窓の隙間風

今日の練馬・板橋の空はグレー、今にも雨が降って来そうです。

なんて書いているうちに、雨が降ってきました。

雨で、ウイルスも流れちゃえばいいのに

今日も、朝一番にOB宅にお邪魔して来ました。

「引違い窓から隙間風が入ってくる。」

という連絡を戴いたんです。

「風が強い日は、風切り音がピューと鳴ります。」

あーっ、またか・・・。

引違い窓って、隙間が多いんですよね。

他の形状の窓に比べて、ダントツにスカスカです。

しかも、このお宅には引違い窓が2箇所しかありません。

ご存知でしょうか?

実は、サッシにも気密性能があります。

JISでは以下のように、サッシの隙間から漏れる空気の量を、開口面積1.0m2における1時間当たりの通気量で分類し、等級グレードで表しています。

以下、サッシメーカーのカタログより抜粋・転載させていただきました。

JIS A 4706-2000(サッシ)ではサッシの気密性能について表3の等級を定めています。

そしてJIS A 1516-1998 (建具の気密性試験方法)に従い試験し、該当する等級について、通気量が図1に規定する気密性等級線を上回らないことと定められています。

気密性の良否は室内の冷暖房効率、遮音その他に大きく影響します。

気密等級はA – 1、A – 2、A – 3、A – 4 の順で気密性が高くなります。

ちなみに気密性が良いと、こんなメリットがあるそうです。

①冷暖房における熱負荷が少ない。~省エネルギーにつながる。

②内・外部騒音における遮音性が良くなる。~静けさに繋がる。

③外部からの塵埃・粉塵の吹込みが少ない。~快適な環境につながる。

仰る事はもっともです。

でも、現実が伴っていないんですよね・・・。

今回問題となっている引違い窓の気密性能は『A-4等級』です。

表3を見ると、防音・断熱・防塵建築用に分類されるサッシです。

図1によれば、10Pa時の通気量は2㎥/h・㎡以下になっています。

窓サイズは2.0m×1.65mですから、計算すると通気量は2.4㎥/h以下になる筈。

つまり、隙間風で1時間に2.4㎥もの空気が移動するかも知れない訳です。

これって凄くないですか?

と言っても、判らないですよね。

参考までに、工事中に行った気密測定時のデーターと比較してみましょう。

C値は0.1㎠/㎡でした。

9.8Pa時の通気量Q9.8は、17.3㎥/h。

この値が、10Paに一番近い値です。

これよりも気圧差が多い分、通気量は若干多くなると予想されますが・・・。

家全体で17.3㎥/hしかないのに、窓一つだけで2.4㎥/hって凄いですよね?

ちよっと数えてみました。

このお宅で使用したA-4等級の窓は全部で29個、合計面積は20.66㎡です。

これに2㎥/h・㎡を掛けると、41.32㎥/hになってしまいます。

あれ総通気量よりも多い・・・。

2㎥/h・㎡以下って、こういう事なんでしょうね。

 

とにかく、原因を突き止めなければなりません。

そこで今回は、こんな計測器を持参して実測してみました。

風速と温度を測る事が出来ます。

写真では、0.54m/Sで22.0℃の風が吹いている事を示しています。

ちょっとわかりずらいと思いますが、サッシの角にノズルの先端を当てているところを撮ってみました。

先端に検知部分があって、温度と風速を測定できるようになっています。

経験則に従い、イラストの6箇所を測りました。

大抵、ここから隙間風が入るんです。

写真は、左下部分の測定の模様です。

結果を言うと、他の5箇所は全て『風速0.15m/S以下』に収まっていました。

一般的に風速2.0m/S以上の隙間風は不快と言われていますから、取り敢えずOKだと思います。

でも、左下だけは、それを大きく超えています。

使っているうちに、建付けが悪くなったのかも知れないし、パッキンが劣化したのかも知れません。

もう1箇所の窓は、6箇所とも問題ありませんでした。

早速、サッシ調整の手配をしました。

まずは、メーカーの対応を待ちたいと思います。

さて、原因分析です。

このお宅の換気システムは第1種です。

一般的には、機械による吸排気がバランスしていると思われています。

でも給気量と排気量を比較すると、10%ほど前者の方が少なくしています。

つまり建物内が負圧になっている訳です。

その為、換気量を大きくすれば吸排気のバランスが崩れ負圧側に傾きます。

ご主人に聞いてみると、コロナ禍を気にして換気量を増やしたとの事。

やっぱり・・・。

これが原因のようですね。

①換気量を増やした事で建物内がより負圧になり、より外気を採り入れる必要があった。

②でも気密性の高い建物の為、隙間はあまり無い。

③経年で窓の建付けが悪くなり、隙間が大きくなった窓があった。

④ここから大量の風が侵入。

こんなところでは、ないでしょうか?

給排気の換気量を少しだけ正圧側に調整しましたが、効果はたいしてなかったようです。

やり過ぎて、壁内結露を起こすのはイヤですし・・・。

コロナ禍が過ぎたら、換気量の調整を改めて行おうと思います。

差圧式給気口を設置しておくのも手だと思います。

レンジフード稼働時の負圧対策にもなります。

でも結構な風が入るので、冬は寒いと思います。

湿気コントロール出来ないし・・・。

換気計画と気密性、簡単ではありません・・・。

 

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