パネル&パネル

練馬・板橋の天気は曇り時々雨。

早く梅雨明けないかなぁー。

いつも、こればかり考えています。

『FPの家 H邸』

今日も、パネル&気密施工を続けています。

最初の写真は、23年前のFP壁パネルに付いた傷となります。

取外し時に付いたのか?

はたまた運搬時に付いたのか?

いずれにしても、このままという訳にはいきません。

空気や水蒸気を通しにくい、アルミテープで補修を行います。

ここで、FP壁パネルの製造過程をご覧いただきます。

まず最初に、木枠を組みます。

全てがオーダー品の為、注文された寸法に合わせて木枠が組まれ、裏表にクラフト紙が貼られます。

プレス機に挟まれた、パネルです。

木口の穴からノズルを挿し込み、奥からウレタンの原料を充填します。

この時のプレス機の荷重は30トン、パネル内のウレタンが隅々まで均一に行き渡る秘密はここにあるんです。

完成したFP壁パネルです。

色々な特長を持つ断熱パネルですが、その特長のひとつに『経年劣化しにくい』事が挙げられます。

ご存知でしょうか?

断熱材の原理は『動かない空気』です。

繊維系断熱材であれば、繊維間にある動かない空気が保温効果を維持してくれます。

だから、風に弱いんです。

暖かいセーターも、強い風の中ではスースーして暖かくないでしょ?

そして、水にも弱いんです。

濡れれば、空気よりも熱伝導率の高い水が熱を伝えてしまいます。

濡れた服が冷たいの同じです。

でも、発泡プラスチック系断熱材の場合は、内部にある微小な気泡が保温効果を高めてくれます。

風や水に強いのは、それぞれの気泡が独立しているからなんです。

連続気泡の現場発泡ウレタンと工場発泡ウレタンが別物と言われる理由は、ここにあるんです。

ここで問題です。

繊維系断熱材と比較して、発泡プラスチック系断熱材の方が高い断熱性能を有しているのは何故でしょうか?

答えは、微小な気泡の中にあります。

先程、動かない空気が保温効果を高めると書きました。

でも、発プラ系の気泡の中には空気よりも保温効果の高い気体が入っているんです。

この違いが、保温効果の違いになる訳です。

でもこの気体は、いつか大気中の空気と入れ替わってしまいます。

これを『置換』といいますが、入れ替わってしまえば高い保温効果を望むことは出来ません。

イラストは断熱材内部の独立気泡を示しています。

青い粒は空気、赤い粒は保温効果の高い気体を示しているんです。

気泡を覆う膜が空気等(以下ガス)を通さなければ、置換はおきません。

こんな感じです。

でも、膜は経年でガスを通すようになってしまいます。

この時の時間を左右するのが、『スキン層』と言われる断熱材表面の硬い層なんです。

食パンをイメージすると、わかりやすいと思います。

パンの耳がスキン層です。

ここは目が詰まっていて、ガスが抜けにくい構造になっています。

でも、食パンはスライスしますよね。

白い部分は切断面ですから、気泡の断面見ることが出来ます。

ここからはガスが抜けやすいんです。

だから、耳だけのパンを作ればいいんです。

でも大抵の発プラ系断熱材は、わずかなパンの耳とたくさんの白い部分で構成されています。

製造方法を見れば、仕方ないと思います。

2つの製造方法を見てください。

どちらも『裁断』という工程があるでしょ?

だから、ここから経年劣化するんです。

でも、FPパネルはオーダー品です。

型の代わりに木枠やクラフト紙を使っているだけで、基本的には上図と変わらない製法になっています。

だから、切断面は存在しません。

木枠およびクラフト紙の内側は、全てパンの耳なんです。

よって、置換が起こりにくい構造という訳です。

現場における切断は、極力避けるようにしています。

傷や切断面がある場合は、必ず気密テープで塞ぎます。

23年前のFPパネルに穴が開いていました。

そこに現場発泡ウレタンを充填後、発泡・硬化した状態です。

この状態であれば、耳と同じです。

でも、平らに切削しなければなりません。

パンの白い部分と同じ状態に、なってしまいました。

依って、アルミテープを貼って置換を防ぎます。

こうする事で、隙間を無くすとともに断熱材内部に水蒸気の進入を防ぐことも出来るんです。

23年前のFPパネルに、配線の為の切込みがありました。

ここも同様の処理が必要となります。

アルミテープによる、こうした施工って凄く重要なんです。

配管廻りのアルミテープは、隙間ができやすいので工夫をしています。

新しいパネルと23年前のパネルの揃い踏み写真です。

こちらは、更に11年前のパネルも加わっています。

同じように、傷・釘穴等にはアルミテープを貼っています。

そうそう、昨日の拙ブログに書かせていただきました。

緑色のパネル→ベージュ色のパネル→銀色のパネルの順番で、断熱性能は悪くなっています。

どれも厚さは同じ105mmです。

その差をグラスウール16Kの厚さで比較したいと思います。

緑色は236mmの厚さに相当します。

ベージュ色は225mmの厚さに相当します。

そして銀色は1.9mmの厚さに相当します。

この写真は、以前に開催した弊社現場の構造見学会の様子です。

この日の為にFPパネルを1枚だけ外し、グラスウール16Kを充填しました。

冬の午前中でした。

ちょうど壁の背中に日差しが当たっていた筈です。

その時のサーモ画像となります。

緑色の部分が、厚さ100mmのグラスウール16Kです。

そして青い部分が、緑色のFPパネルとなります。

白→赤→緑→青の順に温度が低いことを示しています。

室内温度は外気温度と、さほど変わりません。

だから、真っ青でしょ。

でも、グラスウールは太陽熱を伝導したので緑色に写るんです。

凄い違いですよね?

あっ、赤い部分はアルミテープに撮影者(私)の体温が反射している部分です。

角度を変えれば、青く写る筈です。

このカメラでパッチワーク状態の壁を撮ってみたら、どうなるのかな?

断熱性能が違うんだから、色が違う?

おそらく違いはわからないと思うんですよね。

機会があれば、確認したいと思います。

外では、もうひとつのパネル施工が始まりました。

ハイベストウッドという、構造パネルです。

厚さ9ミリの構造用MDFとなります。

地震に強く、水蒸気を良く通す面材です。

表面の白い粉は、高濃度ホウ酸水溶液が結晶化したものとなります。

シロアリの被害を防ぐためには、この粉が流れないようにする必要があります。

つまり、雨水に注意する必要があるんです。

だから、梅雨なんて嫌いなんです。

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