無垢材信仰 2

学芸出版社 刊

佐道健 著

木がわかる~知っておきたい木材の知識

から抜粋した記事を7回に分けてご紹介してます。

第2回目は集成材が無垢材より優れている点は?という話です。

最近では無垢材に代わって集成材が多く使われるようになりました。

どのような典で集成材は無垢材と違っているのか、どのような使い方が集成材の賢い使い方なのかを知ってれば、木材の利点を活かして使う上で非常に役立ちます。

集成材が考えられた最初の動機は、無垢材では求める事が出来ない太く長い梁や柱・巾の広い板が欲しかったからでしょう。

上図のように細い角材(ストリップ)や挽板(ラミナ)を木理方向を互いに平行にし、長さ・巾・厚さの方向に接着剤を用いて集成接着して、必要な大きさの部材にしたものが集成材です。

集成材には多くの種類がありますが、大きく構造用集成材と造作用集成材に分けられます。

前者は柱・梁・桁などの木造建築の軸組として使い、その品質はJASによって規定されているので、これに適合したものを使う必要があります。

これに対して後者は用途も多岐に渡っており、建築内装・造作・家具・工芸品などに使われます。

形状も敷居・框・手摺などのような軸状のものと、フローリング・階段の踏板・机やカウンターの天板のような面状のものがあります。

昨今では昔の大伽藍の柱や梁に使っているような大きい部材が採れるような原木を見つける事は非常に難しくなっています。

でもラミナやストリップを木理方向を互いに並行にし、長さ・巾・厚さ方向に集成接着すれば、設計通りの大きさの部材を作る事が出来ます。

江戸時代に再建された東大寺の大仏殿の1本1本の柱がそれぞれ合わせ柱である事からも、集成材の発想は昔からありました。

各地で木造の大型ドーム建築が建っていますが、これらは集成材を骨組みとしたもので、例えば直径150m、高さ50m程度の中に柱が1本も無いなんて事も可能なんです。

木材は原木の大きさで採れる部材の大きさが決まります。従ってこのような大型建物を無垢材だけで作る事は出来ません。

集成材の特徴は希望する大きさと形の部材を作る事が出来る事、すなわち設計上の設計上必要な断面と長さ、それに必要に応じて湾曲したものを作る事が出来る事でしょう。

製品強度の変動を少なくする事や、強さの要求に応じて合理的に断面を設計する事も出来るという利点もあります。

さらに木材エレメントを乾燥後に集成接着するので、材料内の乾燥度が均一になり、使用中の割れや狂いなどを防ぐ事も出来ます。

そのほか大断面の集成材が火災に対しても安全である事が確かめられています。

集成材を構造用の材料として使う場合、その強さやたわみにくさが重要な性質となります。

その特徴を挙げると、

1.材中の節などの欠点を除くか、分散させる事によって材質の散らばりを小さくする事が出来る。

2.ラミナを含水率15%まで乾燥させるので、材料内の乾燥度が均一になり割れや狂いを防ぐ事が出来る。

3.同じ原木から得られた製材と集成材の曲げヤング係数・曲げ強度分布を比べると、後者の方が品質のバラツキが少なく、もっとも低い品質での耐力性能の値が高い事もわかっている。

4.ラミナのヤング係数をグレーディングマシンで測定し、製品の耐力要求に応じたグレードのラミナを積層する事で、耐力性能を保証出来る製品が出来る。

といったところでしょうか。

次回も引き続き、集成材が無垢材より優れている点は?という話です。

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