ショッキングな写真です。現場で発生した失敗談を書こうと思います。

11月11日付のアセットフォー日記となります。

今日の練馬・板橋の天気は曇りときどき晴れ。

気温も17℃に留まりました。

やっぱり秋は、こうでなくっちゃ

今回は、現場で発生した失敗談を書こうと思います。

中野区上鷺宮で工事中の『FPの家 O邸』で発生したミス工事です。

皆さんは木造軸組工法における、2つの工法をご存じでしょうか

ひとつは在来軸組構法における従来の工法です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

構造体の接合部に仕口・接手加工を施し、補強金物を取り付けます。

構造体の断面欠損が多い

金物を取り付けないと不安定

組立の順序に制約がある

継手・仕口加工がある分、材長が伸びる

等のデメリットがある為、最近は金物工法にシフトしている工務店が多いようです。

もうひとつは、金物工法です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

従来工法の仕口・継ぎ手の接合をボルト及びドリフトピンの接合具で緊結する『接合金物』に置き換えた工法となります。

固定ピン(ドリフトピン)を打ち込む事で、仕口部分の接合力が発生。

ここに必要耐力に応じた金物を選定・取付します。

構造体の断面欠損が少ない

金物がプレカット加工時に取り付けられるので建て方時に安全

組立の順序に制約が少ない

継手・仕口加工がない為、材長が短くなる

等のメリットがあります。

但し金物を取り付けた状態で運ぶ為、荷姿が嵩張ってしまい運賃が高くなるデメリットもあります。

弊社では建物の外周部に関しては金物工法を採用し、他の部分は従来工法を採用。

運賃の上昇を防ぎつつ、他のメリットを活かすようにしています。

また金物工法を採用する事で、使用する柱脚金物・柱頭金物をコンパクトにする事も可能です。

柱間にFPパネルを充填する弊社にとっては、この点のメリットも大きいんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

金物が大きいとFPパネルを大きく欠き込まなくてはなりません。

そして、ここに発泡ウレタンを充填します。

写真左が欠きこみ後、そして右が充填中の写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

発泡が終わり硬化したら、平らに切削します。

そしてアルミ気密テープを貼ります。

上写真の通りです。

金物工法にする事で、この作業を簡素化できる訳です。

まったくゼロには、なりませんが・・・。

これが弊社が金物工法を採用する理由です。

 

今回発生したミスは、金物工法に関わるミスでした。

ちょっとショッキングな写真が出ます・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は真壁和室の化粧柱下端に開いた穴を撮ったもの。

せっかくの化粧柱も台無しです。

 

 

 

 

 

 

 

 

中には、大きく割れている柱もありました。

こんな状態が合計、4箇所もあったんです。

 

 

 

 

柱と土台の納まりは、上図のようになります。

左が在来工法、右が金物工法の場合です。

そして柱の穴にドリフトピンを挿し込む事で、パイプ金物を通じて土台と柱を緊結します。

いずれもイラスト中の内にある

ドリフトピンが影響していました。

 

ちなみに、ドリフトピン用に開けた穴にドリフトピンを

挿し込み、叩いて奥まで入れるのが施工法です。

 

通常であれば、105mm×105mmの柱に入れるドリフトピンの長さは100mm。

ピンと柱の間には若干の隙間もあります。

この隙間を覆うように気密テープを貼り、柱面に石膏ボードを張れば、ピン頭も穴も隠れてしまいます。

でも今回は、真壁納まりでした。

真壁納まりって、壁仕上げよりも柱面の方が出っ張っている納まりです。

当然、柱の表面には化粧単板が貼られていました。

柱が化粧面として現れるんです。

柱の断面図を挙げてみました。

表面のオレンジが単板です。

図面下が室内側、上が室外側となります。

 

 

 

 

