の室温は20℃以上が必要温度となります。

また高齢者の場合には浴室・脱衣室の室温20℃でも不十分であることが判明しています。

今回で、ご紹介も終了です。

読めば読むほど、健康と住まいの関係がわかる一冊です。

家づくりに関わる方、そして健康に良い家に住みたい方には目を通して戴きたい一冊だと思います。

 

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