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板橋区で工事を進めている『スケルトンリフォーム K邸』の現場写真です。
既存土台を撮ってみました。
うっすらと緑色掛かっているのが土台です。
木造住宅における土台は、構造の最下端にあり基礎にアンカーボルト等で緊結されています。
柱を伝わる建物の荷重を常時分担し、基礎を通じて地盤に伝えるのが、その役目です。
地震や台風等の際には、より大きな荷重を受ける場合もあります。
こうした土台に求められる条件がいくつかあります。
①柱の荷重を受けるため、めり込みに強い樹種である事。
②地盤面に近いため、湿気・水分やシロアリなどに強い樹種である事。
ちなみに弊社では国産檜の芯持ち材を採用し、現場にて高濃度ホウ酸水溶液を噴霧する事で上記2条件をクリアしています。
でもプランによっては、もっとめり込み強度の大きな材を要求される場合もあります。
こうした場合には、材種を変えたり、大きな力が加わらないように耐力壁の配置や柱の配置等を工夫したりしています。
では、この既存土台はどうなんでしょうか?
写真の土台には『サンヨーPGアピトン』という印字が見えます。
これをヒントにして、調べてみようと思いました。
サンヨーは製造メーカーの名前だと思われます。
ネットで検索してみましたが、ヒットしませんでした。
PGは銅系の加圧注入用防腐・防蟻剤を浸漬・加圧注入注入した材を指します。
PGスケアーなんて製品が今でも販売されています。
耐朽性・耐蟻性の高くない樹種であっても、こうした処理を行えば土台として十分な耐朽性・耐蟻性を有する事が出来ます。
アピトンは樹種名です。
東南アジア一帯に分布するフタバガキ科フタバガキ属の広葉樹の総称。
主にトラックや貨車などの床板材に利用されています。
高い耐久性と強度を持った超硬質木材で、雨にも強い為、外で使用しても問題ないそうです。
まさに土台にピッタリの樹種ですよね・・・。
熱帯産材のため、辺材であっても耐蟻性大きそうだし・・・・。
PG材にする必要があったのかな?
と疑問に思いました。
ちなみに昔はクリ材を土台に使う家が結構あったそうです。
クリ材も堅く耐久性があり湿気に強い材です。
でも耐蟻性に関しては、あまり強くないようです。
渡しは以前から檜よりもクリの方が土台に向いていると思っていました。
狂いの多い木ですから、あくまでも基礎に緊結できる土台限定の話です。
でも調べてみると、アピトンの方が土台に適した材と言えそうです。
これなら安心して使えます。
スケルトンリフォームって、既存の木材を有効利用する事が出来ます。
でも、その為には使われている木材の性質を知る必要があります。
必要であれば、何らかの補強を行う場合も出てくるでしょう。
今回のアピトン土台であれば、念の為、高濃度ホウ酸水溶液による木材劣化対策を行う予定です。
目視の結果、シロアリや腐朽菌による被害もありませんでした。
ホウ酸処理しておけば、鬼に金棒でしょ!
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
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上記をご確認ください。