スケルトンリフォームVS新築、この勝負どっちの勝ちなの?

最近、スケルトンリフォームのお話を戴く機会が増えました。

写真のように基礎や躯体を残し、高断熱・高気密化や耐震化を図るリフォームを行いたいらしい・・・。

再建築不可の為、新築が出来ないケース。

弊社商圏では、コレ多いんです。

築年数が新しくて、なんとなく良心が咎めるというケース。

建売住宅を買ったのに寒くて仕方ない

木造住宅って、こんなものなのかなぁー

なんて諦めていたけど、SNS情報によればどうにかできるモノらしい・・・。

そんな方からの相談です。

両親が苦労して建てた家を壊すのは、申し訳ない

なんてケースもあります。

いずれのケースでも、ご相談にみえた方々の思いは同じようです。

新築よりは、かなり安く出来るんでしょ

その思い、判ります。

でも残念ながら、スケルトンリフォームVS新築の価格競争は、前者の圧勝とはいかないんです。

その訳を、いくつか挙げてみようと思います。

例えば既存建物を壊して更地にする場合、敷地に余裕があれば重機を使います。

資源を有効活用する為の分別回収に手間取るものの、10日もあれば解体工事は終わります。

でも躯体を残して解体しようとすれば、重機を使う事は出来ません。

人工を増やし、手でコツコツ壊します。

弊社では柱・梁・桁・土台・大引きを残し、他の部材は撤去する事が多いですね。

状況によっては、屋根タルキや野地板をそのまま利用する事もあります。

30日位かかるケースも、珍しくないんです。

重機のリース料・燃料費・回収費・オペレーターの人工、そして産廃費用は確実に安くなります。

でも、手壊しによる人工は確実に増えます。

工事日数も増える分、何かと経費も嵩むんですよね・・・。

基礎を壊す事は、ほぼありません。

あったとしても、部分解体くらいです。

当然、産廃費用は安く上がります。

でも基礎の部分解体って大変なんです。

鉄筋コンクリート造を手で壊せる訳ないでしょ

それなりに電動工具やエンジンのついた工具を駆使する事になります。

意外とリース料がかかるし、人工も掛かるんです。

壊した部分の補修も必要です。

それでも、前者の方が安く上がるでしょう。

でも、基礎工事代は確実に安くつくよね

スケルトンリフォームに伴う間取り変更があれば、基礎を追加する必要があります。

既存の基礎に手を加え、鉄筋を繋いだりする分、費用は割増しになります。

でも新築に比べたら、はるかに安く上がります。

でも築古建物の場合は、無筋基礎も多いんです。

そんな場合には、アラミド繊維を特殊な接着剤で基礎に貼り付けて補強します。

これが、結構高いんです。

ちなみに防湿コンクリートについては、弊社は積極的にお勧めしません。

厚さ50mmとは言え、1階部分全面にコンクリートを打設すれば、それなりに重くなります。

重くなれば、地盤にかかる負担も増えるでしょ

弊社商圏は、それほど地盤の良い地域ではありません。

むしろ地盤補強が必要なケースも多いんです。

でも地面から出る湿気の対策は必要でしょ

そこで弊社では、基礎の中の土を鋤取り、防湿シートを敷き込むようにしています。

砂利で押さえれば、コンクリートを打設する必要はありません。

地盤補強が出来ないのなら、外壁や屋根等の軽量化を図るしかないと思います。

基礎の重量化を避けるのも、その一環なんです。

でも土を鋤取り、そこに砂利を敷き均すのって、意外と大変です。

基礎の上には躯体が載っています。

新築と比べれば、アチコチに障害物があります。

一輪車に載せて運んだり、バケツリレーを行ったり・・・。

床束を受けるための束石も必要です。

基礎工事で大幅に費用を圧縮

この目論見は、大きく外れることも多いんです。

 

躯体にかかる費用は、大幅に削減できます。

おーっ

ここで、大幅にカットできそうじゃん。

建て方も必要ないから、重機費用や建て方人工も省略できます。

でも実際には、意外と細かい費用が必要になるんですよね。

例えば、腐朽菌やシロアリの被害による材料交換です。

写真は撤去した浴室回りの柱材および土台材です。

立っている柱を交換するのって大変です、荷重のかかっている柱を抜こうとすれば2人掛かりなんて事もあるくらい・・・。

柱の太さがマチマチで、部合わせのための調整材が必要になったりもします。

石膏ボードや外壁合板を張ろうとしたら、柱の太さがマチマチで、壁が凸凹になっちゃう。

こんなのダメでしょ

この作業に掛かる時間と費用が、バカにならないんです。

そして、コレです。

構造の安全性を確認して、必要な部分に柱や梁を補強しなければなりません。

古い建物の場合は、水平剛性が不足している為、水平構面をつくり直すことになります。

ネダノン合板を採用したければ、3尺間隔に梁を入れなければなりません。

火打ち梁を追加するケースも多くあります。

この分の材料費と施工費が、結構必要なんです。

材料を搬入したり、刻んだり、持ち上げるのは、全て人力になります。

プレカットや重機の有難みを、感じるんですよね・・・。

そもそも、工事費全体に占める木材費(しかも構造材)の割合なんて、大したことなし・・・。

あっ、そうだ。

現場を確認して、現状の構造図を描く費用が必要になります。

これは残念ながら、増額要素です。

もちろん、構造計算料は両者ともに大差ありません。

 

こうして改めて書いてみると、それほどコスト削減につながらない事がわかります。

内外仕上げ工事・設備工事・建具工事・仮設工事等の工事は、両者とも変わらないし・・・。

そもそも新築の方が慣れている分、楽なんですよね。

それでも、可能であれば新築ではなくスケルトンリフォームを提案したいんです。

まだ使える木材を、捨ててしまうのは勿体ないでしょ

もちろん捨てられた木材は、燃料として再利用をしている筈。

でも、まだまだ使える木材を燃やしてしまうのは、余りにも勿体ないと思いませんか

定期的なメンテナンスを行い、100年・200年と建物を利用したいところです。

何か、良い方法がある筈・・・。

もっと良い方法を探さないといけませんね。

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posted by  Asset Red

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