築16年

ご存知でしょうか?

平成18年9月1日より『労働安全衛生法施工例』および『石綿障害予防規則』の一部が改正されています。

これらの法令に基づく規制の対象となる製品の石綿含有率(重量比)は、従来の1%を超えるものから0.1%を超えるものに改められているんです。

ちなみに0.1%を超えて石綿を含有している製品については、『石綿障害予防規則』や『廃棄物処理法』に基づき、非飛散性石綿含有建材としての解体・廃棄物処理を行うことが求められています。

 

アスベストとは、天然に採取される鉱物の一種です。

石でありながら軽い綿状の性質を持つことから、石綿(せきめん/いしわた)とも呼ばれる物質です。

加工しやすいことに加えて、耐火性・断熱性・電気絶縁性が高い性質であり、一時期は断熱材や保温材・防音材として建築物に多く使用されていました。

しかしアスベストを吸入すると、肺がんや悪性中皮腫などの悪性疾患をはじめとした健康被害を引き起こすことも知られており、現在の日本では使用が制限されています。

でも建築材として過去に使用されたものについては今でも残存しているんです。

 

アスベストに関連した健康被害は数日~数か月後に出るというものではありません。

なかには数十年経ってから発症するものもあるそうです。

そのため、一時的なものではなく、長期的に続く問題と捉える必要があります。

でも、ご安心ください。

セメント等で固化された非飛散性成形板である屋根材および外壁材は、通常使用されている状態では特に健康面への影響が無いんです。

平成18年9月1日の法改正により規制対象に追加された製品は、法改正以前の公的機関による試験では石綿が検出されませんでしたから「無石綿」等の表示を行っていました。

でも法改正に伴い石綿含有に係る定量解析方法の見直しが行われました。

それまでは検出できなかった1.0%以下の石綿についても分析可能となった訳です。

「無石綿」等の表示を行っていた製品についても、再分析を行ったようですね。

その結果、規制対象となる製品が多くなりました

何故こんな話を書いているのか?

疑問に思った方もいるかと思います。

現在、築16年目の木造3階建て住宅のリフレッシュ工事を行っています。

弊社のOB様のお宅です。

足場を掛け、外壁や屋根の塗装を塗り替え、空調機器の更新を行う予定です。

屋根に上って、高圧洗浄を掛けてみると問題が発見されたんです。

黒かったコロニアル屋根も、写真のような無残な状態です。

真っ白・・・。

勢いのある水で洗うと、藻や汚れと一緒に塗膜も流れちゃうんですよね。

そこで、耐候性や遮熱性の高い塗料を塗る訳です。

でも良く見ると、所々に割れが見受けられます。

ヘヤークラックではありません。

パックリと割れています。

屋根の上に上がって、注視してみました。

割れてる。

ここも・・・。

屋根材自体がそっくり返っているような気がします。

端っこに乗ると、割れてしまいそう・・・。

更に割ってしまっては、元も子もない・・・。

注意して歩きました。

目を近づけてみると、やっぱり・・・。

だいぶ変形しています。

メーカーに問い合わせてみると、この頃のコロニアルには同じような問題が起きているそうです。

確かに、弊社のOB様宅でも同様のケースが散見されています。

平成15年施工ですから、平成18年の改正の少し前に当たります。

アスベストを含まない屋根材に移行する際の問題らしい・・・。

先述の通りアスベストは安価で、耐火性・断熱性・防音性・絶縁性など多様な機能を有しています。

またセメントとの親和性も良く、補強材の役目もするため外装材や屋根・煙突材などに使用されてきました。

これを使えないのであれば、何か他の材料を代用しなければなりません。

結局、当時の『アスベストに変わる補強材』が、アスベストほどの性能を担保していなかったという事なんでしょう。

そういえば、某メーカーの製造していたゼロアスベスト屋根材も、数年前に撤退しましたね。

アスベストは健康被害が怖いから使えない、さりとて他の良い代替品は見つかっていない・・・。

メーカーも、困ったいたと思われます。

もっとも、メーカーを庇うつもりはありません。

むしろ、対策を怠っている事に憤りを感じます。

ヘアクラック程度なら、シーリング処理という方法もあるでしょう。

でも、ここまで割れがひどければ、葺き替えもしくはカバー工法を選択するしかありません。

葺き替えとは、既存の下葺き材および屋根材を撤去し、新たな屋根を掛ける工法です。

工期は、それなりに長くなります。

費用だって馬鹿になりません。

でも幸い、アスベストは含まれていません。

撤去費用はたいした事ないと思います。

カバー工法は、既存屋根をそのまま残して、その上に新たに屋根を掛ける工法です。

「カバー工法 屋...」の画像検索結果

撤去が無い分ゴミが少ないし、工期も短くなります。

でも、どうせやるなら下地合板の健全性も確認したいですよね。

下葺き材の様子も知りたいし・・・。

以前に行った屋根の改修工事の写真です。

この時はコロニアルは比較的きれいでしたが、下地が腐食していました。

こちらはコロニアルと同時に、野地板および下葺き材の交換も行っています。

こんな事もあるんですよね・・・。

今回は、念のため葺き替えをお勧めしました。

築16年で、葺き替えかぁ・・・。

予想外の耐久性の低さにびっくりです。

最近の製品は、この点も改善されているようですね。

 

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