隙間の大きさを測定しました。

梅雨の中休み。

でも日曜日で現場は動いていません。

なんだか複雑な心境です。

この時期はいつも、空模様に一喜一憂・・・。

どうにかなりませんかね。

『FPの家 Y邸』

お施主様立ち会いの元、気密性能測定を行いました。

気密測定とは住まいの隙間の大きさを測ること。

専用の機器を使って、給排気口や窓などを閉じた状態で建物内の気圧を上げたり下げたりします。

今回は送風機を窓に設置し、建物内の空気を外に排出することで気圧を下げる『減圧法』。

反対に外気を採り込むことで気圧を上げるものを『加圧法』と言います。

でも、弊社では採用していません。

第3種換気を行うケースが多い弊社の場合は、建物内が負圧(外気よりも気圧が低い状態)になります。

つまり、減圧法の方が実際に近い結果になる訳です。

これが採用しない理由です。

建物内の気圧を下げると、建物外皮(屋根・外壁・窓・床)に圧力が掛かります。

この時、外皮に隙間があれば空気はそこから侵入します。

排出する空気と侵入する空気の量を測定器を用いて測り、その差から全ての隙間の合計面積を算出します。

恥ずかしながら、詳しい原理は判りません・・・。

また内外気圧差(差圧)により、侵入する空気の量も異なります。

そのために、いくつかのレンジで測定する必要があります。

えっ!

気密の必要性ですか?

話すと長くなるので、割愛させていただきます。

ご興味のある方は、以下のページをご覧ください。

https://blog.goo.ne.jp/assetfor/e/81193dec85467ea4d41500471b8a9823

過去に書いた拙ブログです・・・。

メリット・デメリットはもっと色々あります。

まずは、わかりやすいところから・・・。


では、測定の様子をご報告しましょう。

13時30分がお施主様との待ち合わせ時間でした。

気密測定技能者のK氏、12時30分には来ていたようですね。

私が13時前に到着した時には、ほぼ設置が完了していました。

造作出窓に設置した送風機。

地板がちょうど良かったそうです。

そして、測定器。

買うと、かなりの金額です。

欲しいんですが、買えません。

準備が完了したので、試運転を行いました。

試しに玄関ドアに目張りをして測定です。

やってみて、びっくりしました。

ドアを閉めているのに、目張りした気密シートがパンパンに膨れています。

ドアの隙間が無ければ、シートはダラーッと垂れ下がったままの筈ですよね。

思った以上に隙間が大きいようです。

お施主様がお見えになったので、いよいよ本番です。

いつも通りに、気密測定の進め方や気密性能の必要性を説明するK氏。

送風機を設置した窓は開いた状態になっています。

そこに気密シートを張り、穴を明けて送風機を取付けています。

だから送風機を稼働させ、気圧が下がるとシートは内側に膨らみ、パンパンになります。

パンパンになった状態を、指で弾き確認するお施主様。

そして窓を少し開くと、とたんにシートはダラーンとなります。

隙間から外気が入れば、内外気圧差は無くなりますから。

この要領で建物の隙間の大きさを測るんです。

へぇーっ

ここ、一番の見どころです。

その後、風量を上げて5つのレンジで差圧を測って完了しました。

総相当隙間面積αA=20㎠

隙間特性値n=1.33

通気率a=5.5

9.8Pa時の通気量Q9.8=28.5㎥/h

気密性能を示す値に『C値』があります。

これは総隙間面積を実質床面積で割った値です。

今回の測定結果であれば

床面積=100.68㎡

ですから

C値=0.19㎠/㎡(小数点第2位を四捨五入しますから、0.2㎠/㎡)となります。

最近は、床面積ではなく外皮面積で割った値『CA値』を採用する事例も出てきました。

床面積が大きくても外皮面積が小さい建物もありますし、その逆もあります。

CA値の方が目安になるような気もします。

試しに計算してみましょう。

外皮面積の合計=267.36㎡ですから

CA値=0.07㎠/㎡となります。

でもこの値、良いの?

悪いの?

よくわかりません。

試しに『FPの家 K邸』の気密性能と比較してみましょう。

もの凄く気密性能の高い家でした。

総相当隙間面積αA=12㎠

床面積合計=174.44㎡

よって、C値=0.07㎠/㎡

外皮面積合計=375.62㎡

CA値=0.03㎠/㎡

ちなみに隙間特性値n=1.12でした。

うーん、やっぱりピンと来ない・・・。

そうそう、玄関ドアを目張りした時の各値は以下の通りでした。

総相当隙間面積αA=16㎠

隙間特性値n=1.24

通気率a=3.8

9.8Pa時の通気量Q9.8=23.8㎥/h

C値=0.15㎠/㎡

C値的には大差ありません。

でも、玄関ドア1つで隙間面積が4㎠も変わるって凄いですよね。

ちなみに気密等級A-4の場合、10Pa時の隙間面積は2㎠/㎡以下となっています。

ドアのサイズは

W0.924×H2.33=2.15㎡

これに2㎠/㎡を掛けると4.3㎡。

取り敢えず、クリアはしているようです。

最近の窓は気密性能が良くなっていると聞いています。

でも、玄関ドアは相変わらずです。

もっと気密性能の高いドアが増えるといいのに・・・。

最後に隙間特性値nの話です。

この値は隙間の特性を示しています。

1.0~2.0の間の数値になりますが、値が小さい程それぞれの隙間が小さいことを示します。

総隙間面積が20㎠の場合、例えば0.2㎠の穴が100個かも知れないし0.1㎠の穴が200個かもしれません。

同じ総隙間面積であっても、前者よりも後者の方がより気密を高めるメリットが多くなります。

目安としては1.5より小さくする事。

n値=1.38ですから、問題なしです。

そうそう、50Pa時の確定流量は93㎥/hでした。

建物の気積は236.91㎥ですから

ACH(50Pa時の隙間による換気回数)は0.4回/hとなります。

パッシブハウス基準クリアです。

良かった・・・。

胸を張って『高気密住宅』と言えます。

posted by Asset Red

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