ルーフバルコニーの場合は・・・

始めに謝っておきます。

季節外れの話題で申し訳ありません。

来る2月3日の日曜日、完成現場見学会を開催します。

会場は『FPの家 Y邸』。

こんな敷地に建っています。

そう、以前にご紹介させて戴いた『背高のっぽの3階建て』です。

前面道路との高低差を利用した大きな床下収納と、ペントハウスを設けた広いルーフバルコニーが特長です。

ここまでは、季節に関係ありません。

問題はここからなんです。

ルーフバルコニーって、夏場暑いんですよね。

ジリジリとした太陽光線の影響を受けて、バルコニー床面がとにかく暑くなります。

そしてその熱は、天井温度を高めるんです。

それこそ、80℃近くまでなるそうです。

床面温度がそのまま伝わっていれば、天井温度は80℃って事ですよね。

でも一般的な屋根であれば、換気棟&通気層があります。

まして弊社のつくる『FPの家』であれば、『FP遮断パネル』を採用しているので何の問題もありません。

上図で説明してみましょう。

ここでは、屋根の表面温度はおよそ75℃になっています。

屋根&野地合板は熱伝導により75℃位になっている筈。

この時、野地合板の通気層側からは、アルミクラフト紙①に対して輻射熱が出ています。

輻射熱って厄介なんですよね。

ここで、ちょっとだけお勉強タイムです。

熱移動には次の3つがあります。

①伝導

②対流

③輻射(放射)

①と②は簡単です。

①はフライパンを火にかけると、取っ手が熱くなる現象です。

フライパンが熱を伝えた訳です。

熱は高い方から低い方に移動します。

この時の熱の伝わりやすさを表すのが『熱伝導率』となります。

熱伝道率の低い樹脂や木材を取っ手にすれば、持っていても熱くありません。

②は鍋を火にかけた際に、中の水が上から熱くなる現象です。

お風呂の方がわかり易いでしょうか?

温かいお湯は軽く、冷たい水は重いので、鍋の中の水は対流を起こします。

最後は上も下も同じ温度になる筈です。

③を説明するのが難しいんです。

でも説明を試みてみましょう!

例えば、宇宙空間が良い例です。

真空空間ですから、熱伝導および熱対流は起こりません。

では何故、太陽の熱は地表まで届いているのでしょうか?

この答えが輻射なんです。

先程の図に戻ります。

物質は熱線を放射します。

そしてこの放射を受けた物質は、熱を発します。

だから熱くなった野地合板が発する放射線を受けたアルミクラフト紙①は野地合板と同じ温度になります。

でもアルミクラフト紙って、放射熱の一部を反射するんですよね。

だから、それほど高温にはなりません。

でも、反射の度合いは物によってことなります。

多く反射するものもあれば、少ししか反射しないものもある。

これを、遮熱性が高いとか低いと言います。

アルミクラフト紙の反射率は、まあまあというところでしょうか。

クラフト紙①が反射した熱線は野地板をさらに暖めます。

そして、熱線を放出し続けます。

ここで役立つのが通気層です。

暖められた空気を排気し、その際に熱くなった野地板の熱を奪ってくれます。

それでも、熱線の一部と、熱くなった空気の伝導で暖められたアルミクラフト紙②には熱が伝わります。

そしてここでも同様の働きで、ウレタン断熱材に伝わる熱を抑制することが出来るんです。

その結果が、図中の『断熱材表面温度30.9℃』です。

ちなみに同じ条件下で、FP遮断パネルを使わなかった場合の断熱材表面温度は48.1℃となります。

その差17℃あまりが遮熱効果となります。

凄いでしょ?

でもバルコニーの場合、その構造上FP遮断パネルを採用することができないんです。

躯体の一部であるネダノン合板(t:30mm)を敷き込み、この上に根太組を設け、その上にバルコニー床を作ります。

当然、根太組は通気の出来る構造とし、暖められた空気が抜けるようにしました。

根太には若干ながら勾配があります。

高い方に排気口を設置すれば、床面で暖められた空気は上に抜けます。

通気層内の空気は薄くなるので、下から空気を引張ります。

常に通気層内に空気の流れが出来るようになる訳です。

でも、ネダノン合板の下に充填する断熱材には輻射効果を期待できません。

そこで今回は、FRP防水の表面を保護するトップコートを変えてみました。

高反射率型のタイプにしたんです。

高反射率トップコートは太陽熱を反射して、表面温度を10℃以上も低下できるそうです。

その分、夏が涼しくなります。

これって純粋にトップコートだけの効果ですから、通気層による排熱効果を上乗せすることが可能です。

残念ながら、こちらの効果は数字に表せませんが・・・。

夏になったら、バルコニー下の天井の様子をサーモカメラで撮らせてもらおうかな?

バルコニー内に水栓金具も設けました。

これで水撒きをしてもらえれば、熱くなった床面温度を下げることも可能です。

ルーフバルコニーが広いと良いですよね。

テーブルと椅子を置き、そこでビールを呑む。

私も憧れていました。

我が家のルーフバルコニーも広いですよ。

10帖くらいあります。

でも、夏場はめったに外に出ません。

だって暑いんだもん・・・。

遮熱トップを塗る事で、

階下の温度を下げる事は出来ます。

でも反射した熱は大気中に戻るんですよね。

その分バルコニーが熱い気がします。

そうですね、洗濯物を干す時と、娘のプール遊びをする時位でしょうか。

バルコニーに出るのは。

ルーフバルコニーにするなら、まず遮熱トップを塗りましょう。

その上で、オーニングを設置する事をお勧めします。

きっと快適だと思います。

めい一杯、夏の話題でしたよね。

posted by Asset Red

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