無垢材信仰 1

 

学芸出版社 刊

佐道健 著

木がわかる~知っておきたい木材の知識

から抜粋した記事を7回に分けてご紹介してます。

第1回目は無垢材の長所と短所という話です。

木を使う時には、貼り合わせや剥ぎ合わせなどをしていない『無垢材』が最も優れた材料であると信じている人は多いようである。

確かに木材はそのままで軽くて強く、硬過ぎも軟らか過ぎもせず、程好い肌触りで人に馴染みやすく、見て美しいといった優れた多くの性能や機能を備えている。

さらに取り扱いやすく、加工も慣れればそれほど難しくはない。

何よりも木は自然が生んだ材料である。

この事を自然志向の風潮が盛んな昨今では人々の心を捉えている。

ここで無垢材とは製材・切削・乾燥以外に手を加えていない材で、『製材(JASでは製材品の事を製材と呼んでいる)』とほぼ同義語と考えて良い。

なお木の板やブロックを接着剤(糊)で接着する場合、板を重ね合わす場合を『貼る』、側面を合わす場合を『矧ぐ』、長手方向に接ぐ事を『継ぐ』という。

木材は材料として既にほぼ完成された状態で人の手に入るので、そのままですぐに使う事ができる。

この点は金属やプラスチックのような、原料から人手を加えて初めて使えるようになる人口の材料とは非常に違っている。

この特徴は、一方で望みの性能を持つ材を作る事が難しい事をも意味している。言い換えれば、自由度が少ない材料であるという事になる。

その上、節などの欠点を抱え、材質の変動が大きい、燃える、腐る、狂うといった欠点も避ける事が出来ない。

このような欠点を改良し、木質が持つ性能のうち装飾性・居住性などの人の感性に直接結び付く性能を伸ばしたい、さらに無垢材では得られない新しい性能を持つ材料を望むのは当然の事である。

このようにして開発されたのが木材をベースとした複合木質材料で、単に木質材料と呼ぶこともある。

この場合も、木材が本来持っている機能と性能を出来るだけそのまま残しておこうとする考え方と、これに拘らず全く新しい機能と高い性能を目指す考え方とがある。

このような複合木質材料が目指しているのは、次の3点に集約できる。

1.軽くて強い、手触りが良く見て美しいといった木質が備えている優れた性能を保ちながら、広い板・長くて断面の大きい柱や梁など、普通の木材では得られない形状をもつ材料や、燃える・腐る・狂うといった欠点を改良し、長期間の使用に耐える材料を作り出す事。

2.節などの欠点が多く、避ける事ができない品質のバラツキや変動を少なくし、性能が安定した、信頼性が高い材料を作る事。

3.今まで使っていなかった多少曲がった木とか、寸法が小さい原木や、工場で出た廃材を有効に使って上記1・2のような材料を作る事。

最近では年々新しい製品が市場に出回っている。今回は多くの複合木質材料の中でも、木目の表情や木質感を残している『集成材』と『合板』、それに最近良く使われている各種の『木質ボード』、最近開発された木質新素材などについて、その特徴と使い方を紹介する。

もちろん無垢材はそれ自体優れた材料である事は否定するものではない。

無垢材を使うか、複合木質材料を使うかは、自分はその材料に何を求めているのか、どのような特徴に注目しているのかを確かめておく必要がある。

その上で材料の短所や欠点から引き起こされるかも知れない多少のリスクは覚悟して選択する事が大切である。

これは用途や目的に応じて必要とする性能を備えている限り、材料の選択は使う人の『使用する上で、どのような点を重視しているか』という価値観と好みによる事が多いからである。

次回は集成材が無垢材より優れている点は?という話です。

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