遮断パネルの効果

今日は日曜日、現場はお休みです。

昨日の拙ブログで、FP遮断パネル(以下、パネル)の遮熱性能のお話を少しだけ書かせていただきました。

 

厚さ105mmの硬質ウレタンフォームを充填した木質パネルに遮熱クラフト紙で作った通気層が2層ある断熱パネルです。

この遮熱通気層を『シルバーバット』と呼んでいます。

屋根の表面温度が74.9℃の時、一般的な通気層を設けた工法の場合の断熱材表面温度は48.1℃になるそうです。

そして、パネルを使った場合の断熱材表面温度は30.9℃。

この差、凄いと思いませんか?

で前回は締めさせていただきました。

イマイチ凄さが伝わらない気がする・・・。

そう思い、もう少し説明を加えてみたいと思います。

(あくまでもシルバーバットの有無による違いの話です。

ウレタン部分はあまり関係ありません。)


断熱材の性能を示す値に『U値』があります。

熱貫流率とも云い、単位はW/㎡・Kを使います。

断熱材の両側の空気温度に1度の差があるときに、単位時間あたりに壁1㎡を通過する熱量の事です。

パネルに使われている断熱材は硬質ウレタンフォーム(2種2号)です。

でも実際には木のフレーム部分もありますから、この数値をそのまま使って計算することはありません。

上表のような計算を行い、実質熱貫流率という値を使うのが一般的なんです。

ここでは、0.29W/㎡・Kという値を使って計算を進めます。

屋根の面積を100㎡とし、室温を28.0℃とした時のパネルの内外を通過する熱量を計算すると、こうなります。

0.29W/㎡・K×100㎡×(30.9℃-28.0℃)=84.1W・・・①

一方、一般的な通気層を設けた場合の計算はこうなります。

0.29W/㎡・K×100㎡×(48.1℃-28.0℃)=582.9W・・・②

屋根から逃げる熱量は①84.1Wに対して②582.9Wになることがわかります。

どちらも同じ厚さの硬質ウレタンフォームを使っているのに、前者は84.1Wの冷房をすることで、582.9Wの冷房効果を得ることが出来るという事です。

②の計算式の582.9Wを①と同じ84.1Wにする為には、0.29W/㎡・Kを0.0418W/㎡・Kにしなければなりません。

0.0418W/㎡・K×100㎡×(48.1℃-28.0℃)≒84.1

つまり遮熱による冷房効果だけを考えると、前者の実質熱貫流率は0.29W/㎡・Kではなく、0.0418W/㎡・Kに相当することになります。

先程の実質熱貫流率計算をしてみると、硬質ウレタンフォームの厚さを815mm/木材(熱橋)の厚さを850mmにしなければなりません。

こんなの、あり得ないですよね。

そうだ、35mmの通気層を止めて全て硬質ウレタンにした時の計算もしてみましょう。

この時の実質熱貫流率は0.24W/㎡・Kとなります。

通気層が無いため、外気温がそのまま断熱材に伝わります。

よって、以下のような計算となる筈。

0.24W/㎡・K×100㎡×(74.9℃-28.0℃)=1125.6W・・・③

凄い値です。

やっぱり、夏に関しては通気層って有効なんですね。

ちなみに84.1Wの熱量をCOP3.0のエアコンでカバーしようとすれば、その電気代はこうなります。

電気代を25円/KWh、運転時間を3時間とし、ひと夏分として3か月間の稼働で計算してみました。

①の場合は

0.09KW×3時間×91日=24.57KWh

これを3.0で割ると、8.2KWh×25円=205円

②の場合は

0.58KW×3時間×91日=158.34KWh

同じく3.0で割ります。

52.78KWh×25円=1319円

参考までに③の場合は

1.12KW×3時間×91日=305.76KWh

同じく3.0で割ります。

101.92KWh×25円=2548円

あくまでも屋根面だけの話です。

その差は1114円(通気層無しとの差は2343円)、多いのか少ないのか・・・。

どうですか、シルバーバットの有難味が伝わったでしょうか?

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