再熱除湿

先日、久し振りに仲間の完成現場を見学させて戴きました。

もちろん高断熱・高気密住宅です。

外気温は33℃ほどありましたが、室内は25~26℃位です。

また湿度も50%台と、かなり快適でした。

1台のエアコンで全館連続空調を行い、南面の窓から日射取得を図ることで低湿な環境を維持出来ています。

いわば、日射を利用した『再熱除湿エアコン』です。

そもそも再熱除湿エアコンとは、暖房運転と冷房運転を上手に組み合わせて、低温高湿時にも快適な湿度を保つことが出来るエアコンです。

上イラストは、日立の白くまくんカタログから抜粋・転載させて戴きました。

ここでエアコンによる除湿のしくみを簡単に説明してみようと思います。

①エアコン上部にある吸込み口から室内の空気を採り入れます。

②ここにはフィルターがあり、これが空気中の塵や埃を除去してくれます。

③吸込み口から採り入れた空気は、熱交換器の間をすり抜けて吹き出し口から室内に戻ります。

④よって、ほとんどのエアコンは室内空気を循環しているだけで、換気機能を持っていません。

⑤熱交換器は、室外機(ヒートポンプ)から送られてくる冷媒により夏は冷たく、冬は暖かくなります。

⑥夏であれば、冷たくなった熱交換器の間をすり抜ける際に、空気中の水分は結露します。

例えば室内空気が28℃/60%(湿度)だったとします。

この場合の露点温度(結露する温度)は、約19.5℃です。

この時、熱交換器の温度が19℃以下であれば結露でびっしょりになる訳です。

そして、ここを通過する空気は19℃/100%に近い空気になります。

⑦結露した水分はドレンパンに集められ、ドレンホースにより建物外に廃棄されます。

⑧仮に19℃/100%の空気が室温で25℃に暖められると、湿度は約70%になります。

あれ湿度が高くなってる

そう思った方は、『相対湿度と絶対湿度』について調べてみてください。

ここでは割愛させて戴きます。

ちなみに28℃/60%時の絶対湿度は14.24g/㎏DA、25℃/70%時の絶対湿度は13.92g/㎏DAとなります。

そう、後者の方が低湿なんです。

これがエアコンによる、冷房のしくみです。

室温23℃/湿度85%の時は、どうでしょうか

気温は高くないけど、湿度が高いからジメジメして不快

エアコン掛けて、快適にしたいと思いますよね

除湿運転すればいいんじゃない

ちなみに、この時の露点温度は20.3℃、絶対湿度は15.01g/㎏DAです。

20℃/100%の空気を22℃に暖めると、湿度は90%、絶対湿度は14.96g/㎏DAになります。

そう、ほとんど変わらないんです。

これって、冷房運転でも除湿運転でも大差ありません。

だって従来のエアコンの場合、除湿運転は『弱冷房除湿』なんだもん・・・。

冷房運転よりも、除湿運転の方が熱交換器温度が高めになっているだけ。

だから湿度は、どちらも大して下がりません。

もっと熱交換器の熱を下げることで除湿量を増やすことは可能です。

でも室温が下がってしまい、寒くて仕方ありません・・・。

 

1週間ほど前は、こんな状態が続いていたと思います。

これが従来のエアコンの限界です。(もちろん解決策はありますが・・・。)

一方、再熱除湿エアコンであれば、この問題を簡単に解決する事が可能です。

熱交換器の一部をめいいっぱい冷たくして除湿を行います。

このまま吹き出すと寒くなるので、一部の熱交換器を暖かくして空気を暖めます。

25℃/50%の環境も夢ではないんです。

但し、電気代が余計に掛かります。

これが、再熱除湿エアコンのメリット・デメリットです。

先程の現場では、日射を使って冷たくなった室温を暖めていました。

そうする事で、暖房をしなくても良いんです。

但し、夜間や雨天・曇天の日は従来のエアコンと変わりありません。

家の中の湿度を快適に維持する

これって、かなり難しいんです。

しかも高断熱・高気密化を極めれば極めるほど難しくなります。

日射遮蔽を完璧にしたりすれば、さらに難易度が上がったりして・・・。

かと言って、個人的には全館空調に頼りたくないんですよね・・・。

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