気候変動の話②

気候変動に関する話を数回に分けてご紹介しています。

その第2回目。

国立極地研究所の気水圏研究グループの田村岳史助教授の南極氷河崩壊による海水生産量減少に関する論文が、ネイチャーに掲載されました。

国立極地研究所(以下、極地研)のHPから研究内容の一部をご紹介します。

極地研の気水圏研究グループは、南極気候生態学共同研究センター(豪州)と共同で、メルツ氷河周辺の海水生産量を衛生データーを用いて詳細に調査しました。

その結果、メルツ氷河周辺の海水生産量が2010年2月の氷河崩壊を境に大きく減少し、レジームシフト(気候ジャンプ)が生じている事が判明しました。

水の沈み込みは、地球規模の海洋大循環の駆動源であり、地球気候システムの肝です。

東南極メルツ氷河(東経145°付近)周辺には、メルツポリニヤと呼ばれる海水生成域が存在します。

この氷河の存在により活発な海水生産(塩分排出→重い水の生成)が起こり、この海水生産によりアデリーランド低層水(南極低層水の一つ)が生成されます。

そして2010年2月に、このメルツ氷河(正確には氷河が海に突き出している氷舌と呼ばれるもの)が大規模に崩壊するイベントが起こりました。

ここで海水生産量が大きく減少する可能性は、既に示唆されていたと云います。

そして衛星リモートセンシングという観測手法を採り入れたこの研究により、海水生産量をダイレクトに求め、この海域における海水生産量の減少を定量的に明らかにしました。

この崩壊後の2010年と2011年は、海水が生産されやすい気候条件(低温・強風)であるにも関わらず、海水生産量が減少していたと云います。

今後は、さらに海水生産量が減少する可能性が極めて高いでしょう。

この海水生産量の減少は、メルツ氷河の崩壊による海水生成域の根本的変化によって引き起こされました。

そして、この減少傾向はメルツ氷河が崩壊前のレベルまで復活するまで続く事を意味します。

崩壊前のレベルまで復活するのは50年後です。

今後の地球規模の海洋大循環及び気候システムを予測する上で、監視と分析が必要です。

続く・・・。

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