界面活性剤は防蟻薬剤や防腐処理された木材等に含まれています。

板橋区で工事中の『スケルトンリフォーム K邸』の現場写真をご覧ください。

遅れに遅れていた外壁工事がようやく始まりました。

と言っても、まだ通気胴縁の施工中なんです。

今回はいつもと違い、厚さ18mmの防腐胴縁&防腐大貫を利用しています。

本当は厚さ30mm品を利用したかったんですが、隣地との距離が狭いので施工性を考えて諦めました。

という事で今回は『防腐胴縁』ネタを書いてようと思います。

透湿防水シートの劣化問題という話です。

近年、透湿防水シートの劣化が問題となっています。

問題の原因のひとつは界面活性剤による『防水・耐久性の低下』です。

界面活性剤は防蟻薬剤や防腐処理された木材等に含まれており、写真の防腐胴縁にも当然含まれています。

防腐胴縁は木材腐朽菌に対する耐性を高めるために有効成分を胴縁に染み込ませています。

より高い濃度で木材内部まで有効成分を浸透させるのに必要なのが界面活性剤です。

水の張力を無くして、有効成分の浸透を助けてくれます。

でも、この界面活性剤がシートの防水性能や耐久性能を低下させる事もあるんです・・・。

 タイベックシートのカタログより抜粋

シートが正常に機能している状態を示したイラストを挙げました。

液体となった水の分子には表面張力が働くため、シート表面の微細な穴の撥水性によりシートを透過する事が出来ません。

タイベックシートのカタログより抜粋

でもシート表面に防腐胴縁から染み出した界面活性剤が付着すると、水の表面張力が働かず撥水しません。

つまり水が微細な穴から侵入しやすくなるんです。

こうした問題は以前から指摘されていました。

透湿防水シート協会からも2011年6月に『防蟻・防腐材による透湿防水シートへの影響について』という告知が出されています。

なお告知中で揚げられた防蟻・防腐処理された通気胴縁使用時の注意事項は、次の2点となっています。

①施工中、雨水で濡らさない。

②通気胴縁施工後は、外装材を速やかに施工する。

参考までにタイベックシートカタログに掲載されている、透湿防水シートの界面活性剤による防水性低下状況も挙げておきます。

防蟻・防腐処理通気胴縁浸漬試験24時間後の防水性を示したグラフです。

タイベック・シルバーの防水性は15%低下、従来の透湿防水シートの防水性は82%低下という結果になっています。

従来品の82%低下って、いくらなんでもひどくないですか?!

ちなみに弊社が採用しているハイムシールドの場合は、界面活性剤水溶液に3日間含侵させた後の防水性能を公開しています。

試験は上記3品で行われました。

①ハイムシールド

②従来品A

③従来品B

試験の結果は次の通りです。

①は劣化無し

②は100%劣化

③は70%劣化

やはり、②③はひどい結果でした。

ちなみにシートメーカーとしては、シートに活性剤が付着しないようにすれば良いという姿勢を崩していません。

だからシートに活性剤を付着させた施工業者が悪いという事のようです。

聞いたところによれば、一度活性剤の付着したシートは乾いてもダメなんだそうです。

濡れるたびに水を通してしまいます。

残念ながら、張り替えるのがベストみたいです。

でも、この話自体、意外と知られていません・・・。

建築従事者の中にも、知らない人って意外と多いんです。

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