階段の勾配

台風は、それほど影響無さそうですね。

ひとまず安心しました。

でも、雨が続いています。

月曜日には止んでいて欲しいんですよね。

練馬区平和台1丁目に建つ『FPの家 H邸』では、今日も階段の施工を行っています。

廻り部分。

鉄砲部分。

 

まだ、蹴込板の取付はしていません。

今日中には完了する予定です。

今回は階段の勾配について書いてみたいと思います。

昇降しやすい階段は、蹴上と踏面のバランスによって決まるといわれています。

そのバランスをみるには、一般的に次の計算式を使います。

蹴上寸法×2+踏面寸法=60cm

この値が60cmくらいだと、標準的な日本人の歩幅に合っているので、階段を上り下りしやすいんだそうです。

蹴上とは、階段の垂直の部分。

そして踏面とは、足を載せる平らな部分です。

それぞれの寸法は下図のように測ります。

弊社の建物であれば、蹴上寸法は概ね18cm位。

そして踏面寸法は概ね24cmとなります。

これを上式に代入すると、18cm×2+24cm=60cm

昇降しやすい階段にドンピシャです。

見学会の際に、時々言われることがあるんです。

「昇り降りしやすい階段ですね。」

この計算式、中々の精度だと思います。

ちなみに、この時の勾配はおよそ37°となります。

でも階段勾配って、緩ければ良い訳でも無いんです。

あまり緩いと、段数ばかりが増えてしまい却って疲れてしまいます。

 

ある古い本に、こんなイラストを見つけました。

1974年11月25日第1刷の『住まいの人間工学/宇野英隆著(鹿島出版刊)』

かなり古い本ですよね。

この中で、快適な階段勾配を示しています。

でも、ここには勾配についての記載はありません。

少しだけ抜粋して転載したいと思います。

住まいの中の階段だが、高さの違う床をむすぶものを階段と解釈すれば、必ずしも階段になっているとは限られない。

傾斜路あり、はしごありである。

このうち普通スロープと呼ばれている傾斜路は、あまり勾配が急だと登れない。

限度は1mに対して約12cm登る程度と考えたい。

これ以上のスロープは、すべって危険になるのである。

したがって、それ以上の勾配では段を設けることになる。

これが常識的にいう階段である。

そして、先程の計算式が載っている。

でも、この本には60cmではなくて63cmと書いてあります。

しかも大人の歩幅からきている寸法なので、身体の大きくなった昨今ではもう少し大きくても構わないとさえ書いてあります。

でも、階段を使うのは大人ばかりではありません。

子供が使う事を考えれば、60cm程度が妥当ではないかと考えます。

こんなに昔から、この計算式はあったんですね。

それなのに、これを大きく上回る急な階段の存在は中々減りません。

ちなみに建築基準法では、一般住宅の場合の階段寸法は蹴上23cm以下/踏面15cm以上/階段と踊り場の幅75cm以上と決められています。

これを先程の計算式に代入してみます。

23cm×2+15cm=61cm。

おーっ、悪くないじゃん!

でも、蹴上が15cmという事はありません。

仮に1階床から2階床の高さを3090mmとしましょう。

一般的な階段は13~14段だと思います。

この時の蹴上寸法は237mm/220mmとなります。

また踏面寸法は21cmというケースが多いようですね。

これを、それぞれを先程の計算式に代入するとこうなります。

23.7cm×2+21cm=68.4cm

22.0cm×2+21cm=65.0cm

どちらも急勾配過ぎると思います。

これでは、壁に手摺を付けたり、踏面に滑り止め加工をしても危険ですよね。

これを15段にすれば蹴上寸法が20.6cmとなり、計算式の解は62.2cmになります。

これなら、随分とマシですよね。

段数が増えれば、階段を設けるための面積は大きくなってしまいます。

当然、階段自体のコストも上がります。

この辺りが、障害になっているのかもしれません。

でも狭小住宅が比較的多い弊社では、16~17段階段が普通です。

快適&安全な階段は、絶対条件だと思うんですよね。

基準法で、もっと厳しく制限にすれば良いのに・・・。

 

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