ここに穴を開け、ドリフトピンを挿し込まなければなりません。

図面下にがあるでしょ

これが問題の穴です。

柱の表面に穴が出ちゃうとマズイです。

そこで、ドリフトピンの長さを80mmにしました。

そして柱の穴も、外側から開けて室内側に貫通しないようにしたんです。

これなら、化粧柱の表面に影響ないでしょ

ドリフトピンを入れた後、その穴を気密テープで塞げばOK

その筈だったんです。

でもトラブルが起きました。

ドリフトピンを挿し込み、ハンマーで叩き入れる際に勢い良く叩き過ぎたんです。

その結果、ドリフトピンの先端が化粧単板を突き破ってしまいました。

とんだ誤算でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドリフトピンの写真です。

これを穴の中に打ち込むんですが、案外きついんです。

叩いても中々入っていかない事があります。

そんな時は、力を入れて叩くしかありません。

今回も、ついつい強く叩いてしまいました。

その結果、先端の少し尖った部分が・・・。

そして先程の4枚の写真のようになりました。

外から押された為、表面の単板が剥がれてしまったんです。

その際に、柱の芯材も少しめくれています。

早速プレカット工場に電話を入れ、対策を練りました。

その対策は、以下の通りです。

①捲れた芯材部分を整え、エポキシ樹脂を充填する。

②ドリフトピンの先端部分にも、エポキシ樹脂を充填する。

③乾いたら、平らに切削する。

④化粧単板を削り取り、新しい化粧単板を貼り直す。

これで本来の状態に近づける事が出来ます。

なお上記作業は、集成材メーカーにご紹介戴いた専門メーカーに依頼しました。

過去に何回か、傷による単板貼り替えをお願いした事がありますが、きれいに直してくれる業者です。

更にていねいな仕事をお願いしました。

本当は事件が発生して、すぐに修理をしたかったんです。

でも建物が固まって、動きが少なくなるまで待ってもらいたい・・・。

また他業者とかち合わない時期の方が望ましい・・・。

そう言われてしまうと押し切る事も出来ず、大工工事完了を待つことになりました。

 

ここで、良く考えてみました。

真壁納まりの際には、無理せず従来の工法にした方が良かったのかも知れません。

でも梁下いっぱいに天井材が納まる関係で、梁下や梁横に羽子板ボルトが納まる事を避けたかったんですよね。

真壁部分に大きな柱頭金物・柱脚金物が付くのも避けたかったし・・・。

またドリフトピンを打ち込む際に、力加減をちゃんとすれば問題ないと思っていました。

まさか、勢い余って単板を突き破ってしまうとは・・・。

この点は、経験不足も否めません。

いずれにしても、私の管理不足だと思います。

O様、申し訳ありませんでした。

 

同じ過ちを犯す人が一人でも減れば・・・。

そう思い、情報共有させていただきます。

バカな事したなぁーと、お笑いください。

ひたすら反省するしかありません・・・。

 

なお今後、真壁納まりを採用する事があれば従来工法を採用しようと思います。

その方が、間違いありません。

 

ここからは、現場の状況を書きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

現場では、モルタル下塗りの上に上塗りを掛けています。

上塗りの上にファイバーネットを伏せている様子が写っているでしょ

 

 

 

 

 

 

弊社ではモルタルの乾燥収縮や、地震等の揺れによる割れを防ぐ目的で、写真のようなネットを伏せ込むようにしているんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

横で見ていると、簡単そうに見えるんですよね。

上塗りが終わったら、そこにネットを被せます。

その際に、上下左右の繋ぎ目には重なりを設けます。

被せたら、金鏝でネットの上を擦ります。

すると網目から下のモルタルがぶつぶつと顔を出します。

これを擦り付け、網目が出なくなるまで押さえれば完成です。

でもこのネット、普通のネットではありません。

モルタル専用の耐アルカリ性グラスメッシュなんです。

モルタルって強アルカリだから、普通のネットだと長持ちしないんです。

でも弊社の採用するネットはジルコニアを高配合品。

耐アルカリ性・耐酸性を高めたガラス繊維です。

 

 

 

 

 

一般的な耐アルカリネットと比較してもこの通りなんです。

実験では濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液(70℃)に100時間浸漬しています。

普通の対アルカリネットは融けてバラバラでしょ

 

 

 

 

でもジルコネットは、200時間経過しても全く変化がないそうです。

ちなみに配合されているジルコニアって二酸化ジルコニウムのことなんだそうです。

人工ダイヤモンドともいわれています。

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キュービックジルコニアという宝石を聞いた事があるでしょ

二酸化ジルコニウムの結晶が、キュービックジルコニアなんだそうです。

強度と耐久性に優れるため、近年では歯科治療にも利用されているそうです。

そもそもモルタルは引張に弱いんです。

そこでラス網を入れて補強します。

それでも表面付近には、小さなひび割れ(ヘアクラック)が発生する可能性があります。

そこで強度の大きなネットをモルタルの表面付近に伏せ込む訳です。

こうすれば、地震等で揺れても割れる心配はありません。

さすがに絶対割れないと言えませんが・・・。

それでも安心でしょ

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