杭工事とは違います

 

今日は日曜日。

現場はお休みです。

先日、いつも地盤改良でお世話になっている

株式会社アースリレーションズの方が、弊社に顔を出しました。

「どっかの誰かさん達のおかげで大変ですよ。」

「えっ、杭工事の偽装の件。でも、御社は地盤改良でしょう。

「杭打ちと関係ないじゃん

『地盤改良』『杭基礎』似ているようで違います。

でも・・・、

セメント系固化材を現場の土と水とで混ぜ合わせ、柱状に改良した土を一定間隔に設置する『柱状改良』は

なんとなく違う気もするけど・・・。

小口径の鋼管杭を一定間隔で捩じり込み、地盤を補強する『小口系鋼管改良』なんて

まるで同じじゃん。

なるほど、どちらも悪者扱いする気持ちもわかります。

杭基礎と地盤改良、少し整理してみました。

上図をご覧ください。

基礎は直接基礎杭基礎に大別されます。

ここで云う杭基礎が、昨今世間を賑やかせている杭となります。(とりあえず、悪い杭と呼びます)

 上図のように、地盤の許容応力度により基礎構造を決めるのが一般的です。

(わかりにくい表現ですが、基礎ぐい=杭基礎となります。)

例えば・・・、

比較的、良好な地盤の上に木造2階建てを新築する事になりました。

基礎を直接基礎とし、べた基礎を採用したが、SWS試験(JIS A122)の結果

不同沈下の恐れがある事がわかりました。

この場合に行われるのが、次の①②いずれかの選択となります。

①地盤改良(地盤補強)を行い、基礎は当初のままとする。

②杭基礎への変更を行う。

①・②ともに、工事費が余分にかかるのは仕方ないとしても

①の場合は

1週間程度、工期が伸びます。

②の場合は、

まず、別途費用を支払い、ボーリンク調査を行う必要があります。

次に、別途費用を支払い、構造計算をやり直す事になります。

その際、基礎の形状も変わりますから、図面も大がかりな変更が必要となります。(費用もかかります。)

もちろん、行政への構造変更申請も必要になるでしょう。(手数料及び手続き代行料がかかります。)

工事もその間(最低1か月程度)止める事になりますから、工期は大きく変わります。

そのため、仮設費用を始め諸経費が大きく膨らむ事も予想されます。

そのためなのか、こうしたケースでは①を選択するケースがほとんどだと思われます。

(大多数の一般住宅は杭基礎を採用していません。)

 

弊社が取引している地盤改良業者が提案してくる補強方法は概ね3つあります。

敷地にプラントを設置する余裕があり、かつ改良深度が8m程度の場合。

腐食土の場合は注意が必要となります。

 改良深度が8mを超える場合、もしくは敷地内にプラントを設置する余裕がない場合。

所定の支持層が必要となります。

これが悪い杭に疑われる、可哀そうな良い杭です。

 敷地にプラントを設置する余裕がなく、かつ改良深度が比較的浅い場合

良い杭なんでしょうけど、どちらかと言うと「足場用の単管」を地面にグリグリ刺している感じです。

(他社で実施している表層地盤改良の提案はありません。また3番目に挙げた工法を採用するケースは

ほぼゼロに等しく、実質的に2種類の中から選択となっています。)

この中から、予算や現場の状況を判断して工法を選択します。

どちらかと言うと、柱状改良の方が安価で工期も短くなっています。

今回の事件では、設計図通りの杭長では支持地盤まで届かないという事があったように記憶しています。

杭基礎の場合は、現場で杭長さを変更する事が出来ません。

先程の

 

まず、別途費用を支払い、ボーリンク調査を行う必要があります。

 

次に、別途費用を支払い、構造計算をやり直す事になります。

 

その際、基礎の形状も変わりますから、図面も大がかりな変更が必要となります。(費用もかかります。)

 

もちろん、行政への構造変更申請も必要になるでしょう。(手数料及び手続き代行料がかかります。)

 

工事もその間(最低1か月程度)止める事になりますから、工期は大きく変わります。

 

そのため、仮設費用を始め諸経費が大きく膨らむ事も予想されます。

という流れに乗って進めることになります。

それに比べると

地盤改良は、こんな感じです。

木造2階建てを新築しています。

べた基礎(直接基礎)+改良長さ6.0mの柱状改良を行う設計です。

重機を現場に設置し、撹拌翼をグリグリと地中に刺していきます。

深さ6.0mになっても、それらしい手応えがありません。

念のため6.5mまで刺してみると、ようやくいつもの手応えが感じられました。

改良業者は会社と連絡を取り合っています。

「現場に入っている固化材の量からすると、不足はありません。」

「作業も今日中に終わりそうです。」

「残土を現場で対応していただければ・・・。」

「・・・」

「よし、費用の増加無しでいこう

うれしい結果が出たようです。

改良深さを0.5m下げて、6.5mに変更。(おまけに、費用アップなし

お客様にこの旨、ご報告して一件落着。

こんな事、何回もありました。

もちろん、施工報告書にもしっかりと記載されていますし、保証の対象にもなります。

何事にもイレギュラーはあります。

現場に携わる人間が総力を結集して、その場で解決に当たる。

一般住宅の場合はこうした事が認められていますから、ご安心ください。

悪い杭と良い杭は、似ているようで違います。

ご理解戴けたでしょうか?

決して悪い基礎を否定している訳ではありません。

むしろ、取扱いの難しさをご理解いただければ・・・。

 

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