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日頃、疑問に感じている事を、確かめてみました。
先日行った『FPの家 Y邸』における換気風量測定についての追加測定の結果についてご報告したいと思います。
本日の天気は晴れ、屋外の気温:30.7℃/湿度:64%/風速:0.5m/sでした。
エアコンを冷房28℃に設定した屋内は、気温29.8℃/湿度:61.7%/風速:0m/sとなっています。
窓に置いた温度計の湿度を見ると、針は80%を指しています。フォーラムの参加記念品だけに精度は良くないようですね。(温度は正確でした。)
KNS-233という風量測定器を使用します。
今回は壁に設けられた合計7個のカバーを取り、そこを通る風の量を測定します。
カバーを取った状態です。
標準フィルター装着時を風量1とし
標準フィルター脱着時を風量2としました。
前回の測定で、コントローラーのレベル1.5・2.0・2.5の時の排気風量が判っています。
1.5の時の排気風量・・・96.1m3/h
2.0の時の排気風量・・・112.5m3/h
2.5の時の排気風量・・・129.3m3/h
換気回数0.5回/hを達成する為にはレベル1.5で十分ですが、今回はレベル2.5にて測定しました。
まずは風量1です。
全ての給気口に標準フィルターを装着した状態で測定された値は10.0となっていました。
続いて風量2です。
全ての給気口の標準フィルターを脱着した状態で測定された値は23.5になっていました。
前回行った『給気口の風量測定』はこの状態で行いました。
何故なら、その目的は建物の気密性による給気口からの換気量が理論通りになっているかを確認したかったからです。
測定の結果、排気風量の合計と給気風量の合計の差が、ほぼ理論通りである事がわかりました。
また、サッシの隙間風の風速測定の際にはフィルターを装着した状態で行っています。
これは、お施主様が暮らしている状態で、不快と思われる風があるかどうかを調べる事を目的としていたからです。
日頃換気風量測定を行っている経験上、フィルターの装着は風量の大小に大きく影響します。
冬季に限って言えばフィルターにより風量が小さくなるのは良い事でしょう。でも排気風量が同じで給気風量が減少するという事は、その他の隙間からの給気が増えるという事になります。これは由々しき問題です。
これが今回の測定を行う理由です。
ついでにフィルターを装着した状態で、1個だけフィルターを脱着し風量を測定した値が風量3となります。
他の給気口に比べて抵抗が少なった分、風量が増えた事がわかると思います。
7箇所ある給気口の風量1・2・3の測定結果は次の通りとなりました。
風量1の合計が68.1m3/hですから、排気風量129.3m3/hとの差61.2m3/hの空気が給気口以外から入っている事になります。
また風量2の合計は163.3m3/hですから、もしフィルターをつけなければ、コントローラーレベルを下げても排気風量が取れるはずです。
そうすれば電気代もさらに下げられる事になります。
給気口からの給気量を増やす為の選択肢はいくつかあるでしょう。
例えばフィルターを低圧損タイプに変更する。この場合のデメリットは花粉の侵入を防げない事でしょう。メリットは省電力化が図れる事とフィルター自体の価格が安い事が挙げられます。
フィルターはそのままにして給気口の数を増やすのも有効です。花粉の侵入を防ぐ事も出来ます。ただし給気口とフィルターが増えますから、その分コストアップする事になります。
帯電性不織布を採用したPM2.5用フィルターを使用するのも良いかもしれません。少し割高になりますけど・・・。
なんといっても、気密性能の高い窓を採用するのが一番でしょうか。
もっと他にもあると思います。
この辺りの事を、換気システムメーカーとじっくり話してみたいと思います。
結果は後日報告致します。
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