外張り断熱ですか・・・

 

一時やたらとコマーシャルを見た気がしましたが、最近はあまり耳にしなくなりましたね。

『外張断熱工法』

高断熱住宅のスタンダートとして、すっかり定着したということでしょうか。

弊社が建てる高断熱住宅は『FPの家』

断熱工法上の分類では『充填断熱工法』となります。

今回は、充填断熱工法(以下、内断熱)に対する外張り断熱工法(以下、外断熱)の

メリットを中心にご紹介させていただきます。

本来、外断熱と云う言葉は木造住宅には存在しないそうです。

でも今回は便宜上外断熱と省略させていただきました。

まずは、それぞれのイメージ図をご覧ください。

 

建物の躯体(柱や土台、梁等の骨組)に対して、内側に断熱を設けるものを内断熱。(イラスト左)

外側に設けるものを外断熱(イラスト右)といいます。

サイトを見ると、外断熱のメリットは色々あります。

断熱材が躯体により分断されない為、隙間ができにくい。

また使用する断熱材自体が透湿性・通気性の低い(湿気・空気を通しにくい)ものが多いため

気密性を高めることができる。

高気密=漏気(隙間からのエネルギー流出)が少ない為、省エネ。(夏涼しく、冬暖か)

高気密=高防露性(躯体に湿気の侵入が少なく、腐朽菌・白蟻の被害を防ぐことが出来る)

気密施工は内断熱と比較して容易な為、施工費の圧縮も図ることが出来そうです。

透湿性の低い断熱材を使用すると、室内から侵入した湿気は外に抜けません。

上イラストのように、密閉された空間で結露を招くのでは・・・。

大丈夫です。外断熱の考え方では、躯体は室内と繋がっています。

侵入した湿気は上昇気流となり、壁の中を上がっていきますから、躯体を痛めることはありません。

適切な施工を行う事が出来なかった繊維系内断熱のように壁内結露を招く事はありません。

やっぱり、外断熱って内断熱より優れてるの。

ちょっと待ってください。

大切なのは断熱力です。(えっ、そんな言葉聞いた事ない

断熱力=熱抵抗(R値)・・・断熱材の厚さ(m)/熱伝導率(W/m・K)で表します。

その値が大きいほど、断熱力が高いんです。

熱伝導率

下図を見てください。

熱伝導率が小さいほどほど、熱は伝わりにくくなります。

断熱材の熱伝導率は以下の通りです。

例えば一般的な内断熱の場合、

厚さ100mm(0.1m)の住宅用グラスウール16Kの熱伝導率は0.045W/m・k

R値①は0.1/0.045=2.22となります。

外断熱の場合は、

厚さ50mm(0.05m)のA種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温版1号の熱伝導率は0.036W/m・k

 

R値②は0.05/0.036=1.38となります。

えっ、50mm断熱材の厚さをもっと厚くすればいいのでは

外断熱は、板状の断熱材を躯体の外側に取り付ける工法です。

外壁材および通気胴縁は長いビスを用いて、躯体に留め付けることになります。

上図のように、内断熱に比較すると長ビスに掛かる力は相当なものになるはず。

ビス廻りの断熱材穴の拡大による気密性の低下も起こり得ます。

下写真のようなワッシャーも出ていますが、サッシの納まりからいっても断熱材の厚さは50mm程度が

現実的だと思います。

厚く出来ないのであれは、断熱材の性能を上げる方法もあります。

厚さ50mmのA種フェノールフォーム保温版には熱伝導率0.019W/m・kの物もありますから

これを使って見ましょう。

R値③は0.05/0.019=2.63となります。

②<①<③となりました。

でも、断熱材の選定には他の要素も必要です。

例えば「透湿率(ng/(m・s・Pa))」

湿気の通しやすさを表します。

以下の表をご覧ください。

A種ビーズ法ポリスチレンフォーム1号の透湿率は3.6

A種フェノールフォームの中には、透湿率33の物もあります。

前者に比べ後者は9倍あまりも湿気・空気を通しやすいと言えます。

断熱材を選定する際には、価格や熱伝導率だけではなく、総合的に判断する事が必要です。

外断熱って、それほど断熱力高くないじゃん

もうちょっと待ってください。

外断熱が躯体をすっぽり断熱材で包んでいるのに対して、

内断熱は断熱境界上に断熱材が連続せず、柱・間柱・梁・胴差しなどの木材部が存在します。

厚さ105mmの木材のR値は

0.105m/0.12W/m・k=0.87ですから、断熱材と比べると熱を通してしまいます。

この部分を「熱橋」といいますが、実際の木造住宅では、熱橋部が全体の約20%を締めています。

熱橋を含めた時のR値④は(2.22×80%・0.87×20%)1.60となります。

外断熱でこれと同等性能を得る為の熱伝導率を計算してみます。

外断熱に熱橋はありませんから

1.60=0.05/熱伝導率

熱伝導率=0.03125W/m・kとなります。

これをクリアする断熱材といえば、

押出法ポリスチレンフォーム3種の0.028W/m・kとなります。

この場合のR値⑤は0.05m/0.028W/m・k=1.78となりました。透湿率は3.6で問題ありません。

さすが、外断熱ですね。

ところで、FPの家のR値はどうなっているのでしょうか?

105mm(0.105m)/0.024W/m・k=4.37

熱橋を含めたR値は3.32

新商品の『プラチナFPパネル』を採用すれば

105mm(0.105m)/0.020W/m・k=5.25

 熱橋を含めたR値は4.02

という値になります。A種硬質ウレタンフォーム2種2号の透湿比は1.0、全然問題ありません。

丁寧な気密施工と透湿比の低い断熱材が高い防露・気密性能を確保してくれるし、

お値段は張るけど、その分断熱力は数段アップします。

結局、

グラスウールで作る内断熱<外断熱<FPの家

という結果になってしまいました。

内断熱も使用する断熱材次第で、外断熱を上回る断熱性能を得ることが出来る。

内断熱・外断熱はあくまでも工法の違いであり、どちらか一方が優れているという事はありません。

大切な事は、その特徴を踏まえて適切な施工をすることです。

ご興味のある方は、下記サイトをご覧ください。

 

http://www.chiryuheater.jp/useful_info/in_or_ext.html

 

最後にひとつあります。

 

断熱材には使用温度範囲というものがあります。

上の表を見るとわかるように、硬質ウレタンフォームは-200℃から150℃。

フォームポリスチレンは-50℃から80℃になっています。

使用温度範囲を超えれば断熱効果は発揮されません。

真夏の屋根温度は70~80℃。

外断熱をお考えの皆さん!

あなたの家のフォームポリスチレン、暑さ対策は大丈夫でしょうか

 

  https://www.assetfor.co.jp

 posted by t.arai 

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