無垢床材施工時の注意点

弊社では、無垢フローリングを使う事が多いんです。

と云うよりも、複合フローリングを使う事は滅多にありません。

複合フローリングとは、基材に合板やMDFを使い、化粧材に木材をスライスした単板や木材模様をプリントしたシートを貼った床材です。

SUUMO(スーモ)住宅用語大辞典には、こんな事が書いてありました。

複合フローリングとは、合板・集成材・単板積層材など基材と呼ばれる下地材の表面に、0.3mm程度から1.0mm程度に薄く削った天然木の単板を張ってつくられた床材。

単板は厚みがあるほうが、溝が深く木目が鮮やかになる。

張り合わせる天然木は、ナラ、サクラ、カバ、ブナなどが多い。

このほかに、天然木の単板ではなく化粧シートを張ったものもある。

この化粧シートタイプは、樹脂や紙などのシートに木目やさまざまな柄を印刷し、それを基材に張り合わせたもの。

近年、各メーカーの技術開発により、本来の素材と見分けがつかないようなシートタイプをはじめ、石目模様や抽象柄などリアリティーを追求した商品がそろっている。

複合フローリングは、無垢フローリングに比べて、色が豊富、施工が楽、寸法変化が少ないなどの特徴がある。

また無垢フローリングとは、無垢の木材で作られたフローリングを言います。

無垢の木材の本来の定義は、集成・積層などといった木を継ぎ足す加工を施していない木そのものを指すと思われます。

でも弊社では、単層積層材も無垢フローリングに含めて無垢フローリングと呼んでいます。

合板のようにスライスや鋸挽きした板材を重ね合わせた複層フローリングではなく、断面を見て単一の木材から出来ているものは無垢フローリングと呼ぶ訳です。

その内訳は、次のようになります。

①ソリッドタイプ・・・厚み、長さともにつなぎ目のない一枚板のフローリング材。

②ソリッド・ユニタイプ・・・製造工程の段階で様々な長さの板を木柄や色合いなどの特徴が均一になるように、数枚のピースを一定の長さ(1820mmなど)につなぎ合わせたフローリング材。

③フィンガージョイントタイプ・・・長さ方向だけでなく、幅方向も繋いで製造されたフローリング材。

上図の場合、左側が②/右側が③となります。

弊社では、①および②を使うことが多いですね。

③は、ほぼ使いません。

そして無垢フローリングと複合フローリングでは、施工時に注意すべき点が大きく違います。

そこで今回は、無垢フロアー施工時の注意点について書きたいと思います。

①特に床下の湿度が高くなる場所や、換気の不十分な場所への使用はお勧め出来ません。

②施工は雨や風の吹き込む事が無いように、屋根及び窓や壁が出来てからにしてください。

 施工中・施工後の雨漏りにも注意が必要です。

③梱包を解いても、直ぐに施工しません。

 可能であれば1週間程度は環境に馴染ませる必要があります。

④湿度が高くなる1階の現場では、施工後に『反り』や『捻じれ』が出る場合があります。

 床下の通風を良くし、必ず厚さ12mm以上の耐水合板を下張りして下さい。

 透湿抵抗の大きな断熱材を隙間なく施工するのも有効です。

⑤天然木のため、仮並べを行い、色・柄合わせが必要になる場合もあります。

⑥張り込みの際には、以下の点に注意が必要です。

1.板の並びはきつく締めず、突く程度とします。

 部分的に隙間が出来ても、決して叩き込まずにそのまま張り込んで下さい。

2.一般的には接着剤と釘の併用となります。

 釘の長さは50mm程度、フロアー用のスクリュー釘を使います。

 最近は、糊付タッカーを使う事も多くなっています。

 弊社では使いませんが、接着剤は『1液型のウレタン樹脂系木質床用』を使います。

 木工用ボンドは、カッピングや床鳴りの原因になるため、使いません。

3.接着剤塗布の際は、サネ加工部分に付着しないように注意してください。

 サネ部分に付着すると、幅方向に膨張・収縮を起こします。

4.壁面への納めは密着させず、5~10mmの隙間を設けて巾木で隠してください。

 また敷居や框等への納めはしゃくり等を行います。

5.貼り終いの1枚は、1週間程度馴染ませた後に貼ることをお勧めします。

6.表面保護の養生は、通気性のあるものをお勧めします。

また粘着力の大きなテープは塗装面を傷めるので使用しないでください。

⑦施工後も気候変動に伴い、伸縮します。材による伸縮の度合いを理解して、予めエキスパンションを取って施工してください。

室内における人工乾燥材の平均的な平衡含水率は、およそ12%です。

仮に無垢フロアーの含水率が10%、施工後の含水率が12%に変化した時の含水率変化は2%になります。

その時のエキスパンションは、以下のように計算する事が出来ます。

含水率変化×使用する樹種の伸縮度係数×フロアー巾≒エキスパンション

板目方向の伸縮度係数は、含水率6~14%であれば以下となります。

ナラ:0.00365

タモ:0.00274

メープル:0.00353

また柾目方向の伸縮度は、板目方向の約半分となります。

含水変化2%/幅90mmのナラ材(板目)のエキスパンションを求めると、こうなります。

2%×0.00365×90mm≒0.66mm

幅方向に0.7mm程度の寸法変化(膨張)が予想されるため、予め0.7mm程度の隙間を開けておく必要がある訳です。

また乾燥が進めば、逆に収縮が起こります。

「季節により、隙間の巾が大きくなったり小さくなったりする。」

これ、お引渡し後のお客様から良く戴く言葉です。

エキスパンションを取る為に、現場ではパッキンを充てて隙間を確保しています。

緑の板がパッキンです。

複合フローリングであれば、こんな手間は要らないんですよね・・・。

だって、スライスした木材を繊維方向を変えながら設着する事で、寸法変化を抑えているんです。

木材内部の隙間にも接着剤が含侵しているので、そもそも吸収する水分も少ないんです。

 

有機化合物をたっぷりと使った接着剤って、身体に良い訳ないですよね?

ですから、弊社では極力使わないようにしています。

 

